3年前長女を産んで産後うつに。今でも長女との関わり方に悩んでいます【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

長女を産んで産後うつに。3人の子育て中ですが、今でも長女だけ関わり方に悩んでいます

 

長女を生んで、産後うつになりました。初めての子育てで、気持ちは焦っているのですが、体が動かなくて…。でも「私、何かおかしい…」とすら思いませんでした。今は、3人の子育て中で、子育てを楽しむ余裕が少し出てきたと思います。

しかし長女に対しては、赤ちゃんのときうまく可愛がれなかったことが、心の中で引っかかっていて「長女は、どう思っているのかな?」など、すぐに気を遣ってしまうのです。下の子たちには、そうした気遣いはありません。長女のことは心配で過干渉になり、口を出すことも多々あります。カッとなって叱ったとき、憎く感じることもあります。

きょうだいの接し方に差をつけたくないのですが…。周りに相談すると「普通に育てれば?」と言われることもありますが、私にはその普通がわかりません。(4歳の女の子、3歳の男の子、6ヵ月の男の子のママ)

きょうだいがいる家庭では、ごく自然なこと。上下関係ではなく、「仲間」のような横並びの関係を意識しましょう

お母さんのような相談は、かなり多いです。第1子は心配だし、マニュアル通りに子育てをしようとするので神経質にもなります。しかし下の子たちは、上の子での経験があるので心に余裕ができます。「かわいい」という感情は、ゆとりから生まれるので第1子には芽生えにくいものです。

また長女に対する感情は、同性だからということもあるでしょう。「〇〇しなさい」と指示するような上下関係ではなく、横並びの関係を早くから意識して作りましょう。横並びとは向き合うと言うより肩を組む、仲間的関係です。お手伝いをしてもらったり、意見を聞いたり、感想を言い合ったり・・・。

「お手伝いしてくれてありがとう。〇〇ちゃんが最初の子でよかった。お母さん助かるわ」などと伝えて、関係を築いてください。長女が小学生になったら「初めての子だから、厳しくしてごめんね。お母さんが言い過ぎたら“やめて!”って言っていいからね」とお願いしてもいいでしょう。

きょうだい全員に、同じだけの愛情を注ぐなんて無理なこと

きょうだい全員に、同じだけの愛情を注ぐなんて無理なことです。どのお母さんも、一人一人の子に違う愛情を注いでいるはずです。長女には「気を遣ってしまう」「心配で過干渉になる」とありますが、これも愛情の証しです。肩の力を抜いて、自然体でいいですよ。

りんごの木にも、5歳なってから「友達と遊びたいと言い出したので…」と入って来た子がいました。日々、馴染んで成長しています。だから心配しないで大丈夫ですよ。

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。

イラスト/海谷泰水

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