レンジフードといえば、年末の大掃除で大変な苦労する場所の一つではないでしょうか? レンジフード掃除のコツやくわしい手順、今すぐできる日常のお手入れ方法について解説します。汚れの蓄積を防ぎ、大掃除の手間を減らしましょう。
レンジフードは日々のケアが大切
「レンジフードは年に1度しか掃除しない」という家庭は、少なくありません。しかし、放っておくほど、掃除の難易度は上がっていきます。まずは、レンジフードの汚れの原因と影響について見ていきましょう。
汚れの原因は油とホコリ
レンジフードは、調理中の鍋やフライパンから立ち上る「油」を含んだ湯気を吸い込みます。さらに付着した油に空気中を漂う「ホコリ」が絡みつき、酸化して黒ずんだ頑固な汚れとなるのです。
「レンジフードにこびりついた油は、調理台周りの油よりもしつこい」と思っている人がいるかもしれません。それもそのはずで、放置されたレンジフードの油汚れは「熱変性」を起こしているのです。
使用前の食用油はさらさらとしていますが、加熱されることでギトギトした質感に変化します。熱変性した油汚れの層ができると、普段使いの洗剤では落とせなくなってしまうでしょう。
汚れたままだとどうなるの?
レンジフードの油汚れは、「換気力の低下」を招きます。内部にあるファンが汚れの重みやべとつきによって回りにくくなり、換気するためにより多くの電力を必要とするようになるのです。
油汚れは塗装を腐食するため、そうなってから汚れを落とすと塗装面が剥がれてしまいます。さらに状態が悪くなれば腐食が進み、ファンが動かなくなるかもしれません。
また、カビや雑菌にとって、温かく豊富な栄養のある油汚れは最高のすみかです。レンジフードから落ちた油汚れによって食中毒を引き起こす可能性もあるため、菌が増殖する前に掃除しておきましょう。
掃除する場所と下準備
レンジフード掃除できれいにするのは、「フィルター」「ファン」「フード周り」の3カ所です。ここでは、掃除に必要な道具と事前準備、分解方法について解説します。
用意するもの
掃除前に、次の道具をそろえておきましょう。
・ゴム手袋
・ごみ袋
・洗剤
・新聞紙
・スポンジ
・雑巾
・割り箸
・歯ブラシなど
洗剤は、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」でも構いません。酸性の油汚れに対して有効です。このほか、レンジフードの底に付いている「整流板」やフィルターがネジ留めしてあれば、「ドライバー」も必要です。
頑固な汚れがありそうなら、拭き取りや汚れをパックするために「キッチンペーパー」や「ラップフィルム」も用意しておきましょう。
掃除前に養生しプラグを外しておこう
最も重要な準備は、「電源プラグを抜いておくこと」です。換気扇が作動するとファンが回ります。もし掃除中にうっかり電源を入れてしまうと、ファンに巻き込まれて大けがを負ってしまうかもしれません。
また、調理台・周囲のパネル・床などを、新聞紙で覆っておくことも大切です。レンジフードはひっくり返して掃除するわけにいかないため、どうしても洗剤や溶け出した油汚れが周囲に落ちてしまうことになります。
掃除後に手早く後片付けできるよう、できる限りの範囲を養生しておくことが賢明です。
レンジフードを分解する
レンジフードには「整流板付き」「浅型」「深型」がありますが、フィルター部分がネジによって留まっているのか、はめ込み型なのかは機種によって異なります。
ネジの場合はドライバーで外し、はめ込み型であればツマミを持って、手前に向かって引き上げるかずらすようにして外しましょう。なお、整流板付きの場合は、ネジもしくはストッパーを解除し、前もって整流板を外しておきます。
「ファン」の手前にある環状の「ベルマウス」は、ネジを外してから支えになっているツメを外しましょう。ファンは中央部にあるツマミをどちらかに回して外し、すべらないよう慎重に両手で支えながら外します。
レンジフードの掃除方法
続いて、レンジフードの掃除手順を紹介します。パーツはそれなりに重く、油ですべりやすいため、ゆっくり慎重に取り扱いましょう。
フィルターとファンの掃除
フィルター・ファンの掃除手順は以下の通りです。
1.目立つ汚れを新聞紙で拭き取っておく
