軽視できない、子どものケアレスミス
ケアレスミスとは、不注意による誤りや軽率な間違いのこと。例えばテストなどにおいて、注意深く問題文を読んだり落ち着いて考えれば防ぐことができたはずの間違いのことを指します。
漢字の送り仮名を書き忘れる、問題に気付かず飛ばしてしまう、途中の計算式で簡単な足し算を間違えるなどの知識量に関係なく起こってしまうミスは、注意していても誰にでも起こりうることです。
小学校低学年のうちは「うっかり」の一言で済ましてしまうことも多いですが、あまりにもケアレスミスが多い場合は対策をしておかないとのちのち苦労することも…。特に受験ではたった1問のミスが命取りとなることもあり、子どもの人生を左右しかねません。
子どものケアレスミスに関する体験談
先輩ママ&パパさんにアンケートを取り聞いてみたところ、さまざまな我が子のケアレスミスが飛び出しました。どれも少し注意していれば防げたもの。親としてはもどかしく感じてしまいますよね。
子どものケアレスミスが多くなる原因
「本当は理解できているんだから大丈夫」と軽く考えず、お子さんの今後のためにもできるだけ減らしていきたいケアレスミス。まずはなぜケアレスミスをしてしまうのか、その原因について探っていきましょう。
注意すべきところを認識していない
もっとも多いのはうっかり間違い。「当てはまるもの全てに○をつけなさい」という文言に気付かず1つにしか○をつけない、「多いのはどちらでしょう」と聞かれているのに少ないほうを答えてしまうなど、決まりとして提示されていることをきちんと認識せずに回答してしまうことがケアレスミスの最大の原因と言えるでしょう。
また、小学校低学年に特に多く見られるのは単位の書き忘れ。計算で答えを導き出せたことに満足してしまい、「何個でしょう」と問われているのに数字しか書かず×になってしまうと、がっくりきてしまいますよね。
思い込みや決めつけで問題文を解釈してしまう
過去に似たような問題を解いたことがあるため、何となく問題を読んだり解答部分の形式を確認しただけで「あ~、このパターンの問題ね」とつい先入観で解いてしまい、それがケアレスミスへと繋がってしまうことも多々あります。こういった思い込みによるミスはせっかちな性格や、勉強が得意であるが故の過信が招いてしまう場合も…。
字が読み取れず、判別できない
たとえ答えがわかってその通りに書いても、字が汚くて採点者に伝わらなければ、それは立派なミスとなってしまいます。途中の計算式を書いた時に自分で自分の字を読み間違い誤答してしまったり、消しゴムがけがきちんとできていなくて、前に書いたものが完全に消えていないことが読み間違いに繋がってしまうケースも少なくありません。
子どものケアレスミスの改善策
ケアレスミスは知識量関係なく誰にでも起こりうることだと先述しましたが、本人次第で防ぐことができるものでもあります。学年が上がり受験などのシビアな状況が絡んでくる前にどうにか対策をしておきたいですよね。
そこでケアレスミスを防ぐためにはどんな点に注意するべきなのか、いくつか挙げていきます。
焦って答えを書かない
何事も焦っていては良い結果に繋がりません。時間がなく最後まで解き終わらない可能性が出てくると気持ちが焦ってしまうのは自然なことですが、テストにはタイムリミットがあるため、それを意識しすぎて初めから無駄に焦ってしまうということもあり得ます。焦っていると慎重に考えればわかる問題でもつまずいてしまい、それにより焦りがさらにつのって時間もなくなる、という悪循環に陥ってしまいます。
はじめから落ち着いた気持ちで問題に取り組むことで、その結果、心にも時間にも余裕が生まれます。
最後まできちんと問題文を読むクセをつける
思い込みで問題文を解釈してしまうのを防ぐためには、最後まできちんと文章を読んで全体を理解することが重要です。ありきたりな問題だと思っても先走って回答を書いてしまわずに、指定されている答えの形式にきちんと当てはまっているのかもよく確認するようにしましょう。
「合っているはず」という先入観を捨てて、入念な見直しを!
テストの出来に自信がある時は特に、「どの問題も簡単だったしすべて埋められたから間違っているはずがない」と思い込んでしまいがち。この意識のまま見直しをすると、合っていること前提でササっと終わらせてしまいミスに気付きにくくなってしまいます。
見直しにおいてもっとも大切なのは、『ミスは確実にどこかに潜んでいる』と思って臨むこと。自分の解答用紙だという意識を一旦捨てて、簡単な計算でも間違っていないか、単位の書き忘れや書き間違いはないか、送り仮名は合っているかなど、まさかこんなところを間違うはずがない、と思っている部分まで入念に見直しをするようにしましょう。
本を読むなどして、読解力を身に付ける
そもそも問題文を読むことに苦手意識を持っていると問題の趣旨をいまいち理解できなかったり、全体をぼんやりと読んだだけで解き進めてしまい、結果それがケアレスミスに繋がってしまいます。
文章を読んで理解する力=読解力は、勉強やテストに限らず、これからを生きていくうえでもとても必要なこと。本を読む、自分の考えを文にするなど文章に触れる機会を意識的に作り、読解力を鍛えるといいでしょう。
字を丁寧に書く
字を自分なりに丁寧に大きく、そして濃く書くこともケアレスミスの防止に有効的です。ひっ算を走り書きしているうちに自分で自分の書いた数字が判別できず、間違った数字と認識して計算を進めてしまうのは小学生男子あるあるだったりします。
一方女の子によく見られるのは、筆圧が弱く字が薄すぎて判別できないケース。消しゴムをきれいにかけられない子も多く、消し跡との区別がつかずに先生が戸惑ってしまうこともあるのだとか。
誰かに読んでもらう字はわかりやすく丁寧に書くのが礼儀だということを、お子さんに伝えるようにしましょう。
ママ&パパの成功体験談
ここでは先輩ママ&パパたちが実際どのように子どものケアレスミスを減らすことに成功したのか、アンケートに寄せられたさまざまな方法を紹介したいと思います。
継続が大事! 早めの対策で、ここぞという時に備えよう
そもそも人間はロボットではないため、ケアレスミスを100%防ぐことはできません。大人になってからもついうっかりしてた!という場面は誰にでもありますよね。ケアレスミスが目立ったとしてもお子さんを必要以上に責め立てるのはNG。上記を参考にアドバイスしつつ、お子さん自身がケアレスミスの重大さを理解し、意識して気を付けることができるようになるまで、長い目で見守っていきましょう。
構成・文/鈴木美奈子