子供が食中毒にかかったら。対処法や家庭での予防法を小児科医が解説

Q .連日の猛暑で食中毒が気になります。予防するために、家でできることはありますか? また、もし子供がかかったら?

A .食品の扱いや調理、手洗いの方法を正しく知ろう

食中毒とは、細菌やウイルスの感染によって起こる「感染性胃腸炎」のうち、飲食物によって起こるもののことです。初夏~夏に見られる食中毒の多くは、細菌が原因で起こります。食品からの感染に加え、感染した人の排泄物や吐いたものに含まれる細菌が人から人へうつることもあります。

子供から食中毒を守るためにできること

お肉などは十分に加熱。子どもには手洗いの習慣を

食中毒予防のためには、食品の保存や調理法、調理器具の衛生管理などについて正しく知っておくことが必要です。食品は適切に保存し、作った料理はすぐに食べます。細菌の多くは熱で死滅するので、お肉や魚介類、卵などは「食材の中心部が75℃以上になる状態で1分以上」を目安に加熱を。

料理の作りおきは避け、お弁当は十分に加熱したものを完全に冷ましてから詰めましょう。直接口をつけたペットボトル飲料も菌が繁殖していることが多いので、長時間もち歩いたものは飲まないようにします。

お肉や魚介類を切った包丁とまな板は、次の食材に触れる前に洗剤で洗います。まな板やふきん、台ふきん、スポンジなどは、熱湯消毒や台所用除菌漂白剤による消毒をこまめに行いましょう。

ていねいな手洗いの仕方を身につけて

ていねいな手洗いも、予防の基本です。石けんをしっかり泡立て、手のひらだけでなく、手の甲、指先と爪の間、手首なども洗います。流水で十分にすすぎ、使い捨てのペーパータオルや清潔なタオルで水けを拭きとりましょう。長時間洗うよりも10秒程度の手洗いを2度くり返したほうが除菌効果が高いことがわかっているので、ていねいに洗うのが苦手な子には二度洗いをすすめてみましょう。また、「薬用石けん」のうち「殺菌」「消毒」などの表示がある石けんは、殺菌剤が配合されているものです。ただし、一般的な石けんでも、汚れや菌をとり除く効果は十分。石けんの選び方より、正しい方法で手を洗うことのほうが重要です。

 

子供が食中毒にかかったときの症状は?

吐き気、嘔吐、下痢、発熱など症状はさまざま

食中毒は、感染した細菌などの種類によって症状が異なります。多く見られるのが、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、発熱など。便に血液がまじる「血便」が見られることもあります。

食中毒が疑われる時の診察はどうする?

抗生剤の服用が基本

食中毒が疑われるときは細菌などの種類を調べる検査を行うため、できれば受診する際に少量の排泄物を持参します。細菌が原因だった場合、抗生剤の飲み薬が処方されることがほとんどです。下痢や嘔吐などが激しい場合は、症状をやわらげる薬が出されることもあります。

子供が食中毒にかかった時のホームケア

脱水予防がケアの基本

家庭では、医師の指示に従って薬を服用するのと同時に、脱水の予防に努めます。子どもは大人より脱水を起こしやすいので、こまめに水分をとることが大切。食事がとれない場合は、水分とともに体に必要な電解質を補給することができる「経口補水液」を利用するとよいでしょう(スポーツドリンクは、塩分や糖分の濃度が経口補水液とは異なるので注意)。

感染している人の排泄物や吐いたものには細菌などが含まれているので、おむつなどは密封して捨てます。床などが汚れた場合は消毒用のアルコールか、薄めた台所用除菌漂白剤で拭いておきます。排泄物などに触れた後は、手洗いも忘れずに。

 

金井正樹先生

東京都八王子市・金井内科医院 院長

「国立小児病院」、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008年より現職。診療科目は内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。

 

イラスト/小泉直子 構成/野口久美子 再構成/HugKum編集部

出典:『めばえ』2018年6月号

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