赤ちゃんの生活リズムはいつから整う? 生活リズムの作り方のコツ【助産師監修】

生後間もない赤ちゃんは、まだ生活リズムが整っていません。当記事では、赤ちゃんの生活リズムはいつから整うのか、また、生活リズムの整え方を月齢別(3ヶ月~4ヶ月頃、5ヶ月~6ヶ月頃、7ヶ月~8ヶ月頃、9ヶ月~10ヶ月頃、11ヶ月~1歳頃)にご紹介します。さらに、赤ちゃんの生活リズムの作り方のコツもレクチャーいたします。

赤ちゃんの生活リズムはいつから整う?

生まれたばかりの赤ちゃんは、1日のほとんどの時間を寝て過ごし、時々起きてはおっぱいを飲んで、おしっこやうんちをしてという生活を繰り返します。しかし、成長していくにつれ授乳する間隔が長くなり、生後3~4ヶ月頃になると授乳と昼寝のタイミングをあわせて、1日の生活リズムが整えられるようになってきます。

赤ちゃんの生活リズムを整えるときは、ママやパパの生活サイクルも考慮したいですね。とくに授乳期は、赤ちゃんと過ごす時間が長いママの生活サイクルに合わせることで、負担も少なくできるようになるでしょう。この時期は、赤ちゃんの様子をうかがいながら、ママ主導で1日の過ごし方を作り、それに赤ちゃんに誘い込むようにするのがベターです。

では、生後すぐの赤ちゃんから1歳頃まで、赤ちゃんの生活リズムがどんなものなのかを月齢別に見てみましょう。

生後~1ヶ月・2ヶ月頃の赤ちゃんの生活リズム

生まれて間もない頃から生後1~2ヶ月頃の赤ちゃんは、とてもよく寝ます。睡眠時間の合計は1日14~17時間(※)にもなり、睡眠と授乳、排せつを繰り返します。人は、体内時計が働くことで、昼と夜に適した体温やホルモン分泌などの調整を行うのですが、この頃の赤ちゃんには、まだそのような生活リズムは整っていません。

※参考元:乳幼児の睡眠と発達

生活リズムの整え方

生後1ヶ月頃になると、体内時計に関係のあるメラトニンというホルモンの分泌が始まるので、少しずつですが生活リズムが生じるようになります。一定のサイクルで眠くなるようになったら、その時間には眠らせてあげるようにしましょう。

3ヶ月~4ヶ月頃の赤ちゃんの生活リズム

生後3ヶ月を過ぎると首や背中などの筋肉も発達し、ママやパパは赤ちゃんの運動能力が少しずつ発達しているのを実感できるようになるでしょう。ママやパパの顔をじっと見つめたり、声を出して笑ったり、表情も大きく変化していく時期です。この頃になると1日あたりの授乳回数が減り、昼間に起きている時間が少しずつ長くなってきます。

生活リズムの整え方

生後3~4ヶ月になると、夜は5~6時間ほどまとめて眠る赤ちゃんもいます。しかし、個人差があるため、夜中に目を覚ましてしまう赤ちゃんもいるでしょう。日中の昼寝を2~3回にして、夜にまとめて眠れるように調整してみましょう。

5ヶ月~6ヶ月頃の赤ちゃんの生活リズム

生後5ヶ月になると、体重は生まれたときの約2倍となり、大きく成長していくとともに、寝返りをうてるようになってくる時期です。生後5~6ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は、1日13~14時間ほど。日中には1~2回昼寝をして、夜にまとまって眠る赤ちゃんもいるでしょう。また、1度に飲めるミルクの量も増え、赤ちゃんによっては、夜間の授乳が必要なくなる場合もあります。また、夜泣きが始まる赤ちゃんが出てくるのもこの頃からといわれています。

生活リズムの整え方

生後5ヶ月を過ぎると、昼と夜の区別がはっきりつくようになります。日中には2~4時間ほどの昼寝を1~2回とり、夜にまとめて眠れるように調整しましょう。

7ヶ月~8ヶ月頃の赤ちゃんの生活リズム

生後7ヶ月になると、体重は生まれたときの2.5倍くらいに。ママやパパが話す簡単な言葉を真似できるようになる頃です。さらに赤ちゃんそれぞれの性格が出てくるのもこの頃。おもちゃが欲しい、知らない人に抱っこされて不安など、さまざまな理由で泣いて自己主張するようになってきます。

生活リズムの整え方

生後7ヶ月を過ぎると、離乳食を始めている家庭も多いでしょう。離乳食を出すおおよその時間を決めて、そのサイクルで赤ちゃんの生活リズムを整えるようにしましょう。また、日中の昼寝が長くなると、夜眠れなくなってしまうので注意が必要です。

9ヶ月~10ヶ月頃の赤ちゃんの生活リズム

ハイハイしたりつかまり立ちできるようになるのが、生後9~10ヵ月頃。食事面では授乳と離乳食を半々にしている頃でしょう。生活リズムは、午前と午後の1回ずつお昼寝をして、夜も眠ります。この時期では授乳することもあり、夜中に起きてしまう赤ちゃんもいるかもしれません。

