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二分の一成人式とは? どんなことをする?
成人の二分の一である10歳をひとつの節目と考え、お祝いする「二分の一成人式」。
「ハーフ成人式」とも呼ばれるこのイベントは、そもそもどのように、どんなことを目的にはじめられたのでしょうか。
いつからはじまったの?
はじまりは1980年頃、兵庫県の小学校。高学年への進級を目前にした「小学4年生=10歳」という節目を祝うために、学校行事として考案・開催されたことがきっかけだったといわれています。その後、4年生の国語の教科書で取り上げられて以来、少しずつ全国に広まりました。
なんのためにやるの?
目的としては、「子どもの成長を祝う」ことはもちろん、10歳を節目に「これから大人になっていくことを自覚してもらう」ことや「家族同士、日頃の感謝を伝え合う」ことなどが挙げられます。そのために、式ではさまざまなプログラムが用意されているのです。
式のプログラムは?
「二分の一成人式」は教育課程編成の基準「学習指導要領」で定められているものではないので、各学校は自主的にこれを行なっていることになります。そのため、式の内容は地域や学校によっても異なるようです。
多くの学校で行われている代表的なプログラムとしては、
・二分の一成人証書の授与
・子どもたちの将来の夢の発表
・子どもたちによる群読や合唱・演奏
・子どもから親への手紙の贈呈(発表する場合も)
・親から子どもへの手紙の贈呈(発表する場合も)
・記念撮影
・担任の先生・校長先生からのお祝いの言葉
…などが挙げられます。
そのほかには、記念の文集やアルバムを作ったり、タイムカプセルを埋めたりする学校もあるようです。体育館で行われる場合が多く、雰囲気としては「小規模な卒業式」のようだったという声もありました。
親から子への手紙には何を書く? 書き方のコツ・例文をご紹介!
上記でお伝えした数あるプログラムのなかでも、「二分の一成人式」で恒例とされているのが「親から子への手紙」の贈呈や発表です。
ママやパパには、わが子に伝えておきたいことがきっとたくさんあるはず。しかし、いざ手紙にしたためるとなると何を書けばいいのか悩んでしまう……なんてこともあるのではないでしょうか。
そんなママやパパ向けに、ここではお子さんへの手紙を書くコツをまとめてみました。さらに、ママ・パパが書く手紙の例もそれぞれご紹介いたします。
子どもへの手紙を書くポイント1:困ったら時系列に沿って書く!
「なにを書けばいいのかわからない」「書きたいことがたくさんありすぎる」…。 あらためて書こうとすると、お子さんへの手紙って案外難しいもの。お祝いの言葉はもちろん入れるとして、ほかにどんなことをどのように書いていけばいいのか、考えれば考えるほどわからなくなることも。
書く内容に困った際は、「時系列に沿って書く」ことがおすすめです。
たとえば、【生まれたときのこと→名前の由来→赤ちゃんのときのこと→小学校に入ってからのこと(心配だったことなど)→現在のお子さんに思っていること→これからがんばってほしいこと】のように、思い出を辿りながら現在お子さんに思っている事柄を交えていくと、比較的書きやすくなるはず。
まるでフォーマットのように感じるかもしれませんが、親子の思い出は人それぞれ。きっとオリジナリティのある手紙に仕上がるはずなので、むずかしく考えすぎず、ときにはイラストや写真を添えながら心をこめて書きましょう。
子どもへの手紙を書くポイント2:かっこいいことを書かなくても大丈夫!
学校からたのまれて書くものでも、受取人はあくまでもわが子。かっこいいことを書いたり、感動的に演出する必要はありません。むずかしい漢字や表現を避けた読みやすい文章で、正直な気持ちを込めましょう。
【母親】手紙の内容・例文
上記のことをふまえて、ママからの手紙の例文をご紹介いたします。ふだんお子さんが頑張っていることや、ママだからこそ知っていることを織り交ぜて書いてあげるのも良いかもしれません。
●●へ
二分の一成人式、おめでとう!
