アフラックにコープに県民共済まで!0歳で加入OKの医療・傷害・賠責「子供保険」必要性は?

世の中には、民間の保険会社、あるいは共済組合が運営する子ども医療保険(共済)があります。子ども本人の病気やけが、子どもが他人をけがさせてしまったときなど、万が一の事態に備えてくれる金融商品ですね。今回は各種の公式情報を基に、子ども医療保険の特徴をまとめてみました。

 

子供の保険(共済)にはどんな種類があるの?

最初に、子ども用の保険(共済)とはどういった商品が存在するのか、考えてみましょう。まず、リスクに備える保険と将来に備える保険を分けて一覧にすると、

リスクに備える子供保険

・死亡保険

・医療保険(がん保険を含む)

・傷害保険

・個人賠償責任保険(損害保険の特約の場合も)

将来に備える子供保険

・学資保険

が挙げられるはずです。死亡保険は子どもが死亡したとき、医療保険は病気になったとき、傷害保険はけがを負ったとき、個人賠償責任保険は子どもが他人、あるいは他人の持ち物を壊したときに助けになってくれます。学資保険は、将来の子どもの学費を確保するための商品です。

 

子供医療保険(共済)はいつから加入できる?

子ども向けの保険(共済)商品にもいろいろと種類があると述べましたが、何歳から加入ができて、何歳までが対象になるのでしょうか。

例えば、学資保険と死亡保険を合体させたハイブリッド型「こども共済」という商品がJA共済から出ています。加入条件を見ると、

<お子さまの出生予定日の140日前から、ご加入になれます>(JA共済パンフレットより引用)

とあります。他では死亡保険、医療保険、傷害保険、個人賠償責任保険などを兼ね備えたコープ共済「たすけあいジュニア20コース」のケースを見てみます。加入できる年齢は発行日時点で、

<0歳~満19歳/男性・女性>(コープ共済の公式ホームページより引用)

とあります。子ども向けの保険商品は0歳から加入できると考えて、基本的に問題はなさそうですね。

 

本当に必要? 子供医療保険(共済)の必要性とは

子どもの将来に備える学資保険に関して言えば、必要だと考える方も少なくないと統計が出ています。実際に「子どもの教育資金と学資保険に関する調査 2016」(ソニー生命保険)を見ると、将来の進学費用を毎月支出している世帯の6割は、学資保険を利用していると分かります。

子供医療保険(共済)の必要性は専門家でも意見が割れる

ですが、子どもの各種のリスクに備える子ども医療保険(共済)については、本当に必要なのでしょうか? 専門家の間でも意見が一致していない現状があるようで、不要論者からは、市区町村の医療費助成制度があるから、子どもの医療は要らないという意見があります。確かに子どもが病気になっても、親から見ればある意味で治療にお金はかかりません。わざわざ医療保険(共済)を子どもに掛ける必要性は「ない」という意見です。

しかし、子ども医療保険は、

<市区町村の医療費助成制度により医療費の自己負担が発生しない場合も保障の対象になります>(全国生協連のホームページより引用)

といった特長もあります。子どもが病気で入院するなどして、自己負担が発生しなかったとしても、子どもが入院や通院をするたびにお金が入ってくる点を、一部の専門家はメリットと主張します。また、入院時の食事代など、医療費助成制度の対象外になるお金についても、医療保険(共済)に入っていればサポートしてもらえます。一定のメリットはあるようですね。

 

怪我をカバーしてくれる子供傷害保険(共済)は必要なの?

子ども用の傷害保険(共済)は、どうなのでしょうか? 子どもは活動的で、けがによる通院や入院も少なくない印象があります。

しかし、子どもが自らけがを負って治療が必要になった場合でも、市区町村の医療費助成制度によって、親の支払う自己負担額は基本的に無料になります。その意味で、医療保険(共済)と同じく、不要だと考える専門家が存在するようです。

友だちが頭を縫うトラブルに……。学校で他人の子供にわが子が怪我をさせたときは個人賠償責任保険(共済)が役立つ!?

ただ、子ども医療保険(共済)、あるいは傷害保険(共済)には、個人賠償責任保険を含む、あるいは特約として個人賠償責任保険が付加されている商品もあります。個人賠償責任保険とは、子どもが他人、あるいは他人の持ち物を傷つけたり壊したりしたときに、金銭的な補償を受けられる仕組みになります。

例えばコープ共済「たすけあい ジュニア20コース」の場合、月額1,000円からの掛け金に140円のプラスで、個人賠償責任保険が追加できます。わが子が学校の友だちとけんかをして、頭を縫うほどのけがをさせた、他人の持ち物を壊してしまった場合、こうした保険に入っていると、補償の義務が発生した場合、親としては安心と感じるかもしれません。

