24時間365日OK「育児と子育ての悩みを無料相談」できる電話窓口があるって本当?

子育ての悩みは尽きません。気軽に相談できる友達や両親が近くにいればいいですが、中には引っ越しなどで周りに身寄りがない状態で子育てに取り組んでいる人もいるはずです。

そこで今回は、誰でも気軽に利用できる子育て相談電話についてまとめました。

24時間365日、困ったときはいつでも電話できる場所ばかりですから、子育てに思い悩んで追い込まれそうになったら、ぜひとも利用してみてください。

 

赤ちゃんの子育て&悩みの電話相談が24時間365日無休で無料って本当?

子育て相談電話とは、文字通り子育ての悩みを相談できる電話窓口になります。例えば子ども・子育て支援法という法律では「地域子育て支援拠点事業を市町村は行うもの」と決められており、各基礎自治体に地域子育て支援拠点があります。地域子育て支援拠点事業とは、

<乳児又は幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業>(児童福祉法より引用)

とされています。支援拠点事業はさらに一般形、連携型の大きく2つに分類可能ですが、難しい話は抜きにして、何であれ子育てに関する相談を受け付けてくれる身近な機関が回りに確実にあるはずです。電話相談については深夜を除く朝から夜に限られているケースが一般的です。しかし、場所によっては24時間365日無休で電話窓口が設けられています。

24時間365日無休で無料相談にのってくれる場所は本当にある?

例えば筆者の暮らす富山市の地域子育て支援拠点であれば、富山市子育て支援センター(子育てほっとステーション)がCiCという駅前の商業施設内にあり、電話相談に関しては、<24時間年中無休>(富山市のホームページより引用)とされています。相談相手は内容によって異なりますが、子どもが乳幼児の場合は保育士、小・中学生の場合は家庭教育専門相談員が相談に応じてくれます。費用は通話料のみで、相談料は無料です。

24時間365日電話相談の窓口を持っている地域子育て支援拠点が身の回りになくても、いじめや虐待、小児救急など緊急性の高い子育ての相談であれば、都道府県や政令指定都市などが、地域子育て支援拠点とは別に24時間365日の電話相談窓口を持っています。

緊急性の高くない子育て相談であれば、地域子育て支援拠点の受付時間内に電話を、深夜でも緊急の相談が必要な場合は、都道府県が開設する電話窓口を利用するなど、上手に使い分けることができます。

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子育て相談電話では乳幼児を持つ保護者だけでなく、場合によっては小中高生を持つ保護者にも援助の手を差し伸べてくれます。地域子育て支援拠点事業については、法律上は「乳児または幼児、およびその保護者が子育てについて相談できる事業」とされていますが、小中高生の保護者に支援の手を差し伸べている事業所も少なくありません。

例えば愛知県の場合は、県内の基礎自治体が行う地域子育て支援の対象となる子どもを、<未就園児、幼稚園・保育園児、小学生>(あいち はぐみんネットより引用)と定めています。東京都ならば、中央区にある子ども家庭支援センター(きらら中央)の場合、<18歳未満の子どもと子育て家庭に関するあらゆる相談に応じています>(中央区のホームページより引用)とあるように、18歳未満の子どもを育てる(原則として中央区内に住む)保護者に向けて相談窓口が用意されています。乳幼児の子育ては悩みが尽きませんが、子どもが育ったらその年齢に応じた別の悩みが生じます。

地域子育て支援拠点には各種の専門家が在籍し、専門的な観点から助言を与えてくれますので、自分の住んでいる基礎自治体にはどのような相談窓口があり、何歳までの育児相談に乗ってくれるのか、あるいは何時から何時まで相談に乗ってくれるのかなどを一度調べておくことをおすすめします。

 

東京や埼玉、横浜など関東で24時間可能な子育て電話相談窓口はある?

