夏至の食べ物|地域ごとの風習の由来や行事食、夏至の旬野菜レシピをご紹介!

一年でいちばん昼の時間が長い日「夏至」。この言葉を耳にする頃になると、いよいよ夏本番です! この記事では、2023年の夏至はいつなのか、夏至の食べ物や行事食にはどんなものがあるのか、夏至に食べたい旬野菜レシピの数々をご紹介していきます。

2023年の夏至はいつ?

夏至は二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつです。夏至は一年でいちばん昼の時間が長い日で、2023年は6月21日(水曜日)となります。

夏至とは反対に、一年でいちばん昼の時間が短い日を「冬至」といいます。2023年の冬至は12月22日(金曜日)です。

夏至の食べ物や行事食

冬至にはかぼちゃを食べたり、小豆粥を食べますが、夏至にはそのような食べ物や行事食はあるのでしょうか。見ていきましょう。

夏至の食べ物は地域ごとの風習がある

夏至には、全国的に食べられる食べ物や行事食は特にありません。ですが、地域によっては「夏至に食べるとよい」とされる食の風習があります。

たとえば、
・関西地方:タコ
・奈良・大阪河内地方:半夏生餅(はんげしょうもち)
・京都:「水無月」と呼ばれる和菓子
・愛知の一部の地域:無花果田楽
・三重:みょうが
・香川:うどん
・福井:焼き鯖
などです。

次の項では、各地方で夏至に食べられる食べ物を詳しく説明していきましょう。

関西地方で食べられるタコ

夏至に食べるタコ、田んぼとの関係って?

関西地方では、夏至にタコを食べます。この由来は、田植えと重なる夏至の時期に「稲の根がタコの足のように四方八方にしっかりと根付くように」という願いを込め、タコを食べるようになったといわれています。

奈良・大阪河内地方で食べられる半夏生餅

奈良県・大阪府河内地方で食べられているのが「半夏生餅(はんげしょうもち)」です。半夏生餅は、もち米と小麦を半分ずつつき、きなこをまぶしたもので、別名「小麦餅」と呼ばれています。小麦餅は、関東地方でも夏至の時期に食べる風習があるようです。

半夏生とは、日本独自の雑節という暦日のひとつで、夏至から11日目にあたる時期(毎年7月2日ごろ)に訪れます。これらの地域では、半夏生の時期に、半夏生餅を田んぼの神様に捧げて豊作を祈ったり、無事田植えが終わったことを神様に感謝しつつ半夏生餅を食べるという習わしがあります。

京都で食べられる水無月

涼し気な夏の京和菓子「水無月」

6月の和菓子として出回る「水無月(みなづき)」。水無月は、外郎(ういろう)生地の上に小豆を乗せて固め、三角形に切りそろえた和菓子です。

京都では、この水無月を夏至の期間中である6月30日に食べる風習があります。なぜ6月30日に食べるのかというと、1年の半分が経過したときに食べることで、残りの半年間の無病息災を祈願するという意味が込められています。また、水無月に使われる小豆に邪気を払う意味があること、水無月の三角形の形が氷を連想させ、夏バテを予防するという理由もあるようです。

神社では、6月30日に「夏越の祓(なごしのはらい)」を行うところもあり、茅の輪くぐりや人形流しをすることで厄を祓いますが、京都の神社ではこの催しが「水無月の祓」と呼ばれることもあります。

愛知の一部のエリアで食べられる無花果田楽

半分に切ったいちじくに田楽味噌をかけた料理が「無花果田楽(いちじくでんがく)」です。これは、愛知県の一部のエリア(尾張地方の一部)で夏至の日に食べられています。

いちじくはかつて、「不老長寿の果物」と呼ばれており、薬としても使われていました。また、「田楽」は、豊作祈願の踊りである「田楽」に由来していることから、無花果田楽を食べることで「健康に過ごせるように」「豊作祈願」とふたつの意味があるようです。

夏至に食べたい旬野菜レシピ

オクラやみょうがなど、夏至のころに旬を迎える野菜のレシピをご紹介します。夏バテ防止に役立ててくださいね。

キーマカレー

豆腐を加え、なめらかな口当たりのキーマカレー。ケチャップをプラスすれば甘みとコクがアップします!