●●が生まれた日のことは、今でも昨日のことのように思い出すことができます。
あれから10年。●●がここまですくすく育ってくれたことがママはなによりもうれしいです。
●●は小さい頃から、好きなことにはどんな苦労もおしまずに全力で取り組む子でした。
小学校に入ってからは特に、かけっこや水泳など、大好きなスポーツに力を入れていますね。
4年生になってはじまったクラブ活動。●●がスポーツクラブに入ったばかりの頃は、ケガをしないか、友達とうまくやっていけるのか、ママは毎日心配ばかりしていました。
けれども、汗をかきながらいっしょうけんめい練習にはげむ●●の姿を見ているうちに、今では心配よりも応援する気持ちのほうが強くなっています。●●からクラブの話を聞くことが最近のママのひとつの楽しみです。
これから、11歳、12歳と大きくなるにつれて、好きなことがさらに増えていくと思います。
ときには息抜きをしながら、これからも●●は●●らしく、好きなことをみがき続けてくださいね。
あまり気負いすぎずに、今、母親として感じることを素直に書いてみましょう。実際に「二分の一成人式」で手紙を書いたママたちからは「子どもにじぶんの思いを改めて伝えるとても良い機会だった」との声が寄せられました。
ママの手紙の体験談
【父親】手紙の内容・例文
ママと同様に、パパが手紙を書く場合も、かたくなりすぎずに素直な気持ちを込めてみましょう。パパしか知らない家での頑張りなども交えて書いてあげると◎
●●へ
二分の一成人式、おめでとう!
あっという間の10年。●●と過ごしてきた毎日はパパにとっての宝物です。
小さいころはシャイで引っ込み思案だったのに、今ではクラブ活動や委員会にも積極的に取り組んでいると聞いて、びっくりすると同時にうれしい気持ちでいっぱいです。
他にもできることがどんどんと増えて、最近では家のこともたくさん手伝ってくれるようになりましたね。
口うるさく注意してしまうこともあるけれど、本当はその気持ちをただただうれしく思っています。いつもありがとう!
これから大人に近づくにつれて、たのしいこと、大変なこと、さまざまなできごとにきっと直面するでしょう。
そのどちらにも全力で向き合い、もしもくじけそうになったときは、ぜひパパやママのことを頼りにしてください。
面と向って言うのは照れくさいような気持ちも、文章ならかんたんに伝えることができそうです。実際に手紙を書いてみたパパからは「日頃の気持ちを伝えることができてよかった」という感想も。
パパの手紙の体験談
二分の一成人式に「感動した!」ママの感想・体験談
群読や手紙など、内容盛りだくさんな「二分の一成人式」。参加してみたママやパパたちからはさまざまな感想が寄せられました。まずはママから寄せられた「二分の一成人式」への「よかった!」という感想・体験談をご紹介します。
『感動した』
まず多かったのが、「とにかく感動した」という声。子どもたちによる手紙の発表や合唱など、感動的な演出も相まって感涙してしまうママも多いようです。
『子どもの成長を感じた』
「二分の一成人式」は、ママやパパがお子さんの成長に改めて向き合う、ひとつの良い機会でもあります。将来の夢や今がんばっていることを発表する学校もあり、なかには、気づいていなかったお子さんの成長を知ったというママも。
『やってよかった』
はじめは「二分の一成人式」に疑問を抱いていたママでも、参加してみたら「やってよかった」と思い直すこともあるようです。お子さんが誕生して10年経ったことを痛感し、胸が熱くなったという体験談も寄せられました。
二分の一成人式は「記念になった!」パパの感想・体験談
おなじくパパからも「二分の一成人式」を「やってよかった」という声が多数寄せられました。体験談を交えてご紹介します。
『感動した』
まず、パパから多かったのも「とにかく感動した」という声。10年間の子育ての記憶が走馬灯のように蘇り、ついつい感慨にふけってしまうパパ続出です。
『10歳の我が子に関心した』
学校によっては、将来の夢や10年後のじぶんに宛てた手紙の発表、さらには文集の配布があることも。想像していたよりもしっかりと未来を見据える我が子に感心したという体験談もいただきました。
