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赤ちゃんの頭皮が乾燥すると、ポロポロやうろこになる!?
赤ちゃんのお肌はやわらかくてハリがありみずみずしいものですが、乾燥しやすいという特徴があります。そのため頭皮が乾燥してカサカサになる赤ちゃんも多いもの。ひどいときはボロボロと皮膚が取れるようになったり、うろこ状になったりすることもあるでしょう。
また乾燥以外に、脂っぽくて頭皮トラブルが起きる場合もあります。そんな赤ちゃんの頭皮の乾燥に関して、詳しくご紹介していきましょう。
赤ちゃんの頭皮が乾燥する理由
赤ちゃんの頭皮がすぐにカサカサになって乾燥しやすいのは、赤ちゃんならではの特徴があるからです。
角質層が少なくバリア機能が未熟
赤ちゃんの皮膚は、大人に比べて角質層が少ないという特徴があります。角質層は皮膚の水分を保持して、水分が蒸発するのを防ぐ役目があります。またホコリや雑菌などが入りこむのを防ぐ、バリアのような役目もあります。
この角質層が少ない赤ちゃんの頭皮は、乾燥に弱くなっています。またバリア機能が未熟なため、小さなことでも刺激となってダメージを受けやすいのです。
皮脂が少ない
頭皮などの皮膚には皮脂が存在します。皮脂が多すぎると肌がべたついたりニキビなどの肌トラブルが起きたりしますが、肌から水分が蒸発するのを防ぎ、うるおいを守る効果もあります。
産まれたばかりの赤ちゃんは、産まれるまでにママから受け取ったホルモンの影響で皮脂の分泌量がとても多いのですが、その量は生後1か月くらいがピークで、生後3ヶ月頃からホルモンが減るにつれて皮脂の分泌量も減少し始め、6ヶ月を過ぎる頃には落ち着いていきます。そのため皮脂が少なくなり、頭皮の乾燥が進みやすくなるのです。
赤ちゃんの頭皮トラブル、乾燥だけが原因じゃない?
カサカサになるだけでなく、ひどい場合にはうろこ状になったり湿疹ができたりするケースもあります。そんな赤ちゃんの頭皮トラブルは、乾燥以外のことが原因となることもあります。
ポロポロの黄色いうろこ状のものができる
髪の生えぎわや頭皮、眉毛などに、黄色やクリーム色っぽいうろこ状の膜やかさぶたができることがあります。これは「脂漏性湿疹」とよばれるもので、皮脂が多く分泌される場所に発生しやすくなります。
生後すぐはママのホルモンが残っており、それにより皮脂の分泌が多くなっていることが原因のひとつ。脂漏性湿疹があるからといって、不衛生ということではありません。
見た目にはかゆそうですが、かゆみを伴わないケースが多いです。もし一部の髪が抜けることがあっても、しばらくすればまた新しい毛が生えてくるので心配する必要はありません。
頭皮に赤い斑点やぶつぶつが発生する
頭皮に赤い斑点やぶつぶつが発生することもあります。これらも「脂漏性湿疹」の可能性があるでしょう。いずれも一時的にできる乳児湿疹のひとつで、症状は数か月程度でおさまっていくことがほとんど。
もし2か月以上長引くようなら、アトピー性皮膚炎の可能性も考えられます。
赤ちゃんの頭皮トラブルに関する体験談
HugKumでは、0~2歳のお子さんがいるママやパパに、お子さんの頭皮トラブルについてアンケートでお聞きしました。体験談をご紹介します。
赤ちゃんの頭皮トラブルの治療法
もし赤ちゃんの頭皮に、うろこ状の症状が見られたり、湿疹ができたりしたら、どうやって対処すればいいでしょうか?
脂漏性湿疹
生後すぐの赤ちゃんのシャンプーは、「髪専用」ではなく、「全身用」のものを使い、うろこやかさぶたを無理に取らないように、やさしく泡立てて洗いましょう。爪を立てて洗うようなことは絶対にせず、よけいな力を入れることもNGです。
入浴後は濡れたままにしていると症状が悪化することもあるため、しっかり水気をとりましょう。洗いすぎて頭皮がカサカサしているときは、ローションやクリームで保湿をすることが大切です。
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頭皮のうろこをはがしたほうがいいの?
