飴は何歳から食べさせていい? アイスやケーキ、刺身やお寿司はいつから大丈夫?【専門家監修】

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子どもはもちろん、大人も大好きな飴やチョコレート。小さな子どもには、何歳頃から食べさせても良いのでしょうか。甘いお菓子は虫歯のリスクがあるうえに、飴は喉に詰まらせるリスクもあります。

この記事では、飴は何歳からあげていいのか、チョコレートやアイス、ケーキなどのお菓子はどうか。さらに刺身や寿司、サラダ、生卵についても考えてみました。

飴は何歳から食べさせていい? お菓子はいつから?

飴やチョコレートなどの甘いお菓子は、大人も、子どもも大好き。でも、大人やある程度大きくなった子どもが何気なく食べているお菓子や食べ物の中には、小さな子どもには予想以上のリスクを持つものがあります。

飴を子どもに食べさせるリスク

関西では「飴ちゃん」、東北では「飴っこ」などと呼ばれることもある飴は、とても身近なお菓子。でも飴には思わぬリスクがあります。まずは、飴を食べさせるときのリスクと気を付ける点を見てきましょう。

窒息

甘くておいしい飴ですが、子どもの窒息事故につながりやすい食品でもあります。子どもはまだ気管が小さいうえに、咳をする力も弱いので、気管に入りそうになったものを咳で押し返す咳反射がうまくできません。

丸くて、つるっとしている飴は子どもが不意に口の中からのどに滑らせてしまい、のどに詰まってしまうことがあります。

虫歯

飴は砂糖が主原料です。砂糖の摂取量が多いと虫歯になるリスクが高まります。ときどき「乳歯は虫歯になっても抜けて、永久歯が生えるから大丈夫」とおっしゃる方もいますが、それは違います。乳歯が虫歯になると、永久歯も虫歯になりやすくなるなど、永久歯に悪い影響を与えてしまいます。

乳歯は永久歯よりも歯質が弱いため、虫歯になると早く進行します。飴を食べた後は、水を飲んだり、なるべく早く歯磨きをするなど、虫歯予防のケアを心がけてください。

飴をあげるときに気を付けること

子どもに飴を与えるときには、小さな異変にもすぐに気づけるよう、大人が近くで見守ることが必要です。万一、窒息に気づいたときは、すぐに救急車を呼び、救急車が来るまでの間、飴を吐き出させるための応急処置を行います。

乳児の場合

(1)背中を叩く(背部叩打法)
片手で乳児の体を支え、手のひらで乳児のあごをしっかり支えながら、もう一方の手のひらのつけ根で乳児の背中をしっかり叩く(5、6回を1セット)。

(2)胸部を圧迫する(胸部突き上げ法)
乳児をあお向けにし、片手で乳児の体を支えながら手のひらで後頭部をしっかり押さえ、心肺蘇生法と同じやり方で胸部を圧迫する(5、6回を1セット)。

※乳児の様子を見ながら、(1)と(2)を交互に繰り返します。体位を変えることで、のどに詰まったものが出やすくなる効果があります。

(3)腹部突き上げ法(ハイムリック法) 1歳児以上の場合
背後から両腕を回して、片方の手を握りこぶしにし、子どものみぞおちの下に当てる。もう片方の手をその上に当てて、両手で腹部を上に圧迫します。これを繰り返す。

※幼児の場合、(1)と(3)は、その場の状況に応じてやりやすい方法を実施してかまいません。もし、1つの方法を数度繰り返しても効果がなければ、もう1つの方法に切り替えて、異物が取れるまで、2つの方法を数度ずつ繰り返して続けます。

救急車が来る前に、のどに詰まったものが取り出せた場合も、念のために小児科や耳鼻科を受診してください。

参考:政府広報オンライン 「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!

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飴は何歳からあげていいの?

飴には窒息や虫歯のリスクがあることを紹介しましたが、お子さんが食べたがったり、人からもらう機会もあります。

ここでは飴を食べさせても良い時期の目安を考えてみます。結論から先に言ってしまうと、6歳までは避けたほうが良いでしょう。

棒付きの飴は乳歯が生えそろってから

小さな子どもには、丸い飴ではなく、まず棒付きの飴を与えるママ・パパが多いようです。丸い飴に比べると、喉に詰まらせるリスクは小さくなりますが、それでも少なくとも離乳食が終わるまでは与えないでください。虫歯のリスクを避けるという観点からは、なるべく遅いほうが良いでしょう。乳歯が生えそろう3歳頃がひとつの目安となります。

ただし、棒付きの飴は、歩きながら食べたりすると、転んだときに棒がのどに刺さってしまうなどの危険性があります。食べるときには座って、近くに大人が付いて、必ず見守るようにしてください。

また、棒の飴は普通に食べていても棒から飴が外れて口の中に入り込む可能性があることも覚えておきましょう。

飴は6歳を過ぎてから

飴は、窒息事故のリスクが高い5歳以下には与えないようにしてください。だからといって、6歳なら窒息の危険性がゼロになるというわけではありません。

「歩きながら食べない」「1個ずつ食べる」「座って食べることに集中する」などの約束事を決め、大人が見守っている環境で食べさせるようにしてください。飴を食べた後のうがいや歯磨きなど、お口のケアも忘れずにしておきましょう。

6歳は、やや心配しすぎと感じるママ・パパもおられると思います。もちろん最終的にはママ・パパのご判断次第ですが、避けられるリスクは避けたほうが良いと思います。

参考:消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!

