子どものケアレスミスが多い! 原因はなぜ?「うっかり」ミス解消の改善策

「もったいない!」「ちゃんと問題文を読めば解けたはずだよ?」 子どもが持って帰ってきたテストの答案用紙を見て、そんな言葉を放った経験は誰しもあるはず。また、自分も幼少期に親や先生から嫌というほど言われたという方も多いのでは? そこで子どものケアレスミスについて、体験談や改善策を先輩ママ&パパさんに調査してみました。

軽視できない、子どものケアレスミス

ケアレスミスとは、不注意による誤りや軽率な間違いのこと。例えばテストなどにおいて、注意深く問題文を読んだり落ち着いて考えれば防ぐことができたはずの間違いのことを指します。

漢字の送り仮名を書き忘れる、問題に気付かず飛ばしてしまう、途中の計算式で簡単な足し算を間違えるなどの知識量に関係なく起こってしまうミスは、注意していても誰にでも起こりうることです。

小学校低学年のうちは「うっかり」の一言で済ましてしまうことも多いですが、あまりにもケアレスミスが多い場合は対策をしておかないとのちのち苦労することも…。特に受験ではたった1問のミスが命取りとなることもあり、子どもの人生を左右しかねません。

子どものケアレスミスに関する体験談

先輩ママ&パパさんにアンケートを取り聞いてみたところ、さまざまな我が子のケアレスミスが飛び出しました。どれも少し注意していれば防げたもの。親としてはもどかしく感じてしまいますよね。

「計算テストでの簡単な計算間違いがよくあり、もったいないなと思うことがよくあります。 また、用意した持ち物を忘れそうになって、玄関で親が気づくこともあります。」(30代・大阪府・子ども1人)
「たし算って書いてあるのに引き算をしてしまう。」(20代・群馬県・子ども1人)
「文章問題など全部を読まずに初めだけ読んで答えを出す事があった」(30代・静岡県・子ども3人)
「算数の問題で「答えは何個ですか?」という問題があったら〇個と書かずに〇と書いて個を書き忘れてしまうこと。」(40代・秋田県・子ども1人)
「文章問題を最後まで読まずに答えて間違える。 計算問題を何個か飛ばしていて、空白で提出している。」(30代・福岡県・子ども1人)
「冊子になっている学力テストで、最後のページに気付かず丸々1ページやらなかったらしい。」(30代・千葉県・子ども2人)

子どものケアレスミスが多くなる原因

「本当は理解できているんだから大丈夫」と軽く考えず、お子さんの今後のためにもできるだけ減らしていきたいケアレスミス。まずはなぜケアレスミスをしてしまうのか、その原因について探っていきましょう。

注意すべきところを認識していない

もっとも多いのはうっかり間違い。「当てはまるもの全てに○をつけなさい」という文言に気付かず1つにしか○をつけない、「多いのはどちらでしょう」と聞かれているのに少ないほうを答えてしまうなど、決まりとして提示されていることをきちんと認識せずに回答してしまうことがケアレスミスの最大の原因と言えるでしょう。

また、小学校低学年に特に多く見られるのは単位の書き忘れ。計算で答えを導き出せたことに満足してしまい、「何個でしょう」と問われているのに数字しか書かず×になってしまうと、がっくりきてしまいますよね。

思い込みや決めつけで問題文を解釈してしまう

過去に似たような問題を解いたことがあるため、何となく問題を読んだり解答部分の形式を確認しただけで「あ~、このパターンの問題ね」とつい先入観で解いてしまい、それがケアレスミスへと繋がってしまうことも多々あります。こういった思い込みによるミスはせっかちな性格や、勉強が得意であるが故の過信が招いてしまう場合も…。

字が読み取れず、判別できない

たとえ答えがわかってその通りに書いても、字が汚くて採点者に伝わらなければ、それは立派なミスとなってしまいます。途中の計算式を書いた時に自分で自分の字を読み間違い誤答してしまったり、消しゴムがけがきちんとできていなくて、前に書いたものが完全に消えていないことが読み間違いに繋がってしまうケースも少なくありません。

子どものケアレスミスの改善策

ケアレスミスは知識量関係なく誰にでも起こりうることだと先述しましたが、本人次第で防ぐことができるものでもあります。学年が上がり受験などのシビアな状況が絡んでくる前にどうにか対策をしておきたいですよね。