うろこ状になったものを、無理やりはがすことはやめましょう。入浴前にベビーオイルやワセリンを塗ってうろこをやわらかくし、そのあとにシャンプーする方法もあります。やさしく洗い、うろこが自然に落ちる場合はかまいません。
乾燥性湿疹
乾燥した状態の頭皮に、さまざまな刺激が起きて生じる湿疹が「乾燥性湿疹」です。
ローションやベビーオイル、乳液などの保湿剤を使い、皮膚の乾燥を防ぎながらうるおいを与えることが基本。サラサラとした使用感のものや、手で塗りやすく保湿力が高いものなど、目的と赤ちゃんのお肌にあったアイテムを探してみましょう。
皮膚炎
頭皮に赤い小さなぶつぶつなどの皮膚炎がみられる場合は、頭皮を清潔にして余分な皮脂を取り除き、その後は乾燥が進まないように保湿することが基本のケアです。
ベビーシャンプーを泡立てて、力を入れずにやさしく洗い、入浴後はベビーオイルやローションなどで保湿しましょう。
このようなケアを行っても改善がみられない場合や、膿んでいる場合、じくじくしている場合などは、小児科や皮膚科を受診しましょう。
自宅でできる!赤ちゃんの頭皮ケア
赤ちゃんの頭皮に何らかのトラブルが見られたとき、またそんなトラブルを予防するために、普段から自宅でできるケアがあります。
お湯の温度に気を付ける
赤ちゃんの頭皮や肌を清潔に保つためには、入浴とシャンプーが大切。そのときに気を付けたいのが、お湯の温度です。
お湯の温度が40度以上だと皮脂が落ちやすくなり、さらに温まってかゆみを感じやすくなります。
頭や体を洗うときは、大人にはややぬるめと感じる37~38度くらいの温度にしましょう。
清潔にしたら早急に保湿
お風呂上がりの皮膚は、どんどん水分が蒸発していきます。そのまま放置すると乾燥して、刺激物の侵入を受けやすくなり、トラブルの原因となります。
入浴できれいにしたら、できるだけすぐに保湿してあげましょう。体や頭を拭いたあと、できれば10分以内には保湿ケアを行うようにしてください。
うろこやかさぶたをはがさない
頭皮にうろこやかさぶたができたとき、自然にはがれ落ちるのは問題ありませんが、無理にはがすと余計なダメージをもたらします。シャンプーしたり体を洗ったりするときは、指の腹を使ってやさしくすること。
また赤ちゃん自身が頭を触ってうろこをはがしてしまうこともありますから、ひどい場合は手袋をつけるなどして対処しましょう。
刺激の少ないシャンプーで洗う
頭を洗うときは、シャンプー選びにも気を付けたいもの。大人用の洗浄剤では刺激が強すぎるため、必ずベビー用のシャンプーを使い、無添加のものを選ぶようにしましょう。
またシャンプーのしすぎは頭皮の皮脂のとりすぎにつながり、肌トラブルを引き起こすことも考えられます。汗をあまりかいていない日や汚れがひどくない場合は、シャンプーは使わずにお湯で洗うだけで対応してもいいでしょう。
記事監修
山田 貴博
名古屋市立大学医学部卒。NTT西日本大阪病院にて初期臨床研修。大阪大学医学部神経細胞生物学教室助教を経て、阪南中央病院皮膚科勤務。2017年6月天下茶屋あみ皮フ科クリニック開院。
頭皮ケアに使える保湿アイテム
赤ちゃんの頭皮ケアでは、保湿することが重要。編集部がセレクトした、敏感な赤ちゃんの肌にも安心して使える保湿アイテムをご紹介します。
ワセリン「ベビーワセリン」
保存料不使用の無添加・低刺激の100%ワセリン。やわらかく伸びやすいので、とても使いやすいです。
ママパパの口コミ
「食事の時に口の周りに塗って食べこぼしから肌を守ったり、お風呂後の保湿に使っていて肌荒れを防いでいる。安くて使いやすい」(20代・愛知県・子ども1人)
ベビーオイル「neobaby ベビーオイル」
岐阜県にある有機JAS認証の自社農場で有機栽培した原料をもとに作られる、国産のオーガニックベビーオイルです。馬油、オリーブオイル、ホホバオイルなどがベースになっています。
ママパパの口コミ
ローション「エルバビーバ ベビーローション」
カリフォルニア発のブランド「エルバビーバ」のベビーローションです。合成香料、合成界面洗剤、合成着色料などを一切使用せず、シアバターやココアバターを配合しています。
ママパパの口コミ
「良い感じでした」(30代・東京都・子ども2人)
シャンプー「アトピタ 保湿頭皮シャンプー」
無香料・無着色・防腐剤無添加で、新生児にも使えるシャンプーです。泡切れが早く、洗浄成分が頭皮に残りにくく、肌トラブルを予防します。
ママパパの口コミ
「手軽にたっぷり使用できて、赤ちゃんに使いやすかった」(30代・奈良県・子ども2人)
清潔を保ち保湿ケアを行って、様子を見ること
赤ちゃんの頭皮になんらかのトラブルを起こすのは、決して珍しいことではありません。脂漏性湿疹の場合は、自然と症状がよくなっていくケースがほとんどです。もし頭皮にトラブルがあったら、清潔を保ち、入浴後の保湿ケアを心がけて様子を見てみましょう。症状がなかなか改善しない場合は、小児科や皮膚科の医師に相談してみてください。
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文・構成/HugKum編集部