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モロー反射とは?
生後まもない赤ちゃんが、急に体をビクッとさせたり、両手をバンザイするように広げてなにかに抱きつくように腕を曲げたり…。こんな赤ちゃんの一連の動作を「モロー反射」と言います。
この赤ちゃんの動きは可愛らしくもあり、思わず動画に撮っておきたいと思うママもいる反面、その動きに心配を感じてしまうママもいたりします。
生後まもない新生児の原始反射のひとつ「モロー反射」
モロー反射は、光や音、自分の体勢など周囲から刺激を受けたときに起きるもので、赤ちゃんの意思とは関係なく原始反射のひとつとして起こります。このモロー反射は、赤ちゃんが危険から自分の身を守り、運動機能を発達させるために起こるものです。
いつ・どんな動きをするの?
周囲から刺激を受けたときに、手や足をビクッとさせたり、両手を広げたり、曲げたりするなど、モロー反射にはさまざまな動きがあります。
出現時期と消失時期
モロー反射は生後0~3ヶ月頃によく見られ、4ヶ月以降には少しずつモロー反射がなくなり、6ヶ月頃になれば完全に消失します。
赤ちゃんの首がすわるようになるのが、だいたい生後3ヶ月~4ヶ月頃なので、首すわりと同時期にモロー反射がなくなっていくこととなります。
モロー反射が多い赤ちゃん
モロー反射の強さや回数などは赤ちゃんによって個人差があるもの。でも、モロー反射が繰り返し多く起こる赤ちゃんも中にはいます。
一般的なモロー反射の頻度
赤ちゃんのモロー反射が起きる頻度は、一日に何度もあるのが一般的。ただ、5分おきにモロー反射が起きてなかなか寝ない、といったケースはモロー反射が多い赤ちゃんと言えます。
寝ている時に多い原因
寝ているときにモロー反射が起きて、その動きによって赤ちゃんがビックリして目を覚まし、夜中に何度も起きてしまう…というケースもあります。
モロー反射は無意識で起きてしまう反射の動作なので、その原因となる音や光などの刺激があったのかもしれません。そんなときは赤ちゃんを落ち着かせるため、抱っこして背中をやさしくなでてあげましょう。
起きている時に多い原因
赤ちゃんが起きているときに起きるモロー反射についても、何らかの刺激が原因であることがほとんど。
特に、赤ちゃんを布団などに寝かせるときや、沐浴するときなど、赤ちゃんの頭が下がってしまうとモロー反射が誘発されやすくなります。
対処法
赤ちゃんを抱きかかえるときは、頭の位置が急に下がってしまわないように気をつけるようにしましょう。
もしも赤ちゃんが驚いて泣いてしまったら、安心できるように抱っこしてママの体に密着させてあげるなどしてあげましょう。
起きる・眠れない・泣く…モロー反射が激しい赤ちゃん
起きていても、夜寝ているときでも眠れず、泣いたり、モロー反射が激しく起こる赤ちゃんの場合、ママパパは大変。そんなモロー反射が多い原因や対処法は何なのでしょうか。
原因
モロー反射は、周囲の音や光、自分の体勢が変わったといった変化があったときに起こります。モロー反射が激しいのは、赤ちゃんにとって大きな刺激となるものが、赤ちゃんの周囲にあることが原因となります。
対処法
赤ちゃんのモロー反射が激しいときは、赤ちゃんにできるだけ刺激を与えないような環境を整えてあげることが一番。
大きな音を立てない、急激な温度の変化を感じさせない、冷房や暖房、扇風機などの風が直接赤ちゃんにあたらないようにする、などの気遣いを心がけて、赤ちゃんに常に安心感を感じてもらえるようにスキンシップを大切にしましょう。
モロー反射が連続して起きる赤ちゃん
モロー反射が起きると、それが繰り返し連続で起きてしまうこともあります。特に寝入りや寝起き、寝ているときなどにこれが多い傾向にあります。
原因
赤ちゃんは、モロー反射で生じた自分の動きにビックリしてしまい、その衝撃で泣いてしまうこともあります。
対処法
赤ちゃんに刺激を与えないことはもちろん、安心させてあげることも重要です。
赤ちゃんを寝かせる寝具は、抱っこしているママの体温と同じくらい温めておくなどしておくと、赤ちゃんが刺激を感じることなくスムーズに眠りにつけるかもしれません。
モロー反射がない赤ちゃん
モロー反射はたいていの赤ちゃんにみられる動きですが、中にはモロー反射がほとんど見られない赤ちゃんもいます。
原因
モロー反射が起こらない原因としては、黄疸の一種である「核黄疸」の可能性もあります。黄疸は、なんらかの原因で、黄色色素が増えてしまい肌が黄色っぽくなってしまう症状が見られます。この黄色色素が脳の神経に沈着すると核黄疸となり、脳機能や運動機能などに影響を与えることが考えられます。
対処法
モロー反射があるということは、赤ちゃんの脳などにある中枢神経の発達を確認することにもなります。そのため赤ちゃんが生まれたら、病院ではモロー反射を起こすかチェックをしています。
病院でのチェックでは問題なかったけれど、もしも自宅で「モロー反射が全然ない…」と心配になったら、赤ちゃんを出産した病院や小児科に相談すると良いでしょう。
モロー反射が消えない赤ちゃんは発達障害の心配がある?
