赤ちゃんの夏の3大肌トラブルはあせも、頭皮湿疹、オムツかぶれ!対策やスキンケアは?

 

ぷるんと柔らかく、見ているだけで幸せになれる赤ちゃんの肌。でも、じつは赤ちゃんの肌は大人よりも繊細。気温が上がり、汗をかきやすくなるこれからの季節に気をつけたい、肌トラブルとその対処法をうかがいました。

そもそも赤ちゃんの肌は大人とどう違うの?

「赤ちゃんの皮膚は、厚さが大人の約2分の1しかなく、とても薄いので、肌のバリア機能の発達も未熟です。摩擦などの刺激に弱いので、顔やからだを洗うとき、拭くときに、かたいもので強くこすることは避けたいもの。また、新生児期を過ぎると皮脂の分泌量はぐっと少なくなり、肌は乾燥しています。だから毎日保湿が必要です」と佐々木先生。

そんなデリケートな肌である上にやっかいなのは、赤ちゃんは大変な汗っかきであること。

「エクリン汗腺の数は成人と同じ。つまり、同じ面積から出る汗の量は、大人よりも赤ちゃんの方がずっと多いため、よりこまめなケアが必要なことがわかると思います。汗をかいたまま放っておくと、あせもや汗かぶれになりやすいので、できるだけすぐに処理してあげましょう。かいた汗は、シャワーで流すか、蒸しタオルでふき、なるべく皮膚に残さないようにし、そのあとにローションなどベタつきの少ないもので保湿をしておくことも大切です」。夏の肌トラブルは、日常のスキンケアこそが最強の予防策といえそうですね。

トラブル1 あせも・汗かぶれ

「高温多湿の環境で、汗腺からの汗の分泌が過剰になり、汗管の中に汗がたまって閉塞すると、あせもに。全身にできますが、体幹、額、うなじ、わきの下、ひじの内側、ひざの裏などによくできます。汗かぶれは、皮膚の表に出た汗でかぶれること。夏は気温・湿度が高いので環境調整をし、肌に汗を残しておかないことが重要です」(佐々木先生)

トラブル2 頭皮の湿しん

 

「生後1~2か月に多く見られる頭皮の湿しんは乳児脂し漏ろう性せい湿しっしんと呼ばれ、母体から受け継いだホルモンによって皮脂分泌が過剰になることが原因。1歳前後のものは、乾燥するアトピー体質による湿しんであることが多いです。頭は頭専用のシャンプーで洗いましょう。特に油分が多い大だい泉せん門もん(※)のところはペコペコとしていますが、指の腹を使ってしっかりと洗って大丈夫です」(佐々木先生)

※額の上部にある、骨と骨の継ぎ目部分

トラブル3 おむつかぶれ

「おむつかぶれは尿より便で起こることがわかっています。特に夏場は、ムレやすいので、できるだけ早く拭きとることが大事。その際、おしりの皮膚は強くこすらずに、そっと、ぬるま湯で拭く、できればシャワーなどで洗い流すのが一番です。そのあとは、保湿することも忘れずに。長く治らない場合は、薬が必要ですので、皮膚科を受診しましょう」(佐々木先生)

 

記事監修

梨の花ひふ科 院長
佐々木りか子先生

国立小児病院皮膚科医長、国立成育医療センター皮膚科医長を経て現職。専門は子どもの皮膚病全般。

 

イラスト/ミスミヨシコ デザイン/川崎綾子(ATOM☆STUDIO) 構成/倉永貴子 出典/ベビーブックFirst

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