「乳幼児医療費助成制度」の仕組みや内容とは?子どもを持つ人はおさらいしよう

乳幼児医療費助成制度とは?

子どもが生まれてから一定の年齢に達するまでは、子どもの通院や入院で発生した医療費の自己負担額を、どこの市区町村でも助成(0円になる、または一定の負担額で済む)してもらえます。しかし、この乳児医療費助成制度の細かな条件は、全国一律ではありません。出産や育児を控えている方は、ざっと目を通してみてください。

乳幼児医療費助成制度の仕組みや内容とは

そもそも乳児医療費助成制度とは、厚生労働省の方針に基づいて各都道府県がルールを作り、そのルールを基準に各市区町村が、独自の判断基準で実施する制度です。

普通であれば、健康保険に加入する人が医療機関に通院をしたり入院をしたりすると、7割が健康保険から病院に支払われ、3割(未就学児の場合は2割)が自己負担になります。

しかし制度の対象となる子どもが通院・入院した場合、その3割分(未就学児の場合は2割)の自己負担額が、自治体の税金で支払われるのですね。言い換えれば、保護者は病院や診療所の窓口で、現金を手渡す必要がなくなります。

乳幼児医療費助成制度の対象者と年齢は?

乳児医療費助成制度が対象となる人は、

  • 保護者が対象となる自治体に住所を持っている
  • 子どもが健康保険に加入している

が大前提。対象となる子どもの年齢については、自治体によって基準が異なっています。

厚生労働省『乳幼児等医療費に対する援助の実施状況』の最新版によれば、各市区町村が定める対象年齢のトップ3は、

  • 第1位・・・15歳年度末(1,007)
  • 第2位・・・18歳年度末(541)
  • 第3位・・・12歳年度末(96)

となっています。言い換えれば、子どもが中学生になるまで、通院や入院で発生した医療費を助成する自治体が多いのですね。
もちろん、どの自治体も、財源は限られています。その中でも、子どもを育てやすい町づくりに全力で取り組んでいる努力が、現状のような数字で表れているのですね。

乳幼児医療費助成制度に所得制限はある?

乳児医療費助成制度では、所得が多い親を助成の対象から除外する市町村もあります。先ほどの厚生労働省の調査によれば、所得制限を設けている自治体は全国で、

  • 通院の場合(247カ所)
  • 入院の場合(246カ所)

となっています。今から引っ越す予定の自治体だとか、子育てをしたいと考える自治体はどうなっているのか、詳細を厚生労働省の『乳幼児等医療費に対する援助の実施状況』でチェックしてみてください。

乳幼児医療費助成制度の助成と手続き方法

助成制度の利用方法は、2種類あります。(1)現物給付と(2)償還払い。

  1. 現物支給→病院や診療所の窓口で支払う負担額が、その場で0円になる
  2. 償還払い→病院や診療所の窓口で一時的に自己負担額を払い、後日振り込みで払い戻してもらう

後者は制度を利用するために必要な受給資格証(呼び名は異なる)を持参し忘れたときなどに、適用となります。その場で一時的に自己負担額を支払い、後日振り込みで払い戻しを受ける形になります。

乳幼児医療費助成制度の手続き方法

乳幼児医療費助成制度の手続きについては、市区町村ごとに異なります。大まかな流れは、

  • 申請書
  • 子どもの健康保険証(子どもが入る予定の健康保険証)
  • 印鑑
  • 申請者と配偶者の個人番号カード(個人番号通知カード)
  • 本人確認書類

などをそろえて、市区町村の役所に持参(郵送)します。後日、受給資格証が自宅に郵送で届きます。その証書と健康保険証を医療機関に持参して、子どもの診察を受けてください。

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東京都の乳幼児医療費助成制度はどうなっているの?

乳幼児医療費助成制度には、各市区町村によって条件に違いがあると説明しました。通院、入院のそれぞれの場面において、

  • 対象年齢
  • 所得制限の有無
  • 一部負担の有無

と、条件が異なっています。東京都の場合を例に見てみましょう。

通院・入院は無料? 東京の子ども医療費(乳幼児医療費助成制度)一覧

厚生労働省『乳幼児等医療費に対する援助の実施状況』には、東京都の各市区町村における乳幼児等医療費の現状が一覧になっています。まず、東京都が定めたルールは、

  • 対象年齢・・・15歳年度末(通院)、15歳年度末(入院)
  • 所得制限・・・有(通院)、有(入院)
  • 一部負担・・・有(通院)、無(入院)

