「新生児の吐き戻し」原因は?予防法と種類別の対策・注意点まで解説【助産師監修】

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新生児が飲んだ母乳やミルクを吐いてしまうことを「吐き戻し」といいます。たくさんの量を吐き戻されてしまい、驚いたことのあるママも多いのではないでしょうか。当記事では、赤ちゃんの吐き戻しはいつまで起こるのか、その原因と予防法、注意が必要な吐き戻しについてご紹介します。また、新生児の吐き戻し対策になるおすすめアイテムもセレクトしてみました。

赤ちゃんの吐き戻しはいつまで?

新生児が母乳やミルクを吐き出してしまう吐き戻しは、月齢が上がり赤ちゃんの胃の機能が発達してくるにつれて少なくなってきます。個人差はありますが、一般的には3ヶ月頃には収まるといわれています。しかし、1歳になるまで続く場合もあるようです。

HugKum編集部では、0~2歳のお子さんがいるママやパパを対象に新生児の吐き戻しについてアンケートで聞いてみました。

Q.赤ちゃんが新生児の頃に、母乳やミルクを吐き戻しをしてしまうことはありましたか?

「よくある」「たまにある」の回答を合わせると8割以上の方が新生児の吐き戻しの経験しているようです。具体的にどのような状況で吐き戻しをしてしまったか、体験談もお聞きしました。

ママパパの体験談

「ゲップのタイミングでよく吐き戻していました。病気ではなかったですが、毎回噴水のように吐き戻し大変でした。」(30代・大分県・子ども2人)

「タイミングは飲んだ直後がほとんど。新生児は3時間おきの授乳なのに、吐き戻しのたびに着替えたり汚れた箇所を洗ったり、シーツを変えて洗ったりと、オムツ→授乳→着替え・洗い物→泣いてたらあやしたり、で一瞬で次の授乳の時間になって休む暇もなく疲れる 上の子がいると上の子の相手もしなければならないし子からのケアだったりも必要で本当にくたくた」(30代・青森県・子ども2人)

「一人目のときはちゃんと飲めているか、体重が増えているか、心配ばかりしていたが、二人目以降はお洋服が汚れちゃったー、くらいに軽く思えるようになった。」(30代・宮城県・子ども3人)

新生児の吐き戻しの原因

新生児の吐き戻しには、どのような原因があるのでしょうか。主な吐き戻しの原因をご紹介します。

胃が未熟

新生児の胃はまだ未熟です。大人の胃のようにカーブしておらず、胃の入り口もしっかりと閉じられておらず、母乳やミルクが食道に逆流しやすい状態だといえるでしょう。

ゲップ不足

新生児が母乳やミルクを飲むときは、空気も一緒に飲み込んでいます。生まれてすぐは特に、母乳やミルクを飲むことに慣れていないので、空気を多く飲み込んでしまう傾向があるでしょう。飲み込んだ空気の量が多い場合、しっかりとゲップをさせないと吐き戻しの原因になります。

母乳やミルクの飲み過ぎ

母乳やミルクの飲み過ぎにも注意が必要です。新生児の胃はとても小さいため、必要以上に飲ませてしまうと飲み過ぎた分を吐き戻してしまいます。特に低月齢の場合は満腹中枢の働きも未熟なため、必要以上に飲んでしまうことも。赤ちゃんは、与えられた分飲んでしまうこともあるので、注意が必要です。

病気の可能性も

飲み過ぎやゲップ不足ではないのに吐き戻してしまう場合は、病気の可能性も考えられます。急性胃腸炎、アレルギー、胃食道逆流症(GERD)などが原因として多くみられますが、肥厚幽門狭窄症や、腸回転異常症などの場合もあります。気になる症状がある場合は、すぐに病院で受診してください。

新生児の吐き戻し予防法

新生児の吐き戻し予防法にはどのようなものがあるのかをご紹介しましょう。

授乳の最中

授乳中にできる新生児の吐き戻し対策としては4つの方法があります。

授乳姿勢とラッチオンができているか確認する

1つ目は「授乳姿勢とラッチオン(吸着)ができているか確認する」です。赤ちゃんと母親のおなかが向き合い、正しくラッチオンができているかどうかで効率的に飲めるかどうかが決まります。空気を多く飲んでいる場合、授乳姿勢とラッチオンがうまくできていないことが考えられます。

授乳量を調整する

2つ目は「授乳量を調整する」です。授乳量の調整は、授乳前後の赤ちゃんの体重の差分で飲んだ量を把握することができます。

授乳時の姿勢を縦抱きにする

3つ目は「授乳時の姿勢を縦抱きにする」です。縦抱きで授乳を行えば食道への逆流が防げます。しかし、縦抱きは注意して行う必要があるため、十分な配慮が不可欠であることを認識しておいてください。

授乳の途中でゲップをさせる

4つ目は「授乳の途中でゲップをさせる」です。吐き戻しの多い赤ちゃんは、空気を飲み込みやすい飲み方をしているのかもしれません。空気の飲み込みが少ないうちにゲップをさせれば、赤ちゃんも楽にゲップをすることができますし、吐き戻しの予防にもなるでしょう。

授乳のあと

授乳のあとは、しばらく抱っこしてあげたり、胃よりも頭を高くして食道への逆流を防ぎましょう。ベビー枕やクッションなどを使い、赤ちゃんに無理のない姿勢をとってあげることが重要です。ただし、このようなグッズを使用する場合は、赤ちゃんのそばで見てあげられるときにしましょう。

また、少し月齢が上がってきたら、授乳のあと時間をおいてから、体の右側を下にして寝かせることも効果的です。胃は、腸へつながる部分が右側にあるので、そのように寝かせることで消化が促進され、吐き戻しの予防にもつながるでしょう。

