ロンドンに住んで11年ちょっとになるという、武山恵美さん。9歳の琴音(ことね)ちゃんの子育てをしながら、日本の食文化やカルチャーを伝えています。
日本とロンドンで、“個性の捉え方が違う”と話してくれる恵美さん。今の活動やロンドンでのライフスタイルを教えていただきました。
海外の方に日本文化を共有する、Megumi’s サパークラブ
「日本の食文化やカルチャーを、ロンドンの人にも知ってもらいたい」という思いから、『Megumi’s』というサパークラブ(お家レストラン)やフードのケータリング、ワークショップのオーガナイズなどをしている恵美さん。
Q.恵美さんは、どんなことを伝えているの?
「食事や器で季節を感じたり、この食事にはどんなお酒が合うとか、日本各地に名産物があることなどを伝えています。
ただ単純に、“日本食”というくくりではなくて、そこで文化を共有できたり、なにか習うことができたらうれしいなと思い、10人から14人ほどの小さなスペースで開催しているのも特徴です。その分、内容の濃いものが一人一人にしっかりととどくような会として不定期で開催しています」
Q.日本とロンドンの文化や暮らしって違う?
「違いますね 笑。大きく違うのは、自分が自分らしくしていられるということ。
子育ても同じで、日本にいるときは暗黙の了解の小さなルールがたくさんあるように思えました。これを着ないといけない、この場面ではこうしないといけない、なんだかそこがとても窮屈でした。ここでは、個人個人の個性を皆が大事にしています」
Q.個性を大事にするって、どういうこと?
「私の娘はDyslexiaといって、日本語で直訳してしまうと失読症になってしまうのですが、ローマ字のdとbの区別がつきづらかったり、それによって読書が少々困難だったりします。
でも、ロンドンにはディスレクシアの子供達はたくさんいます。学校もそれをサポートしてくれています。例えば、テストの時間にエキストラタイムがあったり、書くのが苦手であればキーボードを使ったり。
日本だと、他の子と違うということがとても異質になって映るような気がします。子供も、“なぜ、みんなと違うの?”、“いけないことなの?”と、思わせてしまう教育のように思えました。ロンドンだと、“これも一つの個性”として捉えて育っていく環境なので、私にとっても娘にとても良い環境です。
日本で子育てをしたことはないのですが、今のこの環境はとても私にとってかけがえのないものです」
週末は、ふらっとヨーロッパ旅行へ
「ロンドンはヨーロッパの各国が近いので、割とふらっとヨーロッパ内に旅行に行くことが多いです。
1〜2泊で行くことが多いので、数に換算するとかなり多いですね 笑。それに、年2回は日本に帰国しています。国内旅行もちょこちょこ含めると、通算15〜20回/年は旅をしていますね」
Q.旅で大事にしていることは?
「私にとって旅行の時に一番大事なのは、“食”です。必ずリサーチしてから、旅行に行っています」
Q.一番印象に残っている旅は?
「それぞれに良いところがあるので選ぶのがとても難しいのですが、スペインのサンセバスチャンはとても感動しました。
こんなに食に対してパッションを感じた場所は初めてでした。小さな旧市街はバルがひしめきあっていて、まさに天国!と思いました。どのバルにもシグニチャーフードがあるので、一晩に10から15軒バルをハシゴします 笑。安いし美味しいし究極の幸せです!最初に訪れた年は、なんと4回も足を運んだくらいです」
近々、ABsolute LONDONでのコラム連載もスタートする恵美さん。ますます、ロンドンで日本の食文化やカルチャーを素敵に紹介してくれそうです。
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取材・文/太田さちか