“生物の進化博士ちゃん”大塚蓮くん&お母さん。小学生の頃から解剖実験の世界に入り、現代において恐竜に近いワニを研究。「興味の種まきはエンタメから」

テレビ番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』に出演し、フライドチキンの骨で鶏の骨格標本を製作したり、小学生の頃からワニの解剖を研究者らと行うなどが話題となった「生物の進化博士ちゃん」大塚蓮くん。
現在は高校生となり、今もなお生物の進化について探究を続けているそう。そんな熱い想いを持ち続ける蓮くんは何をきっかけに生物の進化に興味を持ったの?親御さんのフォローは?情熱を持ち続ける蓮くんに直撃インタビュー!

「現代に恐竜がいたらどうなるんだろう」ーー想像を膨らませていた幼少期

ーー生物の進化について、いつ頃から興味がありましたか?

蓮くん:保育園くらいのときは、恐竜や科学全般に興味がありました。特に恐竜と宇宙。当時、あるおもちゃメーカーがペダルなし自転車のデザインを募集していたのですが、『はやぶさ』(JAXAが開発した小惑星探査機)や星座などを描いて賞をいただきました。

おもちゃメーカーが募集していたペダルなし自転車のデザインでグランプリ。全国で販売されたことも!

あとは、昔から父と母が博物館にたくさん連れて行ってくれて。博物館では、恐竜とか宇宙に関する模型とか、日常では見られないものを見ることができますよね。そこで大昔のことや、現代に恐竜がいたらどうなんだろう、宇宙ってどんなところなんだろう…などと想像していました。そういう経験が、僕の基礎を作る上でとても重要なことだったのかもしれません。

博物館以外には、父が映画好きなので、よく一緒に『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』を観ていました。『ジュラシック・パークIII』には僕がいちばん好きなスピノサウルスが出ているので、何度も観た記憶があります。

恐竜展があれば必ず連れて行った

ーー恐竜が大好きだったんですね。お母さんから見て蓮くんはどういうお子さんですか?

お母さん:蓮は2歳頃に恐竜好きになって、私からしたら今も変わらず、体だけ大きくなったような感じがします(笑)。

2歳の頃から恐竜がずっと大好きな蓮くん。

とにかく恐竜が好きだったので…恐竜が見られるのは博物館だけですから何度も連れて行きましたし、恐竜展があると必ず行っていました。あとは、図鑑ですよね。図鑑はもう何ページに何が載っているくらいのレベルで覚えていたと思います。

小学生で解剖実験の世界へ。余ったサメや鹿の肢を持ち帰って家でも解剖

ーー小さい頃から解剖実験を数多く経験していたそうですが、抵抗はなかったのですか?

蓮くん:かなりの回数、解剖をしていますね。ワニ、サメ、子豚、鹿の肢など…。ワニの解剖に関しては、恐竜に近い仲間のワニを解剖すれば、恐竜のことをもっと知ることができるのではないかと思って、生物の研究をしている先生にお願いして実現することができました。

研究者と共にワニの解剖も経験したそう。

サメの解剖に関しては、ワークショップで余ったサメを一匹頂けないかとお願いして、その講座が終わった後に自分で解剖しました。

サメをもらってきて解剖もしたことも!

解剖は、そういうワークショップ以外にも、チャンスがあればどうにかできないかとアンテナを張っていました。ジビエ料理を食べられるワークショップに参加したときは、余った鹿の肢をもらって解剖しました。

解剖自体に気持ち悪いとかそういうのはないんですが、鹿の肢を鍋で煮はじめたら、一気にマダニが大量に出てきたので、それをガムテープで潰さなければならなかったときが大変でしたね。その後も1〜2週間ほどはキッチンの方に目を向けると、「鍋から鹿の肢が飛び出てる」という、日常とは思えないような光景が広がっていたと思います(笑)。

今も続く興味。わからないからこそ、いつまでも楽しい!

ーー小学生の頃から探究心が強かったということがわかります。恐竜や宇宙などへの興味は今も変わらないですか?

蓮くん:変わらないですね。むしろどんどん好きになっています。

例えば、恐竜って今はこの世にいない生き物じゃないですか(恐竜が生き残って、違う生物として生きているなどは別の話として)。あんなにかっこよくて大きい生き物がこの辺りを歩いていたかと思うと、もうロマンですよね! 当時の地球環境のこととか、何を食べていたんだろう、どんな暮らしをしていたんだろう…など、いろいろな疑問が湧いてきて楽しくて仕方ない。

科学って、学べば学ぶほどわからないことがたくさん出てくるんですよ。とりあえず調べるといろいろとわかることがあるんですけど、それではわかっているつもりになっているだけで、何もわかってはいないんです。

例えば「なんで地球の磁場はN極とS極になっているの?」という疑問。まだ原因について、完全にはわかっていないんです。本当に不思議なことだらけで、だからずっと楽しいですね。

「衝撃を受けた」孫正義育英財団との出合い

ーー世界中から若き才能が集まる、孫正義育英財団に所属されたきっかけはなんですか?

