子供の便秘は、食欲不振や腹痛などの原因に。悪化すると辛くなり自分での排便がしづらくなるため、早めの対処が必要です。
目次
「子どもの便秘」のおもな症状と原因
排便の回数が少なく、排便時に痛みがある
乳幼児の場合、排便の回数が週に2回以下で、便がかたく、排便時に痛むなどの症状があると、「便秘」とみなされます。原因の多くは、体質や食事、生活リズムなど。食事の面では、水分不足や偏食による食物繊維の不足、乳児であれば母乳・ミルクの不足などが考えられます。不適切なトイレトレーニングのためにトイレでの排泄に抵抗を感じることや、便意をがまんすることがきっかけになるケースもあります。
「子供の便秘」治療の基本
便秘のサインを見逃さない
5〜7日以上排便がないときや、排便時に苦しそうだったり痛みがあったりする場合は、受診をすすめましょう。家庭でできるケアとしては、浣腸や市販の整腸剤を飲む方法があります。市販の便秘薬は、年齢に応じた体格であれば用量を守って使用してかまいません。ただし、0歳児の場合はごく少量から始めて様子を見るなど、慎重に与えましょう。健康な便はバナナ状で、排便に時間もかかりません。コロコロした便が少量しか出ないのは、便秘気味であるサインです。
「子供の便秘」予防のためにできること
トイレに行きやすい環境をつくる
便秘予防のために生活の中で心がけたいのは、まず、子供が便意をがまんしなくてすむよう、トイレに行きやすい環境をつくることです。排便することは体のために大切で、恥ずかしがる必要がないことを説明するとよいでしょう。また、日常的にしっかり体を動かして遊ばせ、汗をかいたら十分に水分補給をします。食物繊維を多く含む食品を食べることも有効なので、海藻、芋類、果物、豆類などを食事やおやつに取り入れるのもよい方法です。
便秘対策として家庭でできること
・体をつかう遊びをたっぷりと
体を動かすと腸が刺激されて活発に動くようになるため、便意が起こりやすくなります。
・便の状態をチェック
排便があったかどうかだけでなく、排便時の様子やかかった時間、便の状態も確認します。
・水分補給をこまめに
汗をかきやすい季節は特に、水分不足に注意が必要です。こまめに水分補給を。
・食物繊維をしっかりとる
食物繊維には腸の動きを活発にし、腸内環境を整える働きがあるため、便秘の予防・改善に有効。
・生活リズムを整える
朝は早めに起きて朝食をとり、朝食後は必ずトイレに行く習慣をつける。
・トイレトレーニングは焦らずに
失敗して叱られた、などの経験が排便をがまんする原因となり、便秘を引き起こすことも。
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記事監修
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。
出典/『新 幼児と保育』 文/野口久美子 再構成/HugKum編集部