キーマカレー

◆材料

(大人2人+子ども2人分)
木綿豆腐 1丁(300g)
合びき肉 100g
玉ねぎ 1/4個
ミニトマト 8個
しょうが(みじん切り) 小さじ1/2
サラダ油 大さじ1
カレールウ(甘口) 1かけ(20g)

【A】
トマトケチャップ 大さじ2
しょうゆ 小さじ1

コーン 大さじ3
オクラ 3本
ご飯 適量

作り方

【1】豆腐は6等分し、1かけずつキッチンペーパーに包んで軽く押さえ、水けをきる。玉ねぎは粗みじん切り、ミニトマトは4等分する。
【2】フライパンにサラダ油を中火で熱し、しょうがを炒めて香りが出たら、合びき肉、玉ねぎを加えて3分炒め、豆腐を加えてひと混ぜする。
【3】火を止め、刻んだルウを入れて溶けたら【A】を加える。
【4】再び中火にかけ、混ぜながらミニトマトを加えて3分煮る。
【5】器にご飯と【4】を盛り、コーンを散らし、ゆでたオクラをのせる。

教えてくれたのは…

青木 恭子さん

小田真規子主宰のスタジオナッツ所属。2つの保育園に7年間栄養士として勤務し、0歳児の離乳食~5歳児の給食とおやつ作りを担当。現在は、雑誌から商品パッケージ、WEBなどで活躍中。

『ベビーブック』2012年8月号

ちくわとオクラの卵巻き

オクラとちくわをたまごで巻いた華やかなおかず!お弁当や大人のおつまみにもぴったりです。

ちくわとオクラの卵巻き

◆材料

(2本分)
卵 2個
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
ちくわ 2本
オクラ 2本
サラダ油 少々

作り方

【1】ちくわの穴にオクラを詰める。
【2】ボウルに卵とめんつゆを合わせて溶く。
【3】卵焼き用のフライパンにサラダ油を熱し、【2】の半量を流し入れる。【1】を1本のせて端から巻きながら焼く。同様にもう1本作る。
【4】粗熱がとれたら切り分ける。

教えてくれたのは…

ほりえ さちこさん

栄養士、フードコーディネ ーター、飾り巻き寿司インストラクター1級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理や、かわいいお弁当レシピが人気。

『ベビーブック』2012年7月号

オクラのパコダ

オクラそのものを楽しむインド風天ぷら。食欲をそそるスパイスと、ふわりと香るきなこがポイントです。

オクラのパコダ

◆材料

(大人2人+子ども1人分)
オクラ 10本

【A】
きなこ 大さじ3
薄力粉 大さじ3
クミンパウダー※ 小さじ1/2
コリアンダーパウダー※ 小さじ1/2
塩 小さじ1/4
しょう油、しょうがのしぼり汁 各少々
冷水 大さじ5

揚げ油 適宜
※クミンパウダー、コリアンダーパウダーのかわりにカレー粉小さじ1/2でもOK。

作り方

【1】オクラはへたの部分を切り落とす。
【2】ボウルに【A】を順に入れて混ぜ合わせる。
【3】【1】に【2】の衣をつけ、180度の油で揚げる。衣がおいしそうに色づいたらOK。

教えてくれたのは…

カノウユミコさん

野菜料理研究家。鳥取県の専業農家に生まれ、生来の野菜好き。高校時代から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理・精進料理を研究。現在は鳥取に住み、自ら野菜を自然栽培を行なっている。

