パティシエってどんなお仕事? 仕事内容やパティシエになる方法【子どもの憧れの仕事シリーズ】

子どもにとって憧れの仕事の一つであるパティシエとは、どのような仕事か知っていますか?仕事の内容・働く場所・なるための方法を解説します。どのような人に向いているかや大変なことなどにも触れるので、パティシエを目指す際の参考にしてください。

パティシエって?

「パティシエ」は近年使われ始めた言葉であるため、聞いたことはあっても、意味を正確に知らないという人もいるかもしれません。どのような意味があるのでしょうか?

お菓子を作る職人のこと

パティシエはフランス語で、ケーキや洋菓子を作る職人のことを指します。

かつては「ケーキ職人」「洋菓子職人」と呼ばれていた人たちが、パティシエと呼ばれるようになったのです。フランス語の華やかでおしゃれな響きもあって、子どもが憧れる職業の一つとして人気があります。

ちなみにフランスでは、パティシエというと男性の菓子職人のことで、女性はパティシエールと呼ばれます。といっても、呼び方が違うだけで仕事内容に違いはありません。

世界的に有名な洋菓子を多数生み出しているフランスでは、パティシエもパティシエールもステータスの高い職業として知られています。

どんな場所で働くの?

パティシエが働いている場所は、主に3カ所です。どこで働くかにより、作る洋菓子の種類や業務形態が変わってくるため、職場選びは大切なポイントになります。

洋菓子店

洋菓子店は、パティシエが多く働いている職場です。オーナーが洋菓子の製造から経営まで手掛ける個人店もあれば、複数のパティシエを雇い、デパートなどに何店舗も出店している大規模な洋菓子店もあります。

個人店や小規模な店では、洋菓子作りの全工程を間近で学べるため、多くのスキルを吸収できるというメリットがあります。その反面、仕事量が多く負担になることもあるでしょう。

大規模な店では、役割分担が細かく分かれていることが多いです。新人は、主に下準備や後片付け担当になり、他の業務を担当できるようになるまで時間が掛かることも珍しくありません。それぞれの工程をじっくり学べるのがメリットですが、一人前になるまでに時間が掛かるのがデメリットとなります。

ホテルやレストラン

レストランで、デザート担当として働いているパティシエもいます。洋菓子店とは違い、お皿に盛りつけて提供できるため、自分のセンスを生かせるのが魅力です。

ホテルでも結婚式や披露宴に出す洋菓子を作るパティシエが働いています。質の高い洋菓子を大量に作る必要があるため、担当業務が決められていることが多いです。大規模なホテルともなれば待遇がきちんと整備されているため、労働環境の良さが大きな魅力でしょう。

工場

パティシエに華やかなイメージを持っている人は、工場で働く姿を想像できないかもしれません。しかし、大手洋菓子メーカーなどの自社工場では、品質管理をパティシエが行っていることが多いのです。

作業が分担されて単調になりがちなことや、担当工程以外のスキルを身に付けにくいのがデメリットになります。しかし、労働環境が整っていることや残業が少ないというメリットもあります。

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パティシエに向いている人

どの職業でも向き不向きがあります。どのような人がパティシエに向いているのでしょうか?

お菓子作りが大好き

パティシエは洋菓子を作るのが仕事のため、お菓子作りが好きであることが大前提です。毎日、何時間も洋菓子を作り続けるため、好きでないと辛い仕事になってしまいます。

お菓子作りが好きといっても、その程度はさまざまです。例えば、休日にお菓子を作るのが趣味であっても、仕事になると楽しいと思えない人もいるでしょう。

「よりおいしく仕上げるにはどうしたらいいのだろう」「もっと目を引くデコレーションにしたい」など、情熱を持ってお菓子作りに取り組める人が向いています。

根気よく作業を続けられる

パティシエは、決められた作業をコツコツとこなすのが当たり前であるため、同じ作業であっても根気よく続けられる人が向いています。

規模が大きい職場であるほど分担作業が基本で、担当する工程が決められています。新人であれば、材料の計量・フルーツの下処理・後片付けなどが一般的です。「下処理ばかりやるのに飽きた…」などとすぐ感じてしまうようでは、パティシエになるのは難しいでしょう。