蓮くんは孫正義育英財団に所属しているそう。

蓮くん:小学生のときに参加した、科学のイベントです。そこに孫正義育英財団(以後、財団)に所属している子を紹介しているブースがあり、そこで同年代の子のプレゼンを見て、衝撃を受けました。

自分と年齢は同じくらいなのに、専門用語を使いこなして、素晴らしいプレゼンをしていたんです。自分が「好き・楽しい・興味がある・知りたい」と思うことを突き詰めている、その姿が楽しそうだな、いいなって単純に思ったんです。

財団ではさまざまな国籍や年齢の子が、生物や宇宙、ロボットなど、それぞれ興味がある分野にのめり込んでいるんです。その子たちの視点や考え方を聞いて、同じと思えば話が盛り上がるし、違う意見であれば自分の視野が広がっていくんですよね。そういう会話ができる場があったというのは、とてもありがたかったです。

集中できる環境に身を置きたい

ーー中学ではインターナショナルスクールに進学されました。

蓮くん:僕も、本当は海外留学をしたかったのですが、ちょうどコロナの時期だったので…行けませんでした。ただ、好きなこと、興味があることに集中できる環境に身を置きたかったので、インターナショナルスクールに進学することを選びました。環境が整っていたんです。

僕が思っているのは、全人類それぞれに興味がある方向が違うだけで、のめり込み方は同じだと思うんですよね。天才と言われているアインシュタインも、物理学に振り切っていたんじゃないかって。

僕がいちばん最初に財団のブースで出会った子も、そのときは工学に100で、僕は宇宙や恐竜などの科学に100なんだろうなと。好きなことを存分に活かしたいし、その方が面白いことができるんじゃないかって考えました。

自分の好きなことや好きなものを観察することから

ーーお母さんは蓮くんの性格をどう思っていましたか?

お母さん:蓮は小さい頃からよく喋る子で、小学生の頃は面談で毎年先生からご注意を受けていました。授業中、習っている題材について蓮が話し出すと、周りの子も興味が出てきて楽しくなって話が盛り上がりすぎてしまって、授業がなかなか進まないと。

でも、私はそれは蓮の良さでもあると思ったので、特に注意したことはなかったと思います。部屋が片付けられていないことや、プリントが出せない、忘れ物が多いなどは注意していましたが(笑)。

蓮は好きなことについて話すのが大好きなんです。そのため、どれだけ喋っても「ダメだよ」と言われない場所、自分と同じような興味がある子といくらでも話ができる場を提供してあげられたらいいな、という思いがありました。そこで、蓮が好きそうなイベントがあれば、同じものに関心がある子たちがいるだろうから、連れて行ってみようと思ったんです。

――好きなことを思う存分話せる場を用意したのですね。蓮くんは、子どもの興味関心を伸ばすために必要なことはなんだと思いますか?

蓮くん:僕は博物館に行ったり、解剖実験をしたりしましたけど、最初は図鑑を読んだり絵を描いたり映画を観たり、一般的なことをしていました。図鑑や本じゃなくても、アニメや漫画でもいいと思います。

蓮くんは絵を描くのも大好き! 5歳のときにはすでに骨を描いていたそう。

特別なことをしなくても、家で楽しめるエンタメが“興味の種“みたいになると思うんです。そして、そこからちょっと興味が出たものを調べたり、観察したりすることが第一歩です。

ワニを通じて恐竜の謎を推測したい

蓮くん:バイオミメティクス(生物模倣技術)という言葉を聞いたことはありますか? 生物の優れた構造や機能などにヒントを得て、新しい技術開発やものづくりに活かすことです。日頃僕らが目にしているものに、バイオミメティクスが採用されているんです。

例えば、ヨーグルトのふたにはヨーグルトが付きにくくなるように、蓮の葉の構造が取り入れられています。テープには、ヤモリの足が壁に引っつく技術が活かされています。ほかにも、新幹線の風を切る音を最小限にするためにフクロウの風切り羽根の構造が応用されていたり、蚊の針の構造を模倣して痛みの少ない注射針の開発が進められていたりしています。

ワニの研究を通して、恐竜の謎を解明していきたい!

僕はずっと恐竜が好きなので、現代の生物で進化系統的に恐竜に近い仲間と言われているワニの研究をしています。恐竜って謎に包まれている部分が多い生き物で、その生息地であったり、生態がわからなかったりするものが多いんです。ワニの生態や骨と関連付けて、その傾向を見つけることができれば、今に残る恐竜の骨から生息地や生態がより明確に推測できるんじゃないかと思っています。

また、ワニにしかない特徴がたくさんあるので、それを科学技術に活かせないかとも考えています。

僕の場合は、恐竜好きからワニの研究につながっていますが、昆虫が好きな人は昆虫をよく観察して、昆虫のすごいところをたくさん見つけたら楽しい研究ですよね。他にも、生き物だけでなく、みなさんが普段目にする食べ物や植物、乗り物などなんでもいいので、気になったものをよく観察してみてください。

「不思議だな」と思ったことには自分なりの発見があると思います。そしてそれが、将来バイオミメティクスになるかも知れません。

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お話を伺ったのは

大塚蓮くん 生物の進化博士ちゃん

“生物の進化博士ちゃん”。現在、インターナショナルスクールに通う17歳。ワニの研究から恐竜の謎の解明に迫って邁進中

この記事を書いたのは

鬼石有紀 ライター

教育学部を卒業し、幼稚園・小学校教諭免許を取得するも、教師は母の希望だったため教師にはならず。自分自身の経験から、子どもは矯正せずにありのまま育てるのが一番だと思っている。勉強は嫌いだけと、学ぶことは楽しいと大人になって気づく。趣味は腸活と音楽を聴くこと。最近は子どもの影響で城・神社、世界遺産巡りにハマっている。

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