各基礎自治体で子育て支援拠点事業は行われていますから、相談電話の窓口は関東にもたくさんあると言えます。例えば東京都なら、千代田区に(平成28年9月1日の時点)地域子育て支援拠点(子育て広場事業)の施設が6カ所、中央区に7カ所、港区に15カ所あります。都内の他の基礎自治体にも、もちろん存在します。政令指定都市である横浜市には、計22カ所の地域子育て支援拠点が各区内にあります。

広域で考えると、例えば埼玉県の場合、地域子育て支援拠点一覧(平成30年4月1日時点)で、同県に計567カ所の拠点があるとされています。

相談対象の子どもの年齢、相談の受付時間は個々で異なりますが、そうした全ての地域子育て支援拠点が相談窓口になってくれるということ。視野を広げれば地域子育て支援拠点以外でも、横浜市の「よこはま子ども虐待ホットライン」のように、緊急性の高い相談に対して、24時間フリーダイヤル(無料)で窓口を設けている自治体もあります。こういったサービスも併せて利用したいですね。

 

大阪や京都、神戸は?24時間育児相談できる電話サービスはどのくらいある?

もちろん、大阪や京都、神戸など関西にも地域子育て支援拠点は存在します。政令指定都市である大阪市の場合、各区内に地域子育て支援センターとつどいの広場が用意されており、前者が市内で計34カ所、後者が計78カ所あります。

同じく政令指定都市の神戸市の場合は、常設の地域子育て支援施設だけで市内に計21カ所あり、児童館などで実施される連携型の子育て支援の拠点も計115カ所あります。

また京都府の場合は、京都市を除いたとしても、各基礎自治体に地域子育て支援拠点「未来っ子ひろば」が計70カ所あります。

残念ながら上述した地域子育て支援拠点は、全てが24時間365日無休で電話相談を受け付けてくれるわけではありません。しかし、いじめ、児童虐待、小児の救急など何か切羽詰まった事情がある場合、大阪市、神戸市など政令指定都市が、あるいは各府県が、地域子育て支援拠点とは別に24時間365日通じる電話窓口を用意しています。

 

札幌や愛知の地方都市は?子育相談ができる電話サービスはある?

北海道の札幌市や愛知県名古屋市などの政令指定都市、あるいはその他の府県にある市町村にも当然、電話相談窓口は用意されています。

政令指定都市である札幌市は、一般型、連携型などを合わせ市内で計43カ所の支援場所が各区内にあります。

また愛知県の場合も、一宮市に8カ所、瀬戸市に3カ所、半田市に4カ所、春日井市に8カ所と、各基礎自治体に拠点が開設されています。虐待など緊急性の高い悩みの相談に関しては、県や政令指定都市が地域子育て支援拠点とは別に、24時間365日の電話相談窓口まで設けてくれています。名古屋市の例で言えば、なごやっ子SOSという電話があり、

<子育ての悩みや子どもの虐待に関することなどの相談>(名古屋市のホームページより引用)

を24時間365日受け付けてくれています。相談自体は無料。深刻度が高い相談がある場合は、都道府県や政令指定都市が用意する24時間対応の緊急窓口に電話したいですね。

ここまで、子育ての「110番」とも言える電話相談窓口をまとめてみました。復習を兼ねて、例えば愛知県の豊根村に暮らしていたと仮定してみましょう。村の唯一の子育て支援拠点である子育て支援センター(杉の子保育園)の相談業務は、平日の9時から16時と限られています。しかし愛知県には24時間の電話相談窓口として「子どもSOSほっとライン24」があります。夜間はいじめ、交友関係のトラブルなど深刻な問題の相談に限られていますが、<子どもや保護者等がいじめの問題や子どものSOSについての相談ができるよう、夜間、休日を含めて24時間体制で電話相談>(愛知県のホームページより引用)が可能となっています。

緊急性のそれほど高くない悩みがあれば、子育て支援センター(杉の子保育園)が電話相談を受け付けている時間に電話し、一刻を争う問題があれば、愛知県の「子どもSOSほっとライン24」に電話するといった使い分け方が考えられます。

どのような相談の方法が住まいのエリアで可能なのか、調べてみてくださいね。

文/坂本正敬 写真/繁延あづさ

 

【参考】

子ども・子育て支援法 – e-Gov

地域子育て支援拠点事業の実施について – 厚生労働省

児童福祉法 – e-Gov

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