また、根気だけでなく責任感もパティシエには必要になります。

どの作業においても、決められた工程通りに行うのが基本です。例えば、少し小麦粉の量が違っただけでも仕上がりに差が出ますし、後片付けが不十分なせいで食中毒が起こることも考えられます。そのため、どんな小さな作業でも手を抜かず、責任を持って行うことが求められるのです。

好奇心や探究心がある

お菓子作りは、毎日コツコツとした作業を続けることが大切ですが、好奇心や探求心がある人が向いています。

「他のフルーツを使ったら、どんな味わいになるのだろう」「素材の味をもっと生かすには、どうしたらいいのだろう」と、常に好奇心を持って考えていると、斬新なアイデアにつながることもあるためです。

また、職場以外でも常にアンテナを張り、感性に磨きを掛け続けている人もパティシエに向いているでしょう。

テレビや雑誌などで洋菓子のトレンドに関する情報を集めたり、旅先で新しい食材を探してみたりすることも、洋菓子作りに生かせるためです。

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楽しいことや大変なことは?

パティシエを目指すのであれば、楽しさだけでなく、大変なことも知っておくことが大切です。どのような楽しさや大変さがあるのでしょうか?

自分自身で作り出す面白さ

材料から味・デコレーションに至るまで自分がこだわった洋菓子を作り出すことが、パティシエの仕事の面白さです。

納得のいく洋菓子に仕上げるのは、簡単ではありません。材料の分量を変えたり工程を変えたり、試行錯誤を繰り返しながら理想に近づけていくことに、やりがいを感じている人も多いです。

パティシエが新たに作り出した洋菓子が正式採用され、店頭で販売されたという事例も少なくありません。自分の作った洋菓子をお客さんが購入してくれたり、「おいしかった」と声を掛けられたりしたときの喜びは、パティシエならではといえるでしょう。

見かけよりも重労働

パティシエは一見華やかに見える仕事ですが、意外と重労働なのが大変な点です。重い食材を運んだり、持ち上げたり、かき混ぜたりという肉体労働が日々発生します。

それに加えて立ち仕事であるため、特に体力のない女性はキツイと感じることもあるでしょう。肩こり・腰痛・腱鞘炎などに悩まされる人もいるようです。

クリスマスなどのイベント時には忙しくなるため、その時期は長時間の残業が当たり前になることもあります。師弟関係が厳しい業界なので、新人のうちは重労働になりやすいのがデメリットです。

パティシエになるための方法

パティシエになる方法は、主に二つあります。それぞれのメリットを紹介するので、選択する際の参考にしてみてください。

製菓の専門学校に通う

製菓の専門学校に通って必要なスキルを身に付けるのが、パティシエになるための一般的なルートです。

学校では、専門的な知識と実習を通したスキルを磨けるカリキュラムが組まれています。そのため、実践経験はなくても必要なスキルが身に付くため、就職後はスムーズに仕事をこなせるのがメリットです。

また、「製菓衛生師」の受験資格を取得できるカリキュラムが用意されている学校もあります。

製菓衛生師は、製菓技術だけでなく衛生面の知識も習得している証明となる国家資格です。パティシエとなるのに必須の資格ではありませんが、就職や転職だけでなく独立する際にも有利になります。

店舗で修行する

製菓専門学校に通うのが主流になる前は、店舗で修行するのが一般的なルートでした。現在でも未経験者を採用している店舗はあるので、弟子入りして学ぶことも可能です。

必要なスキルを実践で学べるのが最大のメリットです。しかし、その店舗で販売している洋菓子についてしか学べないというデメリットがあります。幅広い知識や高度なスキルを身に付けるには、自分自身で努力する必要があるでしょう。

昼間は店で働き、夜に製菓の専門学校に通うのも選択肢の一つです。そうすれば、実践で学びながら、足りない知識やスキルを身に付けられます。

 

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憧れのパティシエを目指そう

華やかなイメージのあるパティシエの仕事は、重労働が多いなど大変な面もあります。しかし、自分の作った洋菓子で人に喜びを与えられる、やりがいのある仕事です。

また、必要な知識やスキルを身に付ければ、さまざまな場所で働けるのもメリットといえます。話題のスイーツをプロデュースしたり、自分の店を持ったりと、いろいろな夢が持てるパティシエを目指してみませんか?

文・構成/HugKum編集部

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