コープの共済なら個人賠償責任保険で子供の自転車事故にも対応

さらには、子どもが起こす自転車事故の備えとして、個人賠償責任保険を含む子ども医療保険を評価する専門家も存在します。警察庁の「自転車県連事故の状況」を見ると、平成28年度では全国で90,836件の自転車事故が起きています。そのうち通行人を巻き込んだ事故は2,281件。子どもが起こした自転車事故で、巨額の賠償責任を親が背負う形になった事故の話も耳にします。

「わが子は大丈夫か……」と、親としては不安を感じるはず。個人賠償責任保険を含んだ子ども傷害保険(共済)も、検討に値するかもしれませんね。

個人賠償責任保険(共済)以外でも自転車事故に関しては補償制度があり

しかし一方で、自転車事故に関しては、子ども保険(共済)に頼る必要がないという専門家の意見もあります。現在はTSマークといった制度があります。TSマークとは、

<自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもので、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いています>(日本交通管理技術協会のホームページより引用)

とあります。最寄りの自転車安全整備店で年間500~1,000円プラス整備費用を支払えば、仮にわが子が自転車の運転で歩行者に重大なけがを負わせても、あるいは死亡させても、1000万円~1億円が補償されます。

TSマークを取得するためには1年に1度整備費用がかかりますが、子どもの乗る自転車の安全性も高まりますから、一石二鳥と言えます。わざわざ毎月保険料や掛け金を支払ってまで、子どもの自転車事故に備えて子ども医療保険に加入する必要があるのかと言うと、意見が割れるところですね。

 

子供の保険は早く契約した方がいい!? 終身の子供医療保険って何?

子どもの保険に関しては、終身タイプの子ども医療保険を勧める専門家もいます。子どもが小さいころから加入しておけば、基本的に加入時点の保険料が将来も変動しません。0歳で加入した安い保険商品を、子どもが社会人になったときに本人に引き継がせてあげられるというメリットがあります。

子どもが0歳から入れる終身医療保険

子どもが0歳から入れる終身医療保険と言えば、

・アクサ生命「一生保障の医療保険 スマート・ケア」

・ネオファースト生命(第一生命グループ)「ネオdeいりょう」

・オリックス生命保険「新キュア」

などが知られていますが、こうした商品を「お守り」代わりに早いうちに加入し、子どもが社会人になったら、一生安い保険料でリスクに備えられるようにプレゼントしてあげるという方法。

実際に筆者の知人で2児の父親であるファイナンシャルプランナーも、子どもが0歳のときから終身医療保険に加入していて、その商品を子どもが社会人になったら引き継がせると語っていました。

もちろん、この「お守り」代わりの終身医療保険に対しても、「0歳の子どもが60歳の大人になるころには、お金の価値、必要な保障内容も変わっているだろうから、0歳から終身医療保険に入れて意味はあるの?」という専門家の反論もあります。冷静な判断が求められそうですね。

 

 

安い子供医療保険(共済)人気ランキングは?

ここまで、子ども医療保険(共済)の必要性について考えてきました。半々の気持ちでいる親御さんの中には、「安くてお守りのような子ども医療保険があれば検討してもいい」と考える方も居るかもしれません。 子ども医療保険(共済)の場合、月額はどの程度になるのでしょうか?

民間の保険、コープ共済、県民共済はどれがお得!?

具体的な商品名に入る前に、一般的に死亡、病気、けが、他人への危害への備えとして存在する商品は、

・民間の生命保険会社が運営する生命保険

・共済組合が運営する共済

に分かれるとおさらいしておきましょう。共済は保険と異なり、

<生活を脅かすさまざまなリスクに対し、相互扶助の精神で、保険のしくみを使った事業>(全労災のホームページより引用)

とあります。最大の違いとして、共済は営利を目的としていないため、利用者からすれば掛け金が安いという特長があります。しかし一方で、補償も最低限です。

各種の人気ランキングで上位に来るような商品を見比べてみると、民間ではアフラック「ちゃんと応える医療保険EVER」、共済ではコープ共済「たすけあい ジュニア20コース」、埼玉県民共済「こども共済」などの商品に対する評価が目立ちます。

掛け金を商品ごとに見ると、

アフラック→0歳男児で月額1,145円(通院ありコース)

コープ共済と埼玉県民共済→月額1,000円

になります。細かい保障内容がそれぞれに違って一概に比較はできないのですが、だいたい毎月1,000円前後。「1,000円くらいなら」と考えるか、「1,000円でも高い」と感じるかは評価が分かれそうですね。

 

アフラックの子供医療保険「ちゃんと応える医療保険EVER」はどんな商品?