グミはしっかり噛めるようになってから

グミは弾力のあるお菓子です。子どもの噛む力が、ある程度強くなってきた頃から与えると良いでしょう。乳臼歯(奥歯)が生えそろい、しっかり噛んで食べることができるようになった頃がひとつの目安となります。

それでも、よく噛まないで飲み込んでしまうと、のどに詰まってしまうリスクはありますので、「よく噛んで食べる」という約束が守れるかどうかも与える時期の目安となります。また形や大きさに注意し、子ども用のものを与えてください。食べている間は大人が見守ることも忘れずに。

飴と同じように6歳までは避ける、というのも大きな選択肢となります。

チューイングキャンディは虫歯のリスクが高い

柔らかいチューイングキャンディは、噛んでいる時に歯につきやすいお菓子です。歯につきやすく、粘り気のあるお菓子は虫歯のリスクが高いとされています。そのため、どんなに早くても乳歯が生えそろう頃が目安となりますが、できれば、乳歯のエナメル質が丈夫になった時期が良いでしょう。

特に奥歯は汚れが溜まりやすい場所なので、食べた後にはしっかり歯磨きをして虫歯を予防してください。

ただし、窒息のリスクが小さいからといって、チューイングキャンディを与えると、「飴も食べたい」となるでしょう。飴、グミ、チューイングキャンディなどは、一律で6歳までは避けるという考え方もできます。

飴以外のお菓子、チョコレート、アイス、ケーキは何歳から?

次に、飴以外のお菓子をあげる時期の目安についても考えてみます。このようなお菓子は、何歳から食べてもいい、という決まりはありません。あくまで目安として参考にしてみてくださいね。

棒付きチョコレートは3歳ごろから

スーパーのお菓子売り場などで売られているキャラクターの棒付きチョコレート。子どもが見つけて欲しがることが多く、仕方なく買い与えてしまったというママ・パパもおられるのではないでしょうか。

チョコレートは虫歯になるリスクが大きいので、乳歯がしっかり生えそろい、歩き食べをして転んでのどに棒が刺さることがないよう、座って食べるお約束が守れるようになってから与えるようにしてください。

棒のないチョコレートは3歳ごろから

チョコレートは糖質、脂質が主成分で高カロリー。歯につきやすいことから虫歯になりやすいことはあらためて言うまでもありません。板チョコなどのチョコレート菓子を与えるのは、棒付きチョコレート同様に乳歯がしっかり生えそろった時期を目安にしてください。

虫歯はもちろん、成長してからの肥満のリスクもありますので、食べすぎに注意し、食べた後は水を飲んだり、歯を磨くなどして、口の中にチョコレートが残らないようにしてください。

アイスは3歳ごろから

幼児に冷たい食べ物をたくさん与えると、胃腸に負担をかけて、食欲不振や下痢などにつながることがあります。アイスなどの冷たいお菓子は、乳歯がしっかり生えそろい、いろいろな物が食べられるようになってからにしてください。3歳ごろがひとつの目安でしょう。

また、アイスクリームは油脂や糖分も多く含まれているので、取りすぎないよう注意してください。

スポンジケーキは1歳半ごろから

スポンジケーキは小麦や卵などにアレルギーがないことがわかっていて、離乳食が完了している1歳半頃から食べさせても良いでしょう。市販の大人用のものは赤ちゃんには甘すぎるので、砂糖や添加物の少ないものを選び、与えすぎない用意してください。

生クリームケーキは2歳ごろから

生クリームケーキは2歳頃から食べさせても良いですが、油脂が多いため、与える量は15g程度(大さじ1)くらいにしておいたほうが良いでしょう。市販品にはさまざまな添加物が含まれているため、できれば手作りのものだと安心です。

ガムは4~5歳ごろから

ガムは他のお菓子と違い、噛んだ後で口から出さなければいけないお菓子です。そのため、「噛み終わったら口から出す」ということがきちんと理解できなければ食べさせることはできません。大量に飲み込んでしまうと腸閉塞などを起こす危険性もあります。

噛み終わったら出す、ということがきちんと理解できるようになる4~5歳が目安となります。

団子は要注意

団子も、そのまま食べさせるとのどに詰まらせるリスクがある食べ物です。小さく切って、水分を取りながら、ママ・パパが見守りながらであれば食べさせても良いですが、小さなうちから、あえて食べさせなくても良いでしょう。

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食べ物は?刺身や寿司、サラダ、生卵は何歳から食べていい?

