教えて、栗原心平さん!栗原家の子育て法や、料理家のおうちの子どもが運動するときのメニューは?

運動会や子どもがスポーツの大事な試合という日は、おいしくて栄養のあるごはんで応援したいものですよね。スポーツをする日の食事と言うと、消化の良いものや、腹持ちの良いものなど、いろいろなことが気になりますが、料理のプロのご家庭ではどんなごはんを作っているのでしょうか。今回は、料理家 栗原はるみさんの長男で一児の父でもある料理家 栗原心平さんに、子育て法やお子さんがサッカーの練習に行く日の食事についてインタビュー。特にスポーツをする日の献立はどんなことをポイントにしているのでしょう。ご両親との温かいエピソードや栗原心平さん主宰の子ども向けのオンライン料理教室にも注目です。 ※上記写真/尾島翔太

栗原心平さんはプライベートでも料理をつくるの?

―心平さんは家でも料理をされるのですか?

心平さん:朝ごはんは妻と私のどちらかが作りますが、夕飯に関しては、私が家にいる日は100%担当しています。仕事が終わったら買い出しをして帰り、夕飯を作るのが定番ですね。息子も、父親が料理するのをごく普通のことと感じていると思います。

私の父も、よく厨房に入っていました。母が作るものは和食が多かったのですが、父は手の込んだ洋食を作ってくれました。ザ・男の料理ですよね。

写真/尾島翔太

子どもがスポーツをする日のメニューは?

―お子さんがサッカーチームに所属していると聞きました! 練習のある日の朝ごはんはどんな献立ですか?

 炭水化物をベースに、野菜と肉、汁ものを

心平さん:息子はお米が好きなので、朝はおにぎりが多いですね。鮭やわかめなど、そのとき家にある具材を入れています。ほかにも、スパムおにぎりが好きなのでよくリクエストされます。

お子さんにリクエストされてよく作る、心平さんの作った「スパムおにぎり」 ※写真は栗原心平さん提供

朝ごはんで心がけているのは、炭水化物をベースに、野菜と動物性たんぱく質をバランスよく食べられるようにすること。また、胃を温めるためにお味噌汁などの汁ものを用意することです。

私はよく青森へ行って仕事をするのですが、青森に「嶽きみ(だけきみ)」という美味しいトウモロコシがあるんです。このトウモロコシをほぐして、軸と一緒に昆布だしで煮たら、ミキサーでつぶします。濾したものを冷凍しておけば、朝でも手軽にスープが食べられますよ。息子も好きで、よく飲んでくれます。

―朝からバランスの良い食事! でも真似できなさそうです……

心平さん:スープといっても、簡単なものが多いですよ。コンソメや出汁パックを使うこともありますし、そこに野菜を切って入れて、塩コショウして、10分くらいで作れるくらいのものです。何でもないスープに、冷凍の水餃子を入れてグレードアップさせてもいいですね。

 

お子さんがサッカーへ行く日のある日の朝ごはん。食パンにとうもろこしをのせて、手作りのベシャメルもしくはホワイトソースかけてオーブントースターで焼きます。また、暑い日の汁物に氷を入れて、冷製スープにすることも※写真は栗原心平さん提供

 

パンが食べたい時は、コストコのマスカルポーネチーズが練りこんであるパンを買っておくと息子が際限なく食べます(笑)。

ほかにも、カルディの「ぬって焼いたらカレーパン」を知っていますか? これを食パンに塗ると、よく食べてくれますよ。

カルディ ぬって焼いたらカレーパン

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夜は子どもの好きなメニューでご褒美ごはん♪

―スポーツのあと、食べるのはどんなメニューですか?

心平さん:重要な試合に出た日などは、ご褒美で子どもの好きなものを作ります。息子はハンバーグが好きなので、ハンバーグを作ることが多いですね。夕飯でもできるだけ野菜を摂れるように心がけているので、サラダは必須。息子もサラダが好きなんです。

写真/尾島翔太

栗原家の子育てが気になります!

―心平さんは、ご両親からどんな風に育てられたのですか?

厳格な父と、人として大切なことを説いてくれた母

心平さん:父は社会的なことや一般常識について厳しく教えられ、母からは人としての心得を教えてもらった気がします。

小学5年生の時、900円のプラモデルが欲しかったので父に話すと、おつりを返す約束で1,000円を渡してくれました。その日はすごく寒い真冬の日で、片道40分くらいのところにあるおもちゃ屋さんへ行きました。すると、新商品が1,000円で売っていて、面白そうだったのでそちらを買って帰ったんです。すると「俺とお前との約束は900円だから返してこい」と一喝。子どもにも妥協をしない父親でした。寒空の中、今来た道をもう一往復して返しに行ったのを覚えています。

写真/尾島翔太

 

母とのエピソードで印象的だったのは、もう少し大きくなってからのことです。私が友人関係のトラブルで鬱々としていたところ、母が「どうしたの?」と声をかけてくれました。話しをすると「自分が悪くなくても譲りなさい。プライドを捨てられる人間の方が、プライドが高いと私は思っているから」という話しをしてくれました。これは心に残っています。

―素敵なエピソードですね! 心平さんが子育てで大事にしていることはどんなことでしょうか。

父から教えられた「嘘をつかないこと」を、息子にも

心平さん:「嘘をつかないこと、信頼を裏切らないこと」は、しっかり教えているつもりです。子どもって、その場の言い逃れをするために嘘をつくことがありますよね? でも、すぐに分かるので、どういうことなのかと突き詰めます。「俺とお前の信頼関係において、真実を言っているのか?」と。基本的には、「叱る」とか「怒る」ではなく「諭す」というスタンスで、子どもに何が悪いかを伝えています。

―お父さまが教えてくれたことを受け継いでいるのですね!

栗原心平さん主宰、子ども向けのオンライン料理教室とは

―子ども向けのオンライン料理教室を主宰されているのですよね。どんなきっかけで始めたのですか?

料理を通じて、親から認められる経験を積んでいく

心平さん:栗原家では、私も姉も小さい頃から料理をしている子どもでした。日曜の朝は早く起きてしまうので、朝ごはんの支度をしながら親が起きるのを待つんです。スクランブルエッグと、キャベツのコンビーフ炒めを作り、パンはすぐに焼けるようにトースターにセッティングして……。親が起きてくると