赤ちゃんが寝ない原因を月齢別に解説! 新生児の寝かしつけのコツや寝ない赤ちゃんへの対処法【助産師監修】

「赤ちゃんがなかなか寝てくれない…」というのは、子育て中の多くのママ・パパが抱える悩みのひとつです。そこで当記事では、赤ちゃんが寝ない原因を月齢別に解説します。また、赤ちゃんが寝ない時の対処法や注意点、新生児の寝かしつけのコツをご紹介しましょう。赤ちゃんのねんねで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ママパパが赤ちゃんが寝なくて困ったことは?

赤ちゃんが寝なくて困った、という経験はありませんか? Hugkumではママ・パパにアンケートを行い、「赤ちゃんが寝なくてイライラしたり、ストレスを感じたことはありますか?」と聞いてみました。その結果と回答をご紹介していきましょう。

Q.赤ちゃんが寝なくてイライラしたり、ストレスを感じたことはありますか?

「ある」「ときどきある」の回答を合わせると約8割以上がストレスを感じているよう。多くの回答のなかには、赤ちゃんが寝てくれないことでママ自身が寝不足になった、赤ちゃんにイライラすることもあったが、夫が何もしてくれないことにもイライラした、という方もいたようです。

「赤ちゃんもタイミングが合わないと寝れないのは分かってはいるものの明らかに眠たそうなのになかなか寝付かないと『何で寝ないの!?』とイラついてしまう。」(30代・広島県・子ども1人)
「やっと寝かしつけたと思ったら5分おきに起きてしまい、それが5回~10回程度繰り返す為 ゆっくりする時間がなく精神的余裕がもてずにイライラしてしまった。」(30代・愛知県・子ども2人)
「自分もろくに睡眠がとれず食事すら出来ない状態で、赤ちゃんがずっと泣き続けて寝ないことで精神的にも体力も限界だった。」(30代・大分県・子ども1人)
「それまでは寝ていたのに、自分がいざ寝ようと思ったときに急に起きて、そのまま子供がハイテンションになってなかなか寝ないときはイラっとします。あと、やっと寝たと思ったら、またクズりだしての繰り返しがきついです。」(30代・鹿児島県・子ども1人)
「こどもが泣いているのに呑気に寝ている旦那にストレスを感じた」(20代・岐阜県・子ども1人)

赤ちゃんが寝ないのには原因があります。次項からは、その原因と対策をご紹介していきましょう。

赤ちゃんが寝ないで泣くのは病気?

赤ちゃんが泣く原因には、病気の可能性もあります。よく見られるケースは、赤ちゃんが風邪を引いていて、鼻水や咳・くしゃみなどの症状があり、不快なため寝ないというケースです。また、突発性発疹の可能性も考えられます。この病気の症状には、発熱前後の機嫌が悪い、むずかるなどがあるため、寝ないのかもしれません。

しかし、安易に病気と判断するのはよくありません。不安であれば、かかりつけの小児科で診察してもらってください。

赤ちゃんが寝ない原因

赤ちゃんが寝ない原因はどんなことにあるのでしょうか。月齢別にその原因を解説していきましょう。

出産直後~1ヶ月の赤ちゃん

生まれて間もない赤ちゃんは、昼夜問わず寝たり起きたりを繰り返します。まだ寝る時間が安定していないことが、寝ない原因のひとつです。また、なにか不快なことがあるのかもしれません。たとえば、

・おむつが濡れている
・げっぷが出ておらず、お腹が張っている
・便秘
・温度、湿度が快適ではない
・寝る場所が明るすぎる、音がうるさい
・寂しい、不安を感じている

なども考えられます。

2ヶ月~3ヶ月の赤ちゃん

2ヶ月~3ヶ月の赤ちゃんが寝ない原因として考えられるのは、日中に受けた刺激が強すぎて、興奮状態が続いているからかもしれません。この頃になると目もよく見えるようになってくるため、脳への刺激が強くなるのです。

また、お昼寝の時間が長いことも考えられます。生後2ヶ月くらいになると、徐々にお昼寝の時間を減っていく時期です。たっぷりお昼寝した日は、夜眠れなくなってしまうかもしれません。

さらに、起床時間が遅い場合、それが寝ない原因となることも…。少しずつ睡眠リズムを整えていくことも大切です。

4ヶ月~5ヶ月の赤ちゃん

4~5ヶ月はまだまだ睡眠が浅い頃です。そのため、物音や光などのちょっとした刺激で目が覚めてしまい、そのときに不安を感じて寝ないこともあります。

また、生後4ヶ月くらいの赤ちゃんには「強制注視」という傾向があります。これは、一旦注視したものから目が離せなくなる現象です。たとえば天井の明かりを見つめてしまい、なかなか寝ないということもありえます。

6ヶ月~7ヶ月の赤ちゃん

6ヶ月頃になると、赤ちゃんは6〜8時間ほどまとまって寝るようになり、昼夜の区別もつくようになります。夜に寝ないのであれば、昼寝の長さとタイミングが悪いため眠れなくなっている可能性があります。

8ヶ月~9ヶ月の赤ちゃん

生後8ヶ月くらいになると、ハイハイをはじめたり、お座りしたりと体を活発に動かしはじめます。さらに言葉をしゃべるようになるのもこの頃です。そのため、夜になっても体や脳のはたらきが活発になりすぎて、寝ないということが考えられます。

また、夕寝がなくなり、ねんねの回数も減っていくこの時期は、睡眠リズムが崩れてしまうこともあります。そのため、夜に寝ないということもあるのです。

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赤ちゃんが寝ない時の対処法

赤ちゃんが寝ないときの対処法は?