生後4~6ヶ月が経ってモロー反射が消失する時期になっても、繰り返しモロー反射が見られた場合、赤ちゃんの体に何か異変が起きているのでしょうか?
長く続くからと言って発達障害とは言い切れない
モロー反射が長く続いていると、周囲の刺激に過敏になっているため、「発達障害が起きているのでは?」と心配する方もいるかもしれません。しかし、モロー反射がなかなか消えない=発達障害というわけではありません。
対処法
心配なときは、モロー反射の状況を日ごろからよく観察しておき、場合によっては記録にとっておくことがおすすめ。
どんなモロー反射をどんな状況で示したか、頻度や強さなどを記録にしておけば、いざというときに医師に相談する際も役立ちます。
安眠おくるみでモロー反射対策を
赤ちゃんの手足をやさしく布で包み込む「おくるみ」は、モロー反射対策におすすめのアイテム。
おくるみで体も手足もほどよく固定されているので、ビクッとする赤ちゃんのモロー反射が起こりにくく、赤ちゃんが安心してぐっすり眠ることができます。
おくるみを使ったからといって、無理にモロー反射を封じ込めるわけではありませんので、ご安心を。
おくるみの選び方
おくるみは赤ちゃんの肌に直接触れるものなので、デリケートな赤ちゃんにも安心して使える、オーガニックコットン素材など刺激の少ない生地がベストです。
また、暑い季節なら通気性の良いガーゼ生地やパイル生地、寒い季節ならフリース素材など、季節に適した生地を選ぶようにしましょう。
おくるみの巻き方
赤ちゃんをおくるみで巻くときは、ひし形におくるみを床に広げ、赤ちゃんの頭にあたる部分を内側に折ります。ひし形の中央に赤ちゃんを寝かせたら、赤ちゃんの左側から右側へくるみ、次に足と体の部分を下から上にくるみ、最後に右側から左側へくるんで包み込みます。きつく締め付けすぎないように注意しましょう。
嫌がる時は?いつまで巻くの?
もし赤ちゃんがおくるみを嫌がったら、巻かれることを気に入らないのか、タオルの肌触りが好みではないのかもしれません。バスタオルなどで巻いて赤ちゃんの反応を探ったり、素材を変えたり、別のタイミングで試してみましょう。
おくるみにおとなしく巻かれている時期は、モロー反射が終わる生後3~4ヶ月頃までと言われています。赤ちゃんのモロー反射の状況をみながら、おくるみを使うようにしてみてください。
記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
編集部が選んだ!赤ちゃんのモロー反射をやわらげる、おすすめのおくるみ
最後に、赤ちゃんのモロー反射をやさしく抑える、編集部おすすめのおくるみをご紹介します。
「今治タオル 白雲」
独自の品質基準を満たした商品にだけつけられる「今治タオル」の認定商品。雲の上のタオル「白雲 (HACOON) 」のやさしい肌触りは、デリケートな赤ちゃんにぴったりです。
「オーガニックコットン モスリンスワドルScarf Wings」
アメリカのブランド「Coveted Things(コベテッド シングス)」の、天使の羽がプリントされたおくるみ。GOTS認証オーガニックコットンを使用しており、洗濯しても早く乾きます。
「三河木綿 6重ガーゼおくるみ」
やさしい肌触りの三河木綿を使用したおくるみです。6重ガーゼがふんわりと空気を含み、赤ちゃんを包み込みます。洗うほどに柔らかくなるのも特徴です。
「モロー反射」は新生児の間だけの特別な動き
モロー反射をはじめて見たママたちはビックリしてしまうかもしれませんが、これは生後数ヶ月だけのわずかな期間にしか見られない、赤ちゃん特有の動きです。病気などではないかと心配に思ったり、赤ちゃんがなかなか寝付かず苦労したりするかもしれませんが、この時期にしか見られない動きですので、おおらかに見守ってあげるようにしましょう。
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文・構成/HugKum編集部