となっています。その基準を都内に62カ所ある各市区町村は、どのように拡充しているのでしょうか。厚生労働省の資料から、一覧表を作成してみました。

※2019年(平成30年)4月1日現在の情報です。最新の情報は各自治体の情報をチェックしてください。

    自治体名 対象年齢(通院) 対象年齢(入院) 所得制限の有無(通院) 所得制限の有無(入院) 一部負担(通院) 一部負担(入院)
    1 千代田区 18歳年度末 18歳年度末
    2 中央区 15歳年度末 15歳年度末
    3 港区 15歳年度末 15歳年度末
    4 新宿区 15歳年度末 15歳年度末
    5 文京区 15歳年度末 15歳年度末
    6 台東区 15歳年度末 15歳年度末
    7 墨田区 15歳年度末 15歳年度末
    8 江東区 15歳年度末 15歳年度末
    9 品川区 15歳年度末 15歳年度末
    10 目黒区 15歳年度末 15歳年度末
    11 大田区 15歳年度末 15歳年度末
    12 世田谷区 15歳年度末 15歳年度末
    13 渋谷区 15歳年度末 15歳年度末
    14 中野区 15歳年度末 15歳年度末
    15 杉並区 15歳年度末 15歳年度末
    16 豊島区 15歳年度末 15歳年度末
    17 北区 15歳年度末 18歳年度末
    18 荒川区 15歳年度末 15歳年度末
    19 板橋区 15歳年度末 15歳年度末
    20 練馬区 15歳年度末 15歳年度末
    21 足立区 15歳年度末 15歳年度末
    22 葛飾区 15歳年度末 15歳年度末
    23 江戸川区 15歳年度末 15歳年度末
    24 八王子市 15歳年度末 15歳年度末
    25 立川市 15歳年度末 15歳年度末
    26 武蔵野市 15歳年度末 15歳年度末
    27 三鷹市 15歳年度末 15歳年度末
    28 青梅市 15歳年度末 15歳年度末
    29 府中市 15歳年度末 15歳年度末
    30 昭島市 15歳年度末 15歳年度末
    31 調布市 15歳年度末 15歳年度末
    32 町田市 15歳年度末 15歳年度末
    33 小金井市 15歳年度末 15歳年度末
    34 小平市 15歳年度末 15歳年度末
    35 日野市 15歳年度末 15歳年度末
    36 東村山市 15歳年度末 15歳年度末
    37 国分寺市 15歳年度末 15歳年度末
    38 国立市 15歳年度末 15歳年度末
    39 福生市 15歳年度末 15歳年度末
    40 狛江市 15歳年度末 15歳年度末
    41 東大和市 15歳年度末 15歳年度末
    42 清瀬市 15歳年度末 15歳年度末
    43 東久留米市 15歳年度末 15歳年度末
    44 武蔵村山 15歳年度末 15歳年度末
    45 多摩市 15歳年度末 15歳年度末
    46 稲城市 15歳年度末 15歳年度末
    47 羽村市 15歳年度末 15歳年度末
    48 あきる野市 15歳年度末 15歳年度末
    49 西東京市 15歳年度末 15歳年度末
    50 瑞穂町 15歳年度末 15歳年度末
    51 日の出町 18歳年度末 18歳年度末
    52 檜原村 15歳年度末 15歳年度末
    53 奥多摩町 18歳年度末 18歳年度末
    54 大島町 15歳年度末 15歳年度末
    55 利島村 15歳年度末 15歳年度末
    56 新島村 18歳年度末 18歳年度末
    57 神津島村 18歳年度末 18歳年度末
    58 三宅村 15歳年度末 15歳年度末
    59 御蔵島村 15歳年度末 15歳年度末
    60 八丈町 15歳年度末 15歳年度末
    61 青ケ島村 15歳年度末 15歳年度末
    62 小笠原村 15歳年度末 15歳年度末

    (乳幼児等医療費に対する援助の実施状況から作成)

    条件的には千代田区、日の出町、奥多摩町、新島村、神津島村が、特に東京都の基準を超えて、乳幼児医療費助成制度を拡充していると分かります。通院と入院の負担ゼロが高校生までで、所得制限も、窓口の一部負担もありません。

    神奈川県の横浜や川崎、相模原の乳幼児医療費助成制度はどうなっているの?

    東京都に近く、同じく人口も多い神奈川県の横浜市や川崎市、さらに同じ政令指定都市の相模原市の場合も見てみましょう。神奈川県が定める基準としては、

    • 対象年齢・・・就学前(通院)、15歳年度末(入院)
    • 所得制限・・・有(通院)、有(入院)
    • 一部負担・・・有(通院)、有(入院)

    となっています。政令指定都市である横浜、川崎、相模原では、どのように助成の範囲を拡充しているのでしょうか。

    神奈川の政令指定都市(横浜、川崎、相模原)の乳幼児医療費助成制度の条件は?

    先ほどと同じく、厚生労働省の資料を基に、神奈川県の政令指定都市、横浜市と川崎市、相模原市の条件を一覧にしてみました。ただ、神奈川の場合は、各市のホームページ情報から執筆時点の情報を反映しています。

    ※2019年(平成30年)4月1日現在の厚生労働省の基に、横浜市、川崎市、相模原市の情報を反映しました。最新の情報をチェックする場合は、その都度、自治体のホームページでご確認ください。

    自治体名 対象年齢(通院) 対象年齢(入院) 所得制限の有無(通院) 所得制限の有無(入院) 一部負担(通院) 一部負担(入院)
    1 横浜市 15歳年度末 15歳年度末
    2 川崎市 12歳年度末 15歳年度末
    3 相模原市 15歳年度末 15歳年度末

    (乳幼児等医療費に対する援助の実施状況から作成)

    横浜市、川崎市、相模原市の場合は、普段の通院時にも病院や診療所の窓口で一部負担が求められます。いずれの場合も、通院1回につき500円の支払いが必要になります(自己負担額が500円を下回る場合は、その金額の支払い)。

    どこの自治体も一緒のように思えて、実は意外に助成の範囲が異なる乳幼児医療費助成制度。出産や育児を機に、あるいは子どもの就学のタイミングで引っ越しを検討している方は、子どもの医療にかかる費用の違いにも目配せできるといいですね。

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    文/坂本正敬 写真/石川厚志

    【参考】

    乳幼児等医療費に対する援助の実施状況 – 厚生労働省

    医療費助成の仕組みについて – 厚生労働省

    医療費について大切なお知らせです – 全国健康保険協会

    ※ 小児医療費助成 – 横浜市

    ※ 小児医療費助成事業 – 川崎市

    ※ 小児医療費助成(0歳から中学校3年生) – 相模原市

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