そこでケアレスミスを防ぐためにはどんな点に注意するべきなのか、いくつか挙げていきます。

焦って答えを書かない

何事も焦っていては良い結果に繋がりません。時間がなく最後まで解き終わらない可能性が出てくると気持ちが焦ってしまうのは自然なことですが、テストにはタイムリミットがあるため、それを意識しすぎて初めから無駄に焦ってしまうということもあり得ます。焦っていると慎重に考えればわかる問題でもつまずいてしまい、それにより焦りがさらにつのって時間もなくなる、という悪循環に陥ってしまいます。

はじめから落ち着いた気持ちで問題に取り組むことで、その結果、心にも時間にも余裕が生まれます。

最後まできちんと問題文を読むクセをつける

思い込みで問題文を解釈してしまうのを防ぐためには、最後まできちんと文章を読んで全体を理解することが重要です。ありきたりな問題だと思っても先走って回答を書いてしまわずに、指定されている答えの形式にきちんと当てはまっているのかもよく確認するようにしましょう。

「合っているはず」という先入観を捨てて、入念な見直しを!

テストの出来に自信がある時は特に、「どの問題も簡単だったしすべて埋められたから間違っているはずがない」と思い込んでしまいがち。この意識のまま見直しをすると、合っていること前提でササっと終わらせてしまいミスに気付きにくくなってしまいます。

見直しにおいてもっとも大切なのは、『ミスは確実にどこかに潜んでいる』と思って臨むこと。自分の解答用紙だという意識を一旦捨てて、簡単な計算でも間違っていないか、単位の書き忘れや書き間違いはないか、送り仮名は合っているかなど、まさかこんなところを間違うはずがない、と思っている部分まで入念に見直しをするようにしましょう。

本を読むなどして、読解力を身に付ける

そもそも問題文を読むことに苦手意識を持っていると問題の趣旨をいまいち理解できなかったり、全体をぼんやりと読んだだけで解き進めてしまい、結果それがケアレスミスに繋がってしまいます。

文章を読んで理解する力=読解力は、勉強やテストに限らず、これからを生きていくうえでもとても必要なこと。本を読む、自分の考えを文にするなど文章に触れる機会を意識的に作り、読解力を鍛えるといいでしょう。

字を丁寧に書く

字を自分なりに丁寧に大きく、そして濃く書くこともケアレスミスの防止に有効的です。ひっ算を走り書きしているうちに自分で自分の書いた数字が判別できず、間違った数字と認識して計算を進めてしまうのは小学生男子あるあるだったりします。

一方女の子によく見られるのは、筆圧が弱く字が薄すぎて判別できないケース。消しゴムをきれいにかけられない子も多く、消し跡との区別がつかずに先生が戸惑ってしまうこともあるのだとか。

誰かに読んでもらう字はわかりやすく丁寧に書くのが礼儀だということを、お子さんに伝えるようにしましょう。

ママ&パパの成功体験談

ここでは先輩ママ&パパたちが実際どのように子どものケアレスミスを減らすことに成功したのか、アンケートに寄せられたさまざまな方法を紹介したいと思います。

「最後まで問題を読み、大切な所は線を引くように言っている。まだまだミスが多いですが、少しずつ読解力がついてきていると思う。」(30代・福岡県・子ども1人)
「問題を解くときに、気をつける箇所に線や丸印をつけさせています。自分で気をつけるようになりました。」(30代・和歌山県・子ども2人)
「どれだけ完璧だと思っても見直しはするよう言ってます。あとは親が丸付けをする宿題ではまず○×をつけずに答え合わせをして、ケアレスミスを見つけた時には本人に間違ってる箇所を探させるようにしてます。その作業が面倒で間違えたくないようで、前よりも文章をよく読むくせが身に付きました。」(30代・千葉県・子ども2人)
「人にわからない漢字を聞くのではなく、自分で辞書をひいて調べなさいと言ったら、間違いが気づいたら殆どなくなっていた。」(30代・大阪府・子ども3人)
「文字を読む為に、マンガから始めてライトノベルなどとにかく文字に親しめるようにした。読む行為が面倒くさい事でなくなり、本を読む事に集中できるようになった頃から文章問題のミスが減った。」(30代・静岡県・子ども3人)

継続が大事!  早めの対策で、ここぞという時に備えよう

そもそも人間はロボットではないため、ケアレスミスを100%防ぐことはできません。大人になってからもついうっかりしてた!という場面は誰にでもありますよね。ケアレスミスが目立ったとしてもお子さんを必要以上に責め立てるのはNG。上記を参考にアドバイスしつつ、お子さん自身がケアレスミスの重大さを理解し、意識して気を付けることができるようになるまで、長い目で見守っていきましょう。

 

構成・文/鈴木美奈子

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