レバノン基本情報
まずはレバノンの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきます。
国名
正式な国名は、「レバノン共和国」といいます。
首都
首都は、ベイルートです。
場所
レバノンは、中東に位置する国です。隣接する国には、北と東はシリア、南はイスラエルがあります。
日本との時差
日本とレバノンとの時差は6時間で、日本のほうが6時間進んでいます。たとえば日本が午前6時のとき、レバノンは午前0時となります。
面積
レバノンの面積は、10,452平方キロメートルです。これは、岐阜県の面積程度の大きさとなります。
エリア
レバノンは、大きく4つのエリアに分けられます。
●ベイルートエリア
ベイルートエリアは、レバノンの首都・ベイルートがあるエリアです。経済・政治の中心地で、観光スポットには、ベイルート国立博物館やジェイダ洞窟、鳩の岩などがあります。
●北部
レバノン北部は、レバノン第二の都市といわれるトリポリがあるエリアです。フェニキア人の発祥の地として知られるビブロスや、レバノン杉の森などがあります。
●べカー高原エリア
べカー高原があるエリアで、レバノン山脈とアンチレバノン山脈があります。フェニキア、ローマ時代のバールベック遺跡、アンジャール遺跡などが観光の目玉です。
●南部
レバノン南部は、フェニキア人の海洋貿易の拠点として栄えた港町・ティールやシドンなどがあるエリアです。
人口
レバノンの人口は、約529万人(2022年:CIA The World Fact book)です。これは、北海道の人口(約511.2万人)よりもやや多い数となります。
言語・公用語
レバノンで使われている言語はアラビア語です。そのほか、英語やフランス語も通じます。
通貨
レバノンの通貨単位はレバノン・ポンドです。日本円にすると、1レバノン・ポンドは0.0017円です(2024年10月12日現在)。
宗教
レバノンには、キリスト教(マロン派、ギリシャ正教、カトリック、アルメニア正教)やイスラム教(シーア派、スンニ派、ドルーズ派)など、計18宗派が存在します。
歴史概略
レバノンの国の歴史は非常に複雑で、その起源は紀元前からおこり、現代まで多くの民族問題や国際情勢のなかで歩みを続けてきました。概略としては以下のようになります。
16世紀 オスマン・トルコの支配下に入る
1920年 フランスの委託統治領となる
1943年 フランスより独立する
天気・気候
レバノンには海岸地域、山岳地域、高原の3つがあり、気候は地域によって異なります。
海岸地域は地中海性気候で、温暖で過ごしやすい気候です。真冬でも最高気温は15~18℃、最低気温は8~12℃と温暖です。
山岳地域の標高は2,500~3,000m級となり、この2つの山脈に挟まれたベカー高原は大陸性気候で乾燥しています。昼夜の寒暖差が大きいのが特徴です。
レバノンの首都・ベイルートと日本の首都・東京をくらべると、ベイルートのほうが気温はやや高く、12月〜3月の降水量は日本よりも多い傾向にあります。
レバノンの治安・住みやすさ
レバノンの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安は不安定
レバノンの治安は不安定です。外務省の危険情報では、レバノン全土に「レベル4:退避してください。渡航は止めてください」が発令されています(2024年10月現在)。
これは、イスラエル軍とヒズボラなどとの間で攻撃戦が激化しているためです。
住みやすさはよいとはいえない
前述したとおり、レバノンの治安は不安定であることから住みやすいとはいえません。
レバノンの見どころ・観光
レバノンにはたくさんの見どころや観光スポットがあります。その代表的なものを紹介していきましょう。
ビブロス遺跡
ビブロス遺跡は、世界でもっとも古い都市国家跡のひとつとして知られています。十字軍時代の要塞やフェニキア時代の集落、ローマ時代の劇場跡が見られる場所です。
またビブロスはフェニキア人の文明発祥の地とされ、アルファベット発祥の地ともいわれています。
バールベック遺跡
バールベック遺跡は、ベカー高原にあります。ここは世界でも有数のローマ神殿跡で、ジュピター神殿やバッカス神殿が見られるのが特徴的です。
巨石が多いことでも知られていますが、巨石がどのように入手され運搬されたのかは解明されていません。巨石は、ジュピター神殿の土台として使われています。
モハメッド・アル・アミン・モスク
モハメッド・アル・アミン・モスクは、レバノンで最大規模を誇るモスクです。美しいラピスラズリ色のドームと、それを囲むようにしてそびえ立つミナレット(塔)が印象的。
もともとは小さなモスクでしたが、20世紀に規模が拡大され、2008年に現在の姿で完成しました。
鳩の岩
鳩の岩は、ベイルート西部のラウシェ地区の海岸に見える大きな岩です。
この岩の大きさは高さ22m、幅15mもあります。形が鳩に似ていることから、この名で呼ばれているそうです。夕日が落ちる時間帯には、美しい夕焼けとともに見ることができます。
レバノンの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、レバノンで特徴的なものや有名なものを紹介していきましょう。
国名の由来
「レバノン」という国名は、レバノン山脈の名に由来しており「白い山脈」という意味があります。
国旗の意味
レバノンの国旗には、赤と白の2つの色が使われています。
それぞれの色には意味があり、赤は植民地からの解放のために流された血と犠牲を、白は「レバノン山脈=白い山脈」を表し、清浄さや平和を象徴しているのだそうです。また、中央にレバノン杉が配されています。
レバノン料理
アラブ料理のなかでも特においしいといわれているレバノン料理。ゴマやレモン、オリーブオイル、ハーブ類、ヨーグルトを使った料理がたくさんあります。
レバノン料理には、日本のそぼろご飯と似た料理があります。それが「ハシュイー」です。ハシュイーはお米と牛ひき肉を炊き込みで、スパイスや木の実をトッピングして食べる料理です。
そのほか、ひよこ豆のコロッケ「ファラーフェル」、平たいパン「マヌウーシェ」などがあります。
レバノン杉
レバノンの国の象徴でもあり、国旗にも描かれている植物がレバノン杉です。レバノンやシリアなどが原産とされており、1年おきにレモン大ほどある卵形の松ぼっくりができるのが特徴です。
レバノン山脈付近に広がるカディーシャ渓谷と神の杉の森には、レバノン杉の群生地があります。大きなものでは高さ30m、直径2m以上にもなり、樹齢が3000年を超えるレバノン杉を見ることができます。
歴史的な遺跡がある国「レバノン」
レバノンには、ビブロス遺跡やバールベック遺跡などの世界遺産や、国の象徴でもあるレバノン杉、アラブ料理のなかでもおいしいといわれるレバノン料理など、さまざまな歴史や文化がある国です。
しかし地政学的な理由から治安が不安定なため、訪問時には十分な情報収集が必要です。レバノンは歴史と自然が共存する、知るほどに奥深い国。もっと知りたい方は、書籍やインターネットでのリサーチでさらに魅力に触れてみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部