吐き戻しの種類と対策

新生児の吐き戻し方にはいくつか種類があります。ここでは、それぞれの吐き戻し方の対策方をご紹介します。

たらっと少量吐き戻す

新生児の赤ちゃんがたらっと少量だけ母乳やミルクを吐き戻すことを「溢乳(いつにゅう)」と言います。赤ちゃんによくみられる生理的な現象なので、特に問題はないでしょう。

毎回大量に吐き戻す

毎回大量に吐き戻すことを嘔吐と言いますが、この場合は注意が必要です。生理的な現象以外の原因が隠れている場合もあります。吐き戻し以外に、不機嫌、グズグズ泣き止まない、発熱、下痢など、いつもと変わった様子はないかを確認し、気になるときは病院で受診してください。

鼻から吐き戻す

口と鼻はつながっているので、吐く量が多かったり、勢いがある場合は鼻からも吐き戻してしまうことがあります。母乳やミルクをあげすぎていないか確認してみましょう。また、授乳後はすぐに寝かせず、縦抱きにして様子を見てから寝かせましょう。

新生児のこんな吐き戻しには注意を

新生児のこんな吐き戻しには注意を
新生児のこんな吐き戻しには注意を

新生児の吐き戻しのなかには、注意が必要なものもあります。ここからは、どんな吐き戻しに注意が必要なのかをご紹介します。

茶色の液体を吐き戻す

茶色い液体を吐き戻してしまった場合は、消化管から出血している可能性があります。すぐに病院で受診をしてください。ただし、母乳の場合はごく稀にママの血液が混ざっていることもあるので、病院を受診する際は、吐き戻しの回数や状態などを詳しく医師に説明しましょう。

ドロドロのヨーグルト状

吐き戻したものがドロドロのヨーグルト状の場合は、胃酸と混ざった消化途中のものが吐き戻された可能性があります。逆流性食道炎を起こしやすい状態と言えるので、早めに病院を受診してください。

粘り気がある

吐き戻したものに粘り気がある場合は、ミルクの残りカスの場合もあります。赤ちゃんに発熱や下痢などはないか、変わった様子はないか確認し、気になる場合は早めに病院で相談してください。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

【編集部おすすめ】新生児の吐き戻し対策アイテム

吐き戻しで衣類が汚れると、何度も着替えが必要になり、赤ちゃんだけではなくママの負担になることも。そこでおすすめなのがスタイです。しかし、スタイを眠っているときに着けたままだと顔にかぶさってしまったり、紐タイプの場合、紐が首に巻き付いてしまう可能性もあります。スタイは、眠っているときは外し、必ず親が見ていられる時間に着用するようにしましょう。

ここからは、スタイを始め、編集部おすすめの新生児の吐き戻し対策アイテムをピックアップしました。

スタイ「エイデン アンド アネイ |バーピービブ(2枚入り)」

スタイ「エイデン アンド アネイ |バーピービブ(2枚入り)」

2004年にNYで誕生した、コットンモスリンを使用したおくるみブランド「エイデン アンド アネイ 」。英国のキャサリン妃がジョージ王子誕生の際に使用したおくるみブランドとして有名になりました。授乳やミルク後のゲップのときにバーブクロスとして肩に掛けて使えば、ママ・パパの衣類を吐き戻しやよだれなどから守ってくれます。また、抱っこするときにあてれば、ママやパパが着ている衣類の刺激から赤ちゃんをガード。スナップで留めて、スタイとしても使う事もできます。

スタイ「バープクロス カラフル」

バープクロス カラフル

綿100%の柔らかな六重ガーゼで、よだれをしっかり吸収し、スタイとしても使える1枚2役の便利なクロスです。洗濯するほどふんわりとした柔らかさが増す、日本製のガーゼを使用。授乳後にママの肩にかけて、赤ちゃんのげっぷや吐き戻しで衣類が汚れるのを防いでくれます。スナップを留めれば赤ちゃんのよだれかけとしても使えます。

「ベビーまくら pono」

ベビーまくら pono

助産師さん監修のもとに作られた、適度なななめ姿勢を保つ構造のまくらです。ふわふわで大きめ(50㎝)だから寝返りしても頭が落ちにくいので安心。新生児のときは枕の中のウレタンを出して使用し、体重が増えてきたらななめのウレタンを入れてしっかり安定させることができます。大きくなって高さが足りなくなってきたら、付属のつぶ綿を入れるとベビーからキッズまで長く使うことができます。

「吐き戻しか少し減った気がする」(20代・岡山県・子ども2人)
「動き出すようになってからはあまり必要性を感じられなかった」(30代・大阪府・子ども2人)

「スリーピングピロー(吐き戻しをやわらげる ベビー枕) 」

スリーピングピロー(吐き戻しをやわらげる ベビー枕)
スリーピングピロー(吐き戻しをやわらげる ベビー枕)

吐き戻ししやすい赤ちゃんの胃の形に注目して開発された、スリーピングピローです。10度のゆるやかな角度が付き。腰のあたりから寝かせ、ゆったりと頭を上げることで赤ちゃんへの負担なく、吐き戻しや鼻詰まりを和らげることができます。バーはファスナー式で簡単に取り外して洗うことができるだけでなく、中綿のクッションも水洗い可能なので清潔に保つことができます。

「吐かなくなった」(20代・愛知県・子ども1人)

新生児の吐き戻しを正しく理解しよう

新生児が吐き戻しをすると、不安に思うママも多いと思います。吐き戻しは生理的な現象の場合もあります。あわてずいつもの様子と変わりはないか確認し、気になる場合は病院で診察をしてもらいましょう。

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文・構成/HugKum編集部

 

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