1,000円前後の掛け金で、子ども医療保険はどのような安心を提供してくれるのでしょうか。上述した3つの人気商品の具体的な保障内容を、詳しくチェックしてみましょう。

アフラックの子供医療保険は保険料1,145円で通院・入院どちらも1日5,000円

アフラック「ちゃんと応える医療保険EVER」を仮に0歳男児が、入院給付金日額5,000円、通院プランありで申し込んだ場合、毎月の保険料は1,145円になります。

保障内容は、

病気・けがで入院したとき:1日5,000円

病気・けがで手術したとき:重大手術は1回20万円、入院中の手術(重大手術を除く)は5万円、外来の手術(重大手術を除く)は2.5万円

病気・けがで通院したとき:1日5,000円

が、終身で約束される形になっています。

アフラックの子供保険は102円で先進医療特約が付く

オプションの保障も見てみましょう。アフラックの「ちゃんと応える医療保険EVER」の場合、月額102円で総合先進医療特約、395円で入院一時金特約、360円で三大疾病一時金特約(50万)、20円で三大疾病無制限型長期入院特約、530円でけがの特約が付加できます。

ただ、アフラック「ちゃんと応える医療保険EVER」の場合、契約後に途中で上述した特約をプラスできませんので、注意が必要です。

アフラックの子供医療保険の請求方法は?

アフラックの資料請求に関しては、

・公式ホームページから申し込む

・電話・メールで申し込む

・アフラックサービスショップなど最寄りの店舗で行う

といった方法が用意されています。「1000円でこれほどの保障があるのか」と感じた場合は、問い合わせてみてください。

 

コープ共済の子供医療保険「たすけあい ジュニア20コース」はどんな商品?

次はコープ共済「「たすけあい ジュニア20コース」を見てみましょう。毎月の掛け金が1,000円の場合、

病気・けが(事故)で入院したとき:1日6,000円

病気・けがで手術したとき:手術内容により5、10、20万円

病気・けがで通院したとき:1日2,000円

といった保障内容が、0~満20歳まで約束されています。

コープの子供保険は100円で先進医療特約、140円で個人賠償責任保険が付く

毎月1,000円の掛け金にプラス100円をすれば、先進医療特約が支払限度額1000万円まで付き、プラス140円で最高3億円まで個人賠償責任保険が付きます。キャッチボールをしている最中に何かを壊してしまった、自転車に乗りながら通行人と激突した、ベランダから物を落として通行人に大けがをさせた、買い物中に子どもが高額商品を壊してしまったなどの場合も、金額に応じて補償が行なわれます。

コープの子供医療保険の請求方法は?

資料請求に関しては、

・公式ホームページで資料請求をする

・フリーダイヤルで資料請求をする

・全国の生協窓口で資料をもらう

といった方法が用意されています。月額で1,000円のコストに見合っていると感じた場合は、詳細を問い合わせてみてください。

 

県民共済の子供医療保険はどんな商品?

県民共済では、上述した埼玉県民共済の商品をチェックしてみます。月々の掛け金1,000円コースの場合、

病気・交通事故・不慮の事故(けが)で入院したとき:1日5,000円

手術したとき:手術内容により2、5、10、20万円

交通事故・不慮の事故(けが)で通院したとき:1日2,000円

といった保障内容が、0~18歳まで約束されています。申し込みは0~14歳で可能。アフラック、コープの商品と異なり、先進医療、第三者への損害賠償、がん診断一時金が、標準の保障内容に含まれています。

県民共済の子供医療保険の請求方法は?

県民共済の資料請求に関しては、例えば埼玉県民共済の場合、

・電話による資料請求

・公式ホームページによる資料請求

といった形になります。「1,000円程度で保障してもらえるなら」と感じる親御さんは、お住いのある都道府県の共済組合にコンタクトをとってみてください。

 

以上、子ども医療保険について概要を紹介しましたが、いかがでしたか? 子ども医療保険の必要性の有無について、さらには具体的な人気商品の内容などについて、基本的な情報を網羅してみました。必要性を感じる方も、必要性を感じない方も、一通りチェックして、加入の有無を検討してみてくださいね。

(文・坂本正敬)

 

【参考】

自転車関連事故の状況 – 警察庁

ネオdeいりょう <無解約返戻金型終身医療保険> – ネオファースト生命

アクサの「一生保障」の医療保険スマート・ケア – アクサ生命

商品詳細(医療保険 新キュア) – オリックス生命保険

「共済・保険に関する意識調査結果報告書〈2014年版〉」 – 全労災協会

子どもの教育資金と学資保険に関する調査 2016 – ソニー生命保険

ちゃんと応える医療保険EVER:しっかりシミュレーション – アフラック

《たすけあい》ジュニア20コース – コープ共済

こども共済 – 埼玉県民共済

 

 

 

 

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