AIみまもりロボット「GPS BoT」開発者・八木啓太さんに聞く開発秘話。「子どもを主語にして課題解決を」

連載「子どもの未来を想う人に会いに行く」Vol.2 Bsize株式会社 八木啓太さん

新年度が始まり、小学校にあがる子どもがいる家庭は特に、あれこれ心配ごとが多い時期。保育園や幼稚園と違ってひとりで登下校するようになるため、途中で事故にあわないか、悪い人にさらわれないか…と、家で待っていても、仕事をしていても、なかなか気が休まらないのではないでしょうか。

そんなふうに不安を抱える現代の親たちに今、絶大な支持を得ている商品が、AIみまもりロボット「GPS BoT」。子どもの行動を学習し、自動で現在地をお知らせしてくれるサービスです。子どもを持つすべての親の不安や悩みに寄り添うプロダクトの生みの親、Bsize株式会社代表取締役社長の八木啓太さんにお話を伺いました。

デザインエンジニア
八木啓太(やぎけいた)/1983年生まれ。大阪大学・大学院で電子工学を修了。富士フイルム株式会社にて、医療機器の機械設計に従事。2011年、Bsize設立。同年、世界で最も自然光に近いLEDデスクライトSTROKEを上市し、たったひとりの家電メーカー「ひとりメーカー」として話題に。出演歴にガイアの夜明け、カンブリア宮殿、NHKスペシャル、他多数。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」にて「ひとりメーカー」考証。2017年にGPS BoTをリリース。子ども見守りGPSで国内シェアNo.1を獲得。

 AIみまもりロボット「GPS BoT」はどうやって生まれたのか

 

見守りそのものをAIが代替してくれるサービスに

――今や業界シェアNo.1の「GPS BoT」。開発したきっかけは?

八木啓太さん(以下敬称略):弊社は2011年に家電のハードウェアのスタートアップとして創業して、LEDのデスクライトやワイヤレス充電器など、デザインや性能に際立った特徴があるプロダクトを作るところからスタートしております。

デザインとテクノロジーで世の中に貢献するということを創業理念としていまして、社会課題の解決をテーマにしてプロダクトを作っています。

自分に子どもができたことをきっかけに、子どもを主語にして世の中を捉えたとき、さまざまな課題があると気付かされました。

野原を駆け回ることも難しく、地域で声をかけ合い見守ってもらうのも難しい時代。子どもには自分の世界を広げて冒険してほしいけれど、手放しに送り出せる時代でもなくなってきたので、自分に代わって子どもを見守ってくれるようなテクノロジーが必要だなと痛感したんですね。

――それで、作ってみようと。

八木:はい。それまでも、単なるGPSサービスはあったんです。ただ、それは親が「あれ、もう6時なのに帰って来ていない、おかしいな」と自分でサーチをしたら初めて「今ここにいます」とわかるだけのものでした。常に意識を張っておいて、能動的にアクションしないと見守れなかった。つまり、居場所をサーチし続ける責任は親側にあったんです。

それは忙しい現代の親にとっては見守りサービスになっていないと思いましたので、GPS BoTの場合は自動的に位置情報をサーチして、AIが常時見守りながら、何かあれば「学校に着きました」とか「帰宅しました」などとプッシュ通知で知らせるというものにしました。

見守りそのものをAIが代替してくれるサービスにしたんです。そういったものはこれまでになかったので、我々が初めて作ったサービスだと自負しています。

――画期的でした。そしてとても軽いですよね。

八木:そうですね。ランドセルにポンと入れたときに違和感がなく、子どもにとってはお守りを忍ばせているくらいの感覚かなと。

置き勉禁止の学校も多いと思いますが、子どもたちのランドセルが重たくなっており、子どもの腰痛問題もあると聞いています。なので、重たかったり大きかったらいけない。性能・サイズ・価格などを幾度も幾度も突き詰めて、この大きさ・軽さになりました。

多くの試作を重ねて現在の形にたどり着いた

――他社製品との違いや強みは?

八木:たくさんの試作品を作って検証し、安心につながる機能やサービスとは何なのかを突き詰めています。

一例として、初期の試作品には子から親に通知する押しボタンがありました。ただ、子どもにとってボタンは理屈抜きについつい押したくなるもの(笑)。実際、我々の実験でも、いたずら通知が非常に多かった。

旺盛な好奇心はとてもよいことですが、親からしたら「ボタンを押しました」という通知が来てもなぜ押したかまではわからない。本当にSOSなのか、単なるいたずらなのか、余計不安になってしまうんですよね。意図が伝わらないボタンは、安心や信頼をむしろ損なうので、勇気をもって排除しました。

その代わりに、AIがちゃんと「学校を出ました」「帰宅しました」という事実だけを伝える。AIがふだんの行動範囲を学習するのですが、いつもの行動範囲を大きく逸脱するときなどに、事実をもとにお伝えするということですね。

GPS BoTは、全自動で見守れて、まるで誰かが付き添ってくれているような安心感が得られます。それを支えるAIも、弊社が唯一搭載しているので、そこが強い安心感として、差別化できている要因かなと思います。

見守りGPSだとはいえ、子どもを監視するツールではありません。親として、子どもが元気にすごしてくれたらそれでいい。でも心配するような事象が起こったらすみやかに知らせてほしい。そういうディテールを作り込んでいるので、一度使っていただけるとみなさんにすごく安心して使っていただけて、口コミでも広げていただいています。

サービスとして安心できるからこそ、伸びているのかなと自負しています。

>>GPS BoTについて詳しく知りたい方はこちら>>

次のページでは八木さんの幼少期から学生時代についてお話を聞かせていただきます!☛

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