赤ちゃんがなかなか寝ないとお悩みのパパママに、対処法をご紹介していきます。ぜひ、試してみてくださいね。

赤ちゃんの不快感を取り除く

大人でも、不快な状態が続くとなかなか眠れないもの。それは赤ちゃんでも同じです。赤ちゃんが不快感を示すことには、次のようなことが挙げられます。1つずつ確認して、不快感を取り除いてあげましょう。

・空腹ではないか
・おむつが汚れていないか
・お腹が張っていないか
・温度、湿度は適温になっているか
・部屋は明るすぎではないか
・テレビの音などがうるさくないか

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赤ちゃんに安心感を与える

低月齢であるほど、不安やさびしさで眠れないということがあります。ですので、安心感を与えてあげましょう。たとえば、お腹の中にいたころと似たような状況をつくってあげたり、添い寝して、パパママの心臓の音を聞かせてあげたりしてみてください。赤ちゃんが落ち着いて寝てくれることもありますよ。

生活リズムを整える努力を

赤ちゃんの生活リズムを整えてあげると、寝る時間が安定しやすくなります。そのためには、授乳やお風呂、遊び時間、起床・就寝時間を、毎日同じ時間に決め、行うようにするのも一案です。

また、朝にに日光浴をすると、夜に睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が分泌されるので、夜になると寝付きがよくなるといわれています。

寝かしつけの方法をルーティーン化する

「これをしたらねんねの時間」というような入眠儀式を決め、ルーティーン化しましょう。胎内音の音楽を流して、赤ちゃんの体をとんとん叩いたり、「寝る時間だよ」と声をかけてから部屋を暗くする、マッサージをしてあげるなどを入眠儀式にして繰り返すと、自然と眠りにつくようになります。

パパやママの気持ちを落ち着ける

ご紹介した対処法を試しても寝てくれないときは、赤ちゃんからほんの少しだけ離れて見守るようにしてください。そうすることで、なかなか寝てくれなくてイライラしたパパママ自身の気持ちを落ち着けることができます。気持ちが落ち着けば、赤ちゃんにもそれが伝わり、リラックスして寝てくれることもあります。

寝ない赤ちゃんへの注意点

なかなか寝ない赤ちゃんへの注意したいポイントをご紹介していきます。

寝ないし泣かない新生児、放置していたら寝るようになる?

「寝ない、泣かない赤ちゃんは放置すると寝るようになる」といわれることもありますが、放置するのはやめましょう。放置すると、うつ伏せ寝になって呼吸ができなくなったり、ベッドから落ちたりといった赤ちゃんに起こりうる事故に気づけないことがあります。

赤ちゃんはママやパパがそばにいるだけでも安心します。放置せずにそばにいて、様子を見たり、スキンシップをとったりするよう心がけましょう。

「添い乳」で一緒に寝てしまわないように

添い乳はママも楽ですし、赤ちゃんもいつの間にか寝てくれるので、寝かしつけの便利な方法といえます。ですが、添い乳で心配なのは、ママの寝落ちです。ママが眠ってしまうと、赤ちゃんの鼻と口を圧迫してしまい、呼吸ができなくなるという事故もありえます。自分の力で頭や手足を動かせない新生児のうちは、とくに注意してください。

夜中のお世話は赤ちゃんに刺激を与えないように

夜中に授乳やおむつ替えをするときに注意したいのは、赤ちゃんに刺激を与えることです。たとえば部屋の明かりをつけたり、物音を立てたりすると、そのことで赤ちゃんが覚醒してしまい、寝なくなることもあります。

夜中のお世話にはおやすみライトなどのほどよい明かりにし、テレビやスマートフォンの音は消して赤ちゃんを驚かせないようにしましょう。

新生児の寝かしつけのコツ

「赤ちゃんの寝かしつけのコツが知りたい!」という方は、下記の記事も参考になさってください。保育士さんや助産師さんなどのプロが教える寝かしつけのコツを掲載しています。

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赤ちゃんは睡眠リズムが整っておらず、なかなか寝てくれないこともあります。しかし、成長するうちに自然と寝るようになるので安心してください。それまでは、快適な睡眠環境にする、生活リズムを整える、安心感を与えるなど、ご紹介した対処法を試して乗り切りましょう。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。


文・構成/HugKum編集部

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