「フェアトレード」ってなに?国際的な基準や商品選びのコツをプロが伝授【親子で学ぶSDGs】

SDGsとは、Sustainable Development Goals の略で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」。これは、国連で採択された、2030年までに達成を目指す17の目標と具体的な行動計画のことです。最近、よく耳にする(目にする)SDGs を「キーワード」を通して学びながら、暮らしの中でできることを実践! 子どもと一緒に「生きたい未来」をクリエイションしましょう。

今月のキーワード : フェアトレード

フェアトレードとは、みんなが幸せに暮らせるようになるための、手段の一つ

日本で「フェアトレード」という言葉を知っている人は約5割、貧困や環境問題と関連づけて理解している人は3割強だそうです。なんとなく聞いたことはあるけれど、いまひとつよくわからないフェアトレードについて、おしゃれな服、かわいい雑貨、おいしい食べ物を扱うフェアトレード専門ブランド、ピープルツリーの広報、鈴木啓美さんに教えていただきました。

──まず、フェアトレードとは、どんな意味なのでしょうか? 

鈴木啓美さん(以下、鈴木)直訳すると「公正な貿易」という意味ですが、わかりやすく言うと、「ものづくりに関わったすべての人が幸せに暮らすための手段の一つ」です。公正というのは、例えば、その仕事に対して適正な金額が支払われているか、男女の差別がないか、雇い主と雇われる側とで一方的な関係性になっていないかなど、さまざまな意味が含まれています。

──ピープルツリーでは、いつからフェアトレードの商品を扱っているのですか?

鈴木 私たちの母体は「グローバル・ヴィレッジ」というNGO です。貧困や環境破壊のない持続可能な社会を実現させるため、1991年に発足しました。途上国の生産者の技術や能力向上のサポートをしたり、フェアトレードの意義や背景にある問題点を伝える活動を続けています。発足当時の日本は、まさにバブル時代が終わろうとしているタイミングで、エコロジーなどの発想が一般にはほとんどありませんでした。そこで、最初は小さな勉強会を開いたり、アースデイ(地球環境を考えるイベント)に参加したりして、95年に販売部門をブランドとして独立させたのが始まりです。

人々の笑顔と物語が届く手仕事によるプロダクツ

ピープルツリーのアイテムは、すべてが自然素材、そして手仕事によって仕上げられたもの。手編み、手刺繍、手織り、手紡ぎ、手染め、手彫り、型押し、シルクスクリーンなど、手仕事で暮らしを営む人々も公平にビジネスができるような取り組みを続けています。

 

──フェアトレード商品に基準のようなものはあるのですか?

鈴木 国際的なフェアトレードのネットワークはいくつかありますが、私たちは、WFTO(世界フェアトレード連盟)の定めた「フェアトレード10の指針」に沿った実践をしています。

①仕事の機会をつくる
②どこで誰が作っているかを把握
③安定した仕事の依頼をする
④適正な金額を支払う
⑤児童労働も強制労働もない世界
⑥差別をせず、男女平等と結社の自由を守る
⑦安全で健康的な労働条件を守る
⑧個人や団体の能力を伸ばす
⑨フェアトレードを広める
⑩環境を大切にする

──日々の暮らしの中にフェアトレード商品を取り入れたいという人へ、アドバイスをお願いします。

鈴木 買い物をするときに、私たちがフェアなものを選択し、 意思表示することによって、前述した指針が「わざわざ唱える必要のない当たり前のこと」になっていくと思っています。まずは、自分が買おうと思ったものが、どこで、誰が、どのように作ったものなのかに意識を向けてみてください。フェアトレードのマークやホームページを調べてもいいですし、一歩進んで企業に問い合わせるのもいいでしょう。いきなりすべてを変えようとするのではなく、毎日飲むコーヒーなど身近なものから少しずつがポイントです。