『めばえ』2017年7月号

肉みそとオクラのぶっかけそうめん

夏時期につるっと食べたいそうめんを、肉みそとオクラでボリュームアップ!スタミナ補給にもおすすめメニューです。

肉みそとオクラのぶっかけそうめん

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
そうめん(乾) 300g
豚ひき肉 200g
長ねぎ 10cm
オクラ 6~8本
コーン 1/4カップ

【A】
みそ・酒 各大さじ1と1/2
しょうゆ・砂糖 各大さじ1/2
水 1/2カップ
しょうがのすりおろし 小さじ1
ごま油 小さじ1

【B】
片栗粉 小さじ1弱
水 大さじ1

麺つゆ(ストレート) 2~2と1/2カップ

作り方

【1】長ねぎはみじん切りにする。フッ素樹脂加工のフライパンに豚ひき肉とともに入れて中火で炒め、脂が出てきたらペーパータオルで吸い取る。【A】を加えて炒め合わせ、混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
【2】オクラは塩少々(分量外)をふって板ずりし、塩とウブ毛を洗い流す。
【3】鍋に湯を沸騰させ、【2】を加えて1~2分ゆで、水にとる。続いてそうめんを表示時間どおりにゆでて冷水で冷やす。オクラは 縦半分にしてから5mm幅に切る。
【4】器に【3】と【1】を盛り、コーンを散らして麺つゆをかける。

教えてくれたのは…

阪下千恵さん

料理研究家、栄養士。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。

『ベビーブック』2016年8月号

アジア風海老と豚肉のつくね

エスニック風のつくねをみょうがやきゅうりなどの夏野菜と一緒にグリーンリーフで巻いて。パパのお酒のおつまみにもおすすめ!

アジア風海老と豚肉のつくね

◆材料

(3~4人分)
豚ひき肉 250g
むき海老 100g
玉ねぎ 1/4個
にんにく 1/4片
しょうが 1/2片

【A】
塩、砂糖 各小さじ1/3
こしょう 少々
ナムプラー(なければしょっつるや薄口しょう油) 小さじ1
卵黄 1個分
片栗粉 大さじ1

サラダ油 大さじ2
グリーンリーフ 6~8枚
みょうが(千切り) 1個
きゅうり(千切り) 1/2本

【甘酢】
酢 大さじ3
砂糖 大さじ1/2
塩 小さじ1/3
薄口しょう油 小さじ1/2

作り方

【1】にんにく、しょうが、玉ねぎはみじん切りにする。むき海老は片栗粉少々(分量外)を加えてもみ込み、洗ってキッチンペーパーで水気を取り、ざく切りにする。
【2】ボウルに豚ひき肉、【1】、【A】を加えて粘りが出るまで混ぜ、8~9等分に分ける。手にサラダ油を付けて、空気を抜きながら細長く成形する。
【3】オーブンシートを敷いた天板に【2】をのせ、210℃に予熱したオーブンで10~15分ほど焼く※。透明な汁が出てくるのが焼き上がりの目安。
【4】きゅうり、みょうが(大人のみ)と一緒に、【3】をグリーンリーフで包み、材料を混ぜ合わせた甘酢をかけて食べる。

※フライパンを使う場合は、中火で両面にこんがり焼き色がついたら強めの弱火でフタをして、じっくり中まで火を通す。

教えてくれたのは…

瀬戸口しおりさん

料理家。学生時代、東京・吉祥寺にあった『諸国空想料理店KuuKuu』のスタッフとして働き始め、その後、料理家・高山なおみ氏のアシスタントを経て独立。昔ながらの家庭料理や人気のエスニック料理をよりおいしく、おしゃれにレベルアップさせる独自のセンスに定評がある。

『めばえ』2017年9月号

夏至に行事食や旬の野菜を食べて、暑さに備えよう!

いかがでしたか。夏本番の暑さを前に、食生活や健康を意識する機会として「夏至」を見直してみては。今年の夏至の日には、ここでご紹介した各地方の行事食や、旬の野菜を使った料理を家族で食べて、夏本番に備えましょう!

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文・構成/HugKum編集部

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