赤ちゃんの「寝返り返り」とは? 「寝返り」とはちがうの? できるようになる時期や注意したい点について

「寝返り返り」は、赤ちゃんが習得する大事な行動です。「寝返り」と「寝返り返り」は対になる行動ですが、同時にできるようになるわけではありません。できるようになる時期や練習の必要性、その時期にパパ・ママが気をつけたいポイントを紹介します。

寝返り返りとは

「寝返り」と似た言葉に、「寝返り返り」というものがあります。寝返りの後のステップとして覚えておきたい「寝返り返り」について知識を深めましょう。

うつ伏せから仰向けに戻ること

寝返り返りとは、赤ちゃんが「うつ伏せの状態から仰向けに戻る行動」のことです。

うつ伏せが嫌いな赤ちゃんは、仰向けに戻る体の動かし方がわからずに泣き出してしまうことがあります。この場合、パパやママがその都度、赤ちゃんの姿勢を変えるために手助けをする必要がありました。

しかし、寝返り返りができるようになると、赤ちゃん自身で体勢を自由に変えられるようになります。ハイハイや立っちの前に、寝たままの状態でする大切な行動なのです。

いつごろできるようになる?

寝返り返りは、大体いつごろできるようになるのでしょうか?  個人差はありますが、一般的には寝返りをマスターした後が多いようです。具体的な時期を知っておきましょう。

寝返りができた1カ月から2カ月後

赤ちゃんはまず、仰向けからうつ伏せになる「寝返り」を覚えます。それから1~2カ月経つと、逆の動きになる「寝返り返り」を覚えることが多いようです。

2010年に厚生労働省が行った「乳幼児身体発育調査」の結果によると、生後6~7カ月ごろに寝返りができる赤ちゃんは全体の9割を超えます。そのため、多くの赤ちゃんが寝返り返りをできるようになるのは、生後7~9カ月ごろです。

赤ちゃんの中には、うつ伏せ状態が好きで、なかなか寝返り返りを覚えない場合もありますが、一つの目安として覚えておくとよいでしょう。

出典:乳幼児身体発育調査|厚生労働省

個人差があるので心配しすぎない

周囲の子どもやインターネットの情報と比較して、自分の子どもの成長度合いを気にするパパ・ママは多いですが、人によって成長の速さは違います。過度に心配せず、赤ちゃんのペースにまかせましょう。

赤ちゃんのうちは、まだうまく体を動かせません。片側に寝返りができても、筋肉の付き方や慣れない動きへの違和感で、反対側に戻る動作ができないというのは珍しいことではないのです。

「そのうちできるようになる」とおおらかな気持ちで見守りましょう。

赤ちゃんの「ずりばい」はいつから? しない・ハイハイが遅い原因は? 練習法やおすすめおもちゃも【助産師監修】
赤ちゃんの「ずりばい」とはどんな動き? ずりばいとは、うつぶせの状態で頭をあげ、腕や足を使って前や後ろに進むことです。簡単にいうと、匍匐(...

寝返り返りの練習はしたほうがよい?

赤ちゃんが寝返り返りを覚えるまでは、パパやママのサポートが必要です。急かす必要はないとはいえ、うつ伏せで苦しそうにしている赤ちゃんを見ると、「練習させたほうがよいのでは?」と感じる人もいるでしょう。どのようにしたらよいのでしょうか?

無理して練習する必要はなし

一般的に寝返り返りは、赤ちゃんが「動きたい」と思うことで生まれる動作です。

うつ伏せ状態の赤ちゃんがご機嫌でいるのなら、練習をしなくても問題はありません。うつ伏せの状態が好きで、動きたくないと思う赤ちゃんもいるのです。

うつ伏せでいる状態が嫌になったときや、体を動かしたいと思ったときに、自然とできるようになります。赤ちゃんが自分で動きをマスターするまで待ちましょう。

パパやママが動きをサポート

一方、うつ伏せになった赤ちゃんが苦しそうな様子を見せていたり、不機嫌になっていたりする場合は、パパやママがサポートする形で練習させてあげましょう。

赤ちゃん自身が「どう動けばよいのか分からない」状態では、寝返り返りはできません。うつ伏せの状態から、仰向けになるための体の動かし方を教えてあげましょう。

練習方法は簡単です。うつ伏せの状態で、赤ちゃんの体をやさしく左右に揺らします。肩や腰などを支えながら、仰向けの状態にしましょう。

「体を揺らして回転すると、仰向けになれる」ということを赤ちゃんが理解できれば、自分から寝返り返りをしてくれるようになります。

寝返り返りをする時期の注意点

寝返り返りの成功率は、覚えてから徐々にアップしていきます。覚えたてのときは、うまくいかないこともあるでしょう。

一方で、赤ちゃんが自力で動けるようになることで、起こりうる問題もあります。注意したいポイントを押さえておきましょう。

窒息・誤飲に気をつける

寝返り返りができるようになると、赤ちゃんの動ける範囲が広がります。

そのため、おもちゃやクッションに付属しているボタンなど、小さいものを口に入れて誤って飲み込んでしまう「誤飲」に気をつける必要があります。

逆に、まだ自分の意思でうまく体が動かせない赤ちゃんにとって危険なのは「窒息」です。クッションなどの柔らかいものが赤ちゃんの近くに置いてあると、うつ伏せになったときに赤ちゃんの顔が埋もれてしまう可能性があります。

赤ちゃんの近くには、クッションなどのやわらかいものを置かないように注意しましょう。

ベッドからの落下

動く範囲が増えることで起こりがちなのが、ベッドなど高い場所からの落下トラブルです。

寝返りと寝返り返りを繰り返してころころ転がって、ベッドから落ちてしまうことも考えられます。壁側に寝かせたり、ベッドガードを設置したりするなどの対策を行い、できるだけパパやママが近くで様子を見守ることが大切です。

遠くまで行くほど活発に動くなら、ベビーマットなどを敷いて床に寝かせるのもおすすめです。

おすすめのベビーモニターは? 事故防止&パパママの育児ストレス軽減に!
離れた場所から赤ちゃんを見守ることができるベビーモニター。パパママが家事をしている間や赤ちゃんが寝ている間など、少し目を離したいとき...

赤ちゃんの成長をゆっくり見守ろう

赤ちゃんは日々成長し、できることが増え、パパやママを驚かせてくれます。「寝返り返り」もその一つです。
寝返りや寝返り返りが自由自在にできるということは赤ちゃんの行動範囲も広がり、喜ばしいことですが、同時に危険も増えてくるため、しっかりと対策を行う必要があります。

「寝返り返り」を覚える時期には個人差があるため、急かさずゆったりとした気持ちで赤ちゃんの成長を見守ってあげましょう。

 

文・構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事