『記念になった』
また、「記念になってよかった」という声も。一生に一度しかない節目だからこそ、式で祝ってもらえることや、記念写真・文集など形に残してもらえることはありがたいもの。
二分の一成人式は「いらない」という意見も
反対に、「二分の一成人式」は「いらないのでは」という意見も寄せられています。ママやパパたちの感想・体験談からご紹介します。
『10歳では意味が理解できないのでは』
成人の二分の一の年齢とはいえ、まだ10歳。「意味が理解できないのでは」と疑問を抱くママ・パパもいます。式の展開の仕方次第では、そもそもの目的である「これから大人になっていく」ことへの実感がなかなか湧かないお子さんもいるかもしれません。
『感動はしなかった』
他にも「感動しなかった」という感想も寄せられました。「感動」以前にお子さんがちゃんと式に臨んでいるのか気が気じゃなかったり、子どもたちの「やらされてる感」に興醒めしてしまったり……そんなママやパパも少なくないようです。
『正直、イベントが多くて大変』
なかには「イベントが多すぎて大変なのでは」と疑問に思うママ・パパも。楽しい反面、準備に時間や労力がかかるので、子どもたちへの負担は多少なりともあるかもしれません。
その他に、「大人を感動させるためのイベントになってしまっている」「複雑な家庭事情を持つお子さんへの配慮がもっと必要なのでは」といった意見も。だれもが気持ちよく参加できる「二分の一成人式」を開催するには、まだまだ課題が残ります。
二分の一成人式におすすめのプレゼント4選
最近では「二分の一成人式」に合わせてお子さんにプレゼントを渡すご家庭が増えてきています。ママパパだけではなく、おじいちゃんやおばあちゃん、ご親戚から贈呈される場合もあるようです。なにをあげようかお悩みの方向けに、ここでは「二分の一成人式」定番のプレゼントをご紹介いたします。
お祝いのケーキ
お祝いごとの定番といえば、やっぱりケーキ。「二分の一成人式」も例外ではなく、家族みんなでお祝いのケーキを食べることが多いようです。
銀座千疋屋ストロベリーアイスケーキ
見た目も華やかな千疋屋のストロベリーアイスケーキは、濃厚なバニラアイスにストロベリーソースをミックスした甘酸っぱい味わい。いちごたっぷりで底に敷きつめたクランチのサクサク食感がアクセントです。
参考書
小学4年生は、勉強の難易度がすこしずつ上がり、一筋縄ではいかなくなる時期。参考書や辞書・電子辞書など、学校の勉強をサポートしてくれる学習用アイテムもおすすめプレゼントのひとつ。どんなときに使うのか、活用方法も教えてあげましょう。
カシオ 電子辞書 小学生モデル
国語・算数・理科・社会から英語までトータルカバー。毎日の予習・復習から中学受験まで、わかりやすいコンテンツを収録しています。
キッズ用の腕時計
腕時計は「大人への仲間入り」が実感でき、記念にも残るプレゼントとしておすすめのアイテム。スポーツタイプのものやシックで大人びたもの、ガーリーなものなど、子ども用とはいえどバリエーションはとっても豊富です。お子さんに選ばせてあげるのも◎
BEN NEVIS 子供腕時計
目覚まし、ストップウォッチ、カレンダー、LEDライトなど、多機能なスポーツウォッチ。カラーバリエーションも多いので好みの色を選んでお気に入りに。
記念の動画
赤ちゃんのころから現在までの写真や映像をひとつにまとめたムービーも、「二分の一成人式」のプレゼントの定番。かんたんに編集できるアプリを使えば、手間暇もかかりません。お子さんのハーフ成人を祝いながら、家族みんなでこれまでの思い出を振り返ってみましょう。
これまでを振り返り、将来のことを話し合うきっかけに
さまざまな環境の変化や心身の発育を控える10歳。「二分の一成人式」は、これまでを振り返り、今後の目標や将来のことをお子さんと話し合うひとつのきっかけにもなるはず。「二分の一成人式」が行われない学校もありますが、その場合はご家庭でお子さんの「ハーフ成人」をお祝いしてみてはいかがでしょうか。
構成・文/羽吹理美