生活リズムの整え方

授乳と離乳食の時間、昼寝と遊ぶ時間、お風呂の時間もだいたい決めて、1日の生活リズムを作るようにしていきましょう。決まった生活パターンを毎日繰り返すことで、赤ちゃんにもそのリズムが身につくようになります。

11ヶ月~1歳頃の赤ちゃんの生活リズム

生後11ヶ月~1歳頃になると、生まれたときの3倍ほどの体重にまで成長します。つたい歩きするなど、少しずつ自分で歩きだす準備を始める赤ちゃんもいるでしょう。1日の睡眠時間は11~12時間ほど。昼寝は午前と午後で1回ずつとるとちょうどいいでしょう。

生活リズムの整え方

ママと離れることで不安を覚える赤ちゃんも多く、寝かしつけに苦労することもあるかもしれません。お風呂に入ったり、絵本を読んだり、子守歌を歌ったりなど、寝る前に必ずルーティンで行うことを決めて繰り返すと、赤ちゃんは「眠る時間だ」と理解できるようになっていくでしょう。また、夜ぐっすり眠るためには、日中の昼寝の時間が長くなりすぎないよう、配慮するといいですね。

赤ちゃんの生活リズムの作り方のコツ

赤ちゃんの生活リズムの作り方・つけ方のコツ
赤ちゃんの生活リズムの作り方・つけ方のコツ

赤ちゃんに規則正しい生活リズムをつけていくには、いくつかのポイントがあります。生活リズムを作る際は、昼寝や離乳食、遊びの時間などで次のようなことを注意してみましょう。

午後3時以降に昼寝はしない

赤ちゃんの1日の生活リズムが整って、夜もぐっすりとまとまった時間寝てくれると、ママにとっては助かるはずです。そのためには、昼寝の時間も大切です。夕方過ぎまで昼寝をしていると、夜なかなか眠らなくなってしまうため、できるだけ午後3時頃までには昼寝を済ませておくようにしましょう。

離乳食の時間を決める

離乳食が始まったら、離乳食をあげるだいたいの時間を決めましょう。食事の時間が毎日決まれば、赤ちゃんの体内時計もそれを覚えるようになります。

遊び・外出も大切

夜寝つきの悪い赤ちゃんがいたら、それは昼間の活動が不十分なことも考えられます。日中によく遊んでおくことで、夜はぐっすり眠りやすくなります。また、外に出て太陽の光を浴びると、太陽の光がある時間は活動するとき、暗くなったら寝る時間と、自然と覚えられるようになります。ただし、赤ちゃんとママの紫外線ケアには十分に気を付けてください。

寝ない・起きない・夜泣きのときは、しばらく様子を見る

赤ちゃんが夜中に何度も目を覚まし、泣いてしまう場合は、すぐに赤ちゃんをあやしてあげたくなるものです。しかし、「眠れないときは、泣けばママがかまってくれる」と赤ちゃんが覚えてしまい、ますます夜泣きを繰り返してしまうかもしれません。赤ちゃんが夜中に泣いたときでも、しばらく様子を見てみることも大切です。
また、なかなか寝ない、起きない赤ちゃんも、生活リズムが整っていないことが原因のひとつであることも。ここで挙げたコツを活かしてみることで、少しずつ赤ちゃんの生活リズムができていくかもしれません。

赤ちゃんの生活リズムに関する体験談

HugKumでは、0~2歳のお子さんがいるママやパパに、赤ちゃんの生活リズムについてアンケート調査しました。まずは、生活リズムを整えるために苦労したことがあるかお聞きしました。

Q.赤ちゃんの生活リズムがなかなか整わなくて大変だったことはありますか?

Q.赤ちゃんの生活リズムがなかなか整わなくて大変だったことはありますか?

今回のアンケートでは、半数を超える55%の方が「ある」と回答しました。大人が思うようにスムーズにはいかないようです。

工夫したことや苦労したことなどの体験談も教えていただきました。

体験談

「とにかく生活リズムが整うまでベッドに入る時間は一貫してました。 絵本を読み聞かせしたら部屋を暗くして寝る体制をとるという入眠導入のルーティンも行っていました。」(30代・埼玉県・子ども2人)
「夜泣きがひどくてたいへんでした。 日中、支援センターに遊びに行ったり、散歩をしたりして生活リズムを整えました。」(30代・新潟県・子ども1人)
「夜の寝付きに1時間ほど掛かった。 たくさん体を動かすと寝付きが早くなった」(30代・沖縄県・子ども1人)
「上の子と下の子が寝る時間が違うので下の子が眠たくてぐずるのが大変だった」(30代・大阪府・子ども2人)

赤ちゃんの生活リズムは、朝は太陽の光を、夜は部屋を暗くして整えよう

生まれたばかりの赤ちゃんは昼や夜の区別がつきませんが、大きくなっていくにつれて少しずつ生活リズムができ、昼夜を理解できるようになります。そのためにも、朝はカーテンを開けて太陽の光を部屋に取り入れ、夜は部屋を暗くして眠る時間ということを赤ちゃんにわかってもらいましょう。赤ちゃんの生活リズムが整わないうちは、ママやパパの負担が大きくなるものですが、この時期だけのものととらえて、あまり深刻に抱え込まないことも大切です。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

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文・構成/HugKum編集部

 

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