夏目漱石の小説10選|子どもが読める代表作から大人におすすめの名作までをご紹介

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誰もが知る近代日本文学の文豪、夏目漱石。子どもでも読める代表作から、いちどは読んでおきたい名作まで、ずらっとご紹介します!

子どもでも楽しめる夏目漱石の代表作

【1】坊ちゃん


漱石が愛媛で尋常中学校の教師として教鞭をとっていたころの経験がベースとなっている作品で、無鉄砲で江戸っ子気質の教師になりたての主人公が、様々な騒動を巻き起こしていく物語です。
オールカラーイラストで、難しい言葉や表現には注釈や補足も入っているので、小学校低学年から楽しめます。

【2】吾輩は猫である


中学教師の一家に飼われることになった猫「吾輩」の視点から、その家族やそこに集う書生たちの人間模様を風刺的に描いた作品。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」という冒頭文はとても有名です。
そんな漱石の文体はそのままに、猫の日常を中心に物語を抜粋したこちらの絵本。
日本語の名文をぜひ声に出して楽しんでみてください。

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一度は読みたい有名作品

【1】こころ


夏休みに海水浴に来ていた「私」は「先生」と出会い、交流が始まります。
私に謎めいたことや教訓めいたことを言う先生でしたが、のちにその秘密や苦悩が手紙という形で明かされていきます。
高校生の頃に一部を教科書で読んだという人も多いのではないでしょうか。
乃木希典の殉死に影響をうけて執筆した作品で、人間のエゴイズムや倫理観との葛藤が描かれています。

【2】それから


定職にもつかず、本家の金で裕福な生活を送る主人公が、かつて惹かれあいつつ今は友人の妻となっている女性に再会し、彼女と生きる決意をするまでを描いた作品です。
主人公が大きな決意をするまでの悩みや心の痛み、その決意が及ぼす影響など人間の心の葛藤が描かれています。

【3】門


親友を裏切ってその妻と結婚した主人公が、罪悪感から救いを求め続ける日々を描いています。
登場人物は別の名前になっていますが、実質的に『それから』の続編となっていおり、『三四郎』『それから』『門』で前期3部作と言われる作品群の最終作です。

【4】明暗



円満とは言えない夫婦関係を軸に、登場人物それぞれの視点から描かれるエゴイズムに迫った作品です。
漱石作品のなかでも最長の長編ですが、連載途中に漱石が病没したため未完となっています。

【5】夢十夜


10の幻想的な夢の世界を綴った短編小説です。
「こんな夢を見た」という書き出しをご存じの方も多いのではないでしょうか。
明治から神代の時代までを舞台にした幻想的で不思議な夢の世界が描かれていますが、それぞれの物語は短いので読みやすい作品です。
黒澤明監督により映画化もされています。

【6】三四郎


明治末期を舞台に熊本から上京してきた青年が、都会で出会うさまざまな人々との交流や恋愛、成長を描いた物語です。
『それから』『門』へと続く前期3部作の第1巻。
青春小説なので共感できる部分も多く読みやすいので、はじめての1冊としてもおすすめです。

【7】草枕


日露戦争の時代を舞台に、山の中にある温泉宿に宿泊した洋画家の男性が美しい女性に出会うことから物語が始まります。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」という一文が有名で、漱石独自の解釈による「非人情」の世界観を描いた作品です。

【8】彼岸過迄


若者の日常生活や恋愛を中心とした短編小説を集めて一つの長編小説とした作品。
短編の連続なので、少しずつでも比較的読み進めやすい物語です。
『行人』『こころ』へと続く後期3部作の第一作で、『こころ』のように、人間の心の葛藤やそれに関する洞察が描かれています。

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おわりに

夏目漱石の作品は、さまざまな文体にのせて、時代や社会への風刺、人間心理の葛藤などが巧みに描かれています。時代が変わっても人が抱える問題はあまり変わらないのだなと思わされる部分も多く、共感できる部分が多いのも魅力です。

お札の顔にもなった文豪として、日本の代表的な作家といっても過言ではありません。ぜひ興味のあるものから挑戦してみてください。

 

文・構成/HugKum編集部

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