2.ごみ袋に50℃前後のお湯をため、洗剤を溶かす
3.フィルターとファンを洗剤水に浸け置きする
4.洗剤水から取り出し、スポンジなどでこすり洗いする
5.洗剤をよく流して乾拭きし、乾燥させる
洗剤の量は重曹なら1カップ、セスキ炭酸ソーダなら大さじ2杯が目安です。市販されているスプレータイプの洗剤なら、30プッシュ程度でよいでしょう。
30分~1時間くらい浸け置きした後、洗剤水から取り出してこすり洗いします。網の目など細かい部分は、歯ブラシや割り箸を活用しましょう。
レンジフードカバーの掃除
レンジフードは取り外せないため、洗剤水を含ませて絞った雑巾で拭き掃除します。
こびりつきがひどい場所には、洗浄液を浸透させる時間が必要です。洗剤水を含ませたキッチンペーパーを貼り付け、ラップで覆っておきましょう。
電化製品のため、基幹部に洗剤水が入り込むと故障しかねません。「モーター」「配線」「ボタン」付近は、特に注意しましょう。
また、汚れを拭き取る際に、こびりついた汚れを無理やり取ろうとすると塗装が取れてしまうことがあります。油汚れの場合、重曹水を吹きかけてしばらく置いておくと、酸性の汚れが中和されて取れやすくなるはずです。
大掃除を楽にするお手入れ方法
「大掃除でしかレンジフードは触らない」という家庭がある一方で、「普段からまめに掃除しているので、年末に特別なことはしない」という家庭も珍しくありません。ここでは、5分程度でできるレンジフードのお手入れ方法を紹介します。
お料理するついでにちょこっとお掃除
たまにしか掃除しない場所ほど、「きれいにしよう!」と思ってもなかなか重い腰が上がりません。わざわざ掃除の時間をつくるよりも、作業のついでに掃除する習慣をつけるほうがおすすめです。
レンジフードの掃除は、雑巾が1枚あれば事足ります。掃除用ウェットシートでもよいでしょう。油汚れに強い、「レンジフード専用の掃除用シート」も市販されています。
付着したばかりの油汚れは、落とすのにそれほど時間はかかりません。作業台やシンクを拭くついでに、レンジフード周りもお手入れしてしまいましょう。
日頃の簡単お掃除
拭く場所は主に次の3カ所です。
・レンジフード表面
・整流板
・フィルター
ネジで固定するタイプの整流板は、表に出ている部分だけ拭いておきましょう。ストッパータイプなら簡単に取り外せるため、裏まで拭いておくことをおすすめします。フィルターも表面だけで構いません。片側を拭くだけでも、汚れの蓄積を大幅に軽減できるでしょう。
いざとなったらプロにお任せ
すでに長いこと放置してしまったレンジフードは、一度プロに磨き上げてもらったほうが安心です。技術面・価格面に定評ある、おすすめのサービスを紹介します。
女性スタッフを指名できる おそうじ本舗
「おそうじ本舗」は、創業20周年になるハウスクリーニングをトータルサポートしてくれるサービスです。さまざまなメディアで紹介されており、信頼度・知名度ともにトップクラスといるでしょう。
独自のこだわり洗剤から汚れのタイプや度合いに応じたものを選び、徹底的に汚れを落としてくれます。担当店舗に女性スタッフがいれば来てもらうことも可能なため、「1人のときに男性を家に上げるのが不安…」という女性でも利用しやすいでしょう。
低価格でプロに依頼 くらしのマーケット
「くらしのマーケット」は、CMを見かけたことのある人も多いかもしれません。最大の売りは低価格にあるといえるでしょう。業者によっては5000円からレンジフード掃除の依頼が可能です。
HPで利用者のレビューを確認し、自分にぴったりの業者を選びましょう。素人では手の出せない部分も抜かりなく、すみずみまでピカピカにしてもらえます。
日頃のお手入れで大掃除は楽しよう
日頃からまめなお手入れをしておくと、レンジフードをきれいな状態でキープできます。しかし、そうわかっていても、実行するのは難しいかもしれません。
掃除を習慣にするコツは、「完璧にやろうと思わないこと」です。負担に感じない範囲で汚れを取り除いておくだけでも、年末の大掃除が段違いに楽になります。
油汚れ特有の臭いも軽減でき、長い目で見れば電気代の節約にもなるため「これならできそう」という部分からちょこっと掃除を始めてみてはいかがでしょうか?
構成/HugKum編集部