甘いお菓子以外にも、生魚や生卵などの火を通さない食べ物をはじめて食べさせるときには、注意が必要です。

基本的には、乳幼児(1歳から就学前まで)は、よく洗った生野菜は別として、生モノを与えるときは注意してください。特に必要がない限り、避けることは賢い選択肢となります。

刺身や寿司

お祝いの席などで出されることが多いお刺身やお寿司。また最近では回転寿司が人気で、小さな子どもが食べたくなってしまうのは避けられないかもしれません。

ですが、子どもはまだ消化器官が未成熟で抵抗力も弱く、食中毒になると重症化してしまう恐れがあります。生の魚を与えるのは体力がある程度ついた時期を目安に、新鮮なものを元気な時に少しずつ与えるようにしてください。

また、生魚を噛み切ることは小さい子どもにとっては難しいことです。はじめは食べやすいようにカットしてあげてください。

サラダなど生野菜

サラダなどの生野菜は、離乳食が順調であれば1歳過ぎから食べられるようになります。新鮮なものを選び、よく洗ってから与えるようにしてください。

ただし大人は健康のために生野菜を食べることが勧められていますが、小さな子どもはまだ消化器官が未成熟です。生野菜は加熱した食べ物よりも消化に時間がかかってしまいます。きゅうりやトマトなど、皮がついているものは皮をむき、薄くスライスしてください。

生卵

すき焼きや卵かけご飯に使う生卵。卵は栄養豊富な食品で、離乳食にも使われますが、生卵は注意が必要です。基本的に乳幼児(1歳から就学前まで)は避けたほうが良いでしょう。生卵にはサルモネラ菌のリスクとアレルギーのリスクがあるためです。

日本の卵は、基本的にしっかり殺菌されているため、サルモネラ菌はほぼ心配ないのですが、可能性はゼロではありません。アレルギーの観点から考えると、アレルギー物質は加熱すると軽減されていきますので、小さな子どもに生卵を食べさせることはお勧めできません。

また卵かけごはんにすると、噛まずに食べてしまうという問題もあります。

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ピーナッツ

ピーナッツは、誤嚥しやすい大きさと形をしているため、身近な食品ですが気管に詰まると窒息しやすく、皆さんが考えるよりもリスクが高い食べ物です。

またピーナッツとチョコレートを組み合わせたお菓子も多いですが、ピーナッツはアレルギーの原因となることもあり、加工食品でもアレルギー表示義務が定められている食品。十分に注意してください。

 

記事監修

Kawai
助産師・看護師・保育士
河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

エミリオット助産院

編集部がピックアップ!初めての練習に!おすすめの棒付きお菓子

3歳を過ぎて、飴やチョコレートを初めて食べさせるというときにおすすめのお菓子を紹介します。食べている間は必ず大人がそばで見守るようにしてください。

棒付き飴「ポップキャンディ」

ポップキャンディ
ポップキャンディ

 

ペコちゃんでおなじみの不二家の「ポップキャンディ」は、安全な紙のスティックを使用しています。緑茶ポリフェノール入りで歯にやさしいのもうれしいポイント。オレンジ・グレープ・ストロベリーの3つの味が楽しめます。

棒付きチョコ「いちごつみ」

いちごつみ
いちごつみ

 

可愛いいちごの形の棒付きチョコレートです。オリジナルキャラクターのシール入り。1本あたり約3.8gの3本入りなので、「今日は1本だけだよ」など、量の調節がしやすくなっています。

子供に大人気!「ドラえもんスティックキャンディー」

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乳幼児(1歳から就学前まで)はリスク回避を第一に

飴やチョコレート、アイスなどのお菓子は何歳から食べさせていいという明確な決まりはありません。お子さんの成長を見ながら、ママ・パパが判断することになりますが、今回ご紹介したとおり、飴やピーナッツは一般に思われる以上にリスクがあります。繰り返しになりますが、そうしたリスクのある食品は、乳幼児(1歳から就学前まで)は避けるほうが良いでしょう。刺し身や寿司、生卵も同じです。

もちろん、「心配しすぎ」と感じるママ・パパもおられると思います。子どもにもおいしいものを食べさせたいというのは、ママ・パパの愛情。ですが、お菓子やお寿司は、これからいくらでも食べられます。小さなお子さんにとってのリスクを取り除くことは、ママ・パパの役目です。ご家庭でよく話し合ってみてください。

 

文・構成/HugKum編集部

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