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マタニティマークとは?
妊娠中の女性は、つわりのために体調が優れなかったり、すぐに疲れやすくなったりするもの。特に妊娠初期は、赤ちゃんの成長のためにも、ママの体調のためにも大切な時期です。外見では妊娠の見分けがつかない時期に、赤ちゃんと妊婦さんの安全を第一に考えて、妊婦であることを示しやすくするのが「マタニティマーク」です。
マタニティマークの始まりと目的
マタニティマークは厚生労働省が商登録を行っており、妊婦さんにもやさしい環境づくりを目指して2006年に作られました。見た目では妊娠していることがわかりにくい時期でも、妊娠している女性は体調を崩しやすいもの。そんなとき、マタニティマークをつけている女性が体調が悪そうだったら声をかけたり、電車やバスで席をゆずったり、近くでの喫煙を遠慮したりするなど、妊婦さんにやさしい環境づくりを推進するために始まりました。
マタニティマークはいつからつけられるの?
マタニティマークは、多くの自治体で母子手帳とあわせてもらうことができます。各自治体で母子手帳をもらう時期は、妊娠していることに気づいて医療機関を訪れ、医師の診断が出てから。医師や病院によって、母子手帳をもらいにいくようにすすめる時期は若干異なりますが、妊娠6週目~10週目頃でしょう。マタニティマークを受け取ったら、自分が好きなときに身につけていくことができます。
マタニティマークのデザイン・キャラクター
妊娠した女性にはおなじみのマタニティマークですが、ピンク色のあのマークには、どんな意味があるのでしょうか。
デザイン・キャラクターの意味
厚生労働省が発表したマタニティマークは、2006年に公募を行い、集まった1,661作品の中から選ばれて決定しました。ママが赤ちゃんをやさしく包み込んでいるような、ピンク色のハートのような形が目印となっています。
男性サポーター向けの青いマタニティマーク
マタニティマークは妊娠した女性が身につけるものですが、妊婦さんを見守る人のためのマーク「マタニティを応援するマーク」もあります。
マタニティマークは、体調がすぐれない妊婦さんにとって「心強かった」という声がある一方で、マタニティマークをつけている女性に対してネガティブな風評が起きていることも事実です。そんな社会の中で「妊婦さんを応援してやさしく見守りたい」という声があがり、妊娠した妻をもつ男性をはじめ、妊婦さんを大切にしていこうという動きが起こり、このマークが作られました。
「青いマタニティマーク」とも言われるマークは、ピンク色のマタニティマークをさらにまわりからやさしく男性が包みこむようなデザインになっています。
参考資料:マタニティを応援するマーク
マタニティマークはどこでもらえるの?
では女性が妊娠したとき、マタニティマークはどこでもらうことができるのでしょうか。
マタニティマークがもらえる場所
妊娠して担当医から母子手帳をもらいにいくように指示があったら、自分が住む自治体に行き母子手帳を受け取りに行きます。このとき、母子手帳と一緒に無料でマタニティマークをもらうことができます。自治体によって、保健センターや出張所などで受け取ることができる場合もあります。
自治体のほかでは、電車の駅などでも妊婦さんが申し出れば、無料でマタニティマークをもらうことができます。JR東日本では、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県内の全駅(無人駅を除く)、熱海駅、伊東駅の駅事務室でもらうことができます。
そのほか、市販されているマタニティマークもあるので、自分の好きな大きさやデザインのマークを買って身につけることもできます。
マタニティマークが考慮される場所
マタニティマークを身につけていると考慮されるのは、駅の構内や電車、バスの中など。マタニティマークに気づいた人から席をゆずっていただくかもしれません。また飲食店などでは、マタニティマークをつけている人の近くでは喫煙をしないなどの考慮がされることもあるでしょう。
マタニティマークをつけない妊婦さんもいる
妊娠中または3歳未満の子どもがいる母親400名に行われたアンケートで、妊娠中にマタニティマークを「常に身につけていた」人は28.4%で、「どちらかといえば身につけていた」は29.2%でした。しかし、「妊娠中、マタニティマークを身につけていなかった」と答える女性も27.7%いることがわかりました。マタニティマークをつけない選択をした女性は、なぜなのでしょうか?
参考資料:マタニティマークに関する意識調査(株式会社エコンテ)
「電車で席を譲ってもらえない」など、あまりメリットを感じない
妊娠中、マタニティマークをつけたことで「周囲のやさしさやサポートを感じた」と答えた女性は70.9%でした。しかし「周囲のやさしさやサポートを感じなかった」と答えた人も約3割ほどいて、「マタニティマークをつけることにあまりメリットを感じない」ということがマークをつけない理由のひとつにあるようです。
嫌がらせが不安
またマタニティマークをつけることで、それをネガティブに受け取る人がいることに不安を感じる方もいるようです。アンケートでは、周囲の方から「舌打ちされた」など、マタニティマークをつけたことで不快な思いをしたことがある方も、少数ながらいました。
不妊治療中のママにはちょっぴり辛い
妊娠している女性はお腹に赤ちゃんがいることに幸せを感じていることと思いますが、一方で不妊治療中の方など、希望していてもなかなか妊娠できない女性もいるもの。そんな方から見ると、マタニティマークをつけた女性がいることに対して、心を痛めている可能性があるかもしれません。
ママアピールに見えてしまう
また、マタニティマークに対してネガティブな捉え方をする方からすると、「ママになることをアピール(自慢)しているように見える」などと受け取られる場合があるかもしれません。マタニティマークそのものに対してや、マークをつけている女性に対して、快くない感情を抱いているかもしれませんし、妊娠している女性の中には周囲からけむたがられるのを避けたいと思っている方もいるかもしれません。
さりげなくてかわいいマタニティマークアイテム
では、さりげなく身につけることができて、かわいらしいマタニティマークをいくつかご紹介しましょう。
「マタニティロゼット」
従来のマタニティマークを可愛くおしゃれに身につけられます。妊娠した方へのお祝いのプレゼントにもおすすめです。
「マタニティ のびパス」
マタニティマークとパスケースが一体になったグッズ。リール部分は伸びるタイプで、ポケットなどに挟めます。光に反射するタイプで、夜も安心です。
「ディズニー マタニティマーク」
ミッキーマウス、ミニーマウス、ダンボとディズニーの人気キャラクターのマタニティマークです。従来のマタニティマークよりひとまわり大きめサイズです。
車に付けたいマタニティマークアイテム
通勤や買い物などで普段から車に乗る方は、車にもマタニティマークをつけても良いでしょう。車に簡単につけられるマタニティマークをご紹介します。
「maternity in Car マグネットステッカー」
車に直接貼り付けるステッカータイプのマタニティマークです。6色から好きなカラーを選べます。
「セーフティサイン 妊婦が乗っています」
吸盤がついて、車の窓などに直接張ることができるマークです。
「マタニティマークBABY in ME」
急ブレーキや車の振動を気にする妊婦さんの慎重な運転を、後続車にやさしくメッセージします。吸盤でとりつけるタイプです。
マタニティマークで赤ちゃん&自分を守ろう
マタニティマークをつけることで、不快な思いをしたり危険な経験をしたりする女性もいることは事実のようです。ただそれはごく一部のことで、マタニティマークをつけて「まわりから助けてもらえた!」というポジティブな意見が大多数。妊娠中は予想外のことだって起きるかもしれませんし、赤ちゃんとママ自身の体を守っていくためにも、マタニティマークを上手に利用してみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部