※ここからは『12歳までに伸ばしておくべき5つの非認知能力』(幻冬舎)の一部から引用・再構成しています。
目次
これからの時代を生き抜く「5つの非認知能力」と、親の関わり方のタイムリミット

非認知能力は、「キャラクタースキル(性格スキル)」や「社会情動的スキル」とも呼ばれ、人生の成功に大きな影響を及ぼすことが分かっている非常に重要なものです。
幅広い非認知能力のなかでも、子どもがこれからの社会を生き抜くために特に必要なもの。それは次の5つの能力(資質)です。
「ビリーフ・セルフイメージ(自分の可能性を信じる力、信念)」
「考える力」
「目標達成能力」
「コミュニケーション能力」
「愛される人格」
〝子どもが子どもでいる時間〟は限られている

親が子どもに影響力を持てる期間は限られています。成長とともに子どもの人間関係は広がり、中学生くらいになると、親よりも仲間や部活動の先輩、親以外の信頼できる大人の言葉に耳を傾ける場面が増えていくからです。
発達心理学でも、思春期に向かう過程で、子どもは親の価値観や指示をそのまま受け入れる段階から、自分自身の考えや周囲との関係性をもとに行動を選択する段階へと移行していくとされています。
つまり、親にとって〝子どもが子どもでいる時間〟は非常に短いのです。
だからこそ大切なのは、限られた時間のなかで、子どもの将来に必要な、これら5つの非認知能力に、ねらいをさだめて育むことなのです。
「プレ思春期」の扱いにくさは、性格やしつけの問題ではない

親として非認知能力を育むうえで、まず、子どもの脳が、どのように発達していくのかを理解しておく必要があります。
「言われないと勉強しない」
「『あとでやる』と言ったきり、いつまでもスマホやゲームをやめない」
「やる気はあるようなことを言うけれど、結局は三日坊主で終わってしまう」
もし、あなたが今、小学4年生から6年生、いわゆる「プレ思春期」と呼ばれる年齢に差し掛かったお子さんに対して、「うちの子はだらしない」「意志が弱い」「育て方を間違えたのかもしれない」と、お子さんの性格やご自身の過去の子育てを嘆いているとしたら、その必要はまったくありません。
なぜなら、これらは単なる「性格」や「しつけ」の問題ではなく、人間の脳が生物学的に「大人仕様」へと再構築される過程で生じる、極めて正常な現象だからです。いわば、脳の大規模な「改修工事」に伴う一時的な機能不全です。
実は、その「扱いにくさ」こそが、順調な成長の証しであり、脳が「大人仕様」へと進化しようとしている証拠なのです。
* * *
小学生の保護者なら、「『宿題は?』の言葉はできれば言いたくないのに」「ゲームばかりしていてまったく勉強しない」と困っている方も多いことでしょう。
こうした悩みも「子どもの脳が進化している過程」と思えば、少しはゆったり構えられそうですね。
親から子に贈る最高のギフトは「待つ」こと

考える力を育てるために、親ができること。
それは、
・子どもの「なぜ?」に対して、すぐに答えを教えないこと。
・子どもが問題を解決するのに手間取っていても、手を出さずに見守ること。
・子どもが失敗して落ち込んでいるとき、「そこから何を学べるかな?」と問いかけ、答えが出るまでじっと待つこと。
つまり「効率」を手放し、子どもの思考のための「空白」を守ってあげることです。
「待つ」ことは、親にとって忍耐のいる、ある意味で苦しみを伴う愛情表現です。しかし、その待ち時間は、子どものなかに大切な能力を育むための尊い時間なのです。
* * *
時間がない、余裕がないとき、思わず前のめりに手を差し出し、答えを教えてしまいたくなる気持ち。
我が子の考える力を育てるためと、ぐっとこらえてみませんか?
親が自らの人生を肯定し、挑戦している姿はどんどん見せてOK!

親の感情に対して、子どもの脳は驚くほど敏感です。
親が「幸せだ」と感じている家庭ほど、子どもも幸せだと感じている割合が高いことが分かっています。親の幸せが子どもに伝わるだけでなく、子どもの幸せが親の幸せを高めるという「循環する関係」であることも分かっています。
親が自分の趣味に没頭する、新しい資格の勉強をする、あるいは友人と心から笑い合ってリフレッシュする。そうした姿を隠す必要はありません。むしろ、積極的に見せるべきです。
親が笑顔で、自分の人生に「OK」を出せるとき、その前向きなエネルギーは子どもの心に届きます。
そして、その安心感に支えられた子どもは、自らの内側にある可能性を信じ、自律的に未来を切り拓いていく力を育んでいくのです。
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親になった日から、気づけば自分のことは二の次、三の次になっているパパママもたくさんいるはず。
自分軸で楽しく暮らすことが、子どものためにもなると言い聞かせながら、たまには自分のためだけの時間を過ごしてみませんか?
著書をチェック
AIの進化により社会の変化が加速する中、「子どもに本当に必要な力とは何か」が改めて問われています。小学生から高校生を対象とした非認知能力開発専門塾「Five Keys」の代表 井上さんが、AI時代を生きる子どもたちにとって重要となる非認知能力(主体性・やり抜く力・思考力など)について、心理学・脳科学の知見と教育現場での実践をもとに解説。家庭で実践できる声かけや日常の関わり方のヒントが具体的に紹介されています。
著者紹介
子ども向け非認知能力開発専門塾「Five Keys」代表。2004年Result Design株式会社を設立。非営利型一般財団法人 日本リーダー育成推進協会 特別顧問。心理学・脳科学をベースに、20年以上にわたり子どもから経営者まで「人の可能性を引き出す指導」を行っている。子ども向け非認知能力開発専門塾「Five Keys」創設者として、延べ6万人以上の子ども、保護者を指導。
最先端の心理学および脳科学を体系的に学び、それらを融合させることで独自の能力開発メソッドを確立し、これまでに3,000社以上の企業で経営者・経営幹部への指導・研修を実施。エグゼクティブコーチ、メンタルトレーナーとしてオリンピック出場の日本代表選手や 世界一に輝いたプロスポーツ選手のサポートも行っている。
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この記事を書いたのは
会社員生活を経て、現在はフリーライターとして活動中。小学生の母。お出かけスポットやトレンドの紹介記事、母目線で気になる情報やインタビュー記事などを執筆しています。子育てに役立つ、楽しい記事を作成することを心がけています。