──鈴木さんのオススメアイテムを教えてください。

鈴木 手仕事だからこそ一つ一つ表情が違うオブジェや雑貨は、選ぶときから楽しくて、それがあるだけで心が潤います。柔らかな手織りのストールは、冷房の季節の温度調節に手放せません。作り手の愛情や物語が感じられるフェアトレードのアイテムには、長く大事に使いたい愛着が持てます。「私は何に幸せを感じる?」など、金額だけではない価値基準を持つとより楽しいですよ。「フェアトレードってなんだろう?」そんな疑問を、子どもたちが大好きなチョコレートを題材に、親子で一緒に考えてみませんか?人々の笑顔と物語が届く手仕事によるプロダクツピープルツリーのアイテムは、すべてが自然素材、そして手仕事によって仕上げられたもの。手編み、手刺繍、手織り、手紡ぎ、手染め、手彫り、型押し、シルクスクリーンなど、手仕事で暮らしを営む人々も公平にビジネスができるような取り組みを続けています。

*2019年日本フェアトレード・フォーラム調査より

民族衣装サリーをアップサイクルさせた一点物

インドやバングラデシュの民族衣装サリーをアップサイクル(よりよくリメイクすること)したシリーズ。ワンピースや小物のほか、ワイドパンツやバッグなどラインナップも充実。カラフルな色合わせに気分も上がります。世界で一つだけの宝物です。

 

バングラデシュの女性たちが手作りするジュート・アイテム

バングラデシュの独立戦争で親や夫を亡くした女性たちが、経済的に自立できるように設立された「ジュート・ワークス」。温暖化抑制効果が期待され、土で完全に分解されるエコな天然素材ジュート(黄麻)を使ったアイテムは、ピープルツリーの定番。

 

天然素材の手仕事ドレスでエシカル・ウエディング

環境を考慮したり、社会貢献の視点を持った結婚式・披露宴「エシカル・ウエディング」。ピープルツリーのウエディングドレスは、美しいコットンシルクの生地に丁寧な刺繍が施されたフェアトレードの逸品です。

People Tree 自由が丘店
東京都目黒区自由が丘3−7−2
営業時間: 11:00~20:00
年末年始を除き、年中無休

*月に一度、フェアトレードのことを楽しく学べる「フェアトレードの学校」を開催。
詳細は、https://www.peopletree.co.jp/school/

親子で体験! おいしいチョコレートは、どこからやってくるの?

「フェアトレードってなんだろう?」そんな疑問を、子どもたちが大好きなチョコレートを題材に、親子で一緒に考えてみませんか?

おいしいチョコレートは、どこからやってくるの?

チョコレートの原材料は、カカオ豆。赤道近くの高温多湿な地域で育ちます。カカオ豆の生産地域は、貧困や児童労働などの問題が後を絶ちません。ユニセフ(国際児童基金)とILO(国際労働機関)が発表した2020 年の報告書では、児童労働に従事している子どもの数が増加して1 億6000 万人に上り、コロナ禍の影響でさらに増えると指摘しています。この数は、子どもの10 人に1 人が児童労働に従事しているということになります。

インターネットや図書館などで、カカオ豆の生産とチョコレートの製造について調べ、「では、自分たちは何をしたらいいか?」を話し合ってみてください。

ピープルツリーのチョコレートは、冬期だけの期間限定販売。ココアバターを贅沢に使った、なめらかな口どけにファンが多い。有機栽培に力を入れているボリビアやペルーの生産者が育てたカカオ豆を使用。公正な価格で取引をし、作り手の健康や環境を守り、教育支援などのサポートもしています。

記事監修

People Tree 広報・啓発担当
鈴木 啓美

20年以上の愛用者の経験から「自分にとって心地いい暮らしが、周りの人々にも地球にとってもやさしいと、心からハッピーになれる」と考え、フェアトレードを身近に感じ、生活の中に楽しく取り入れてもらえるよう、メディア対応、記事制作、イベント企画、講師などを担当。

『小学一年生』2021年9月号 別冊HugKum 構成・文/神﨑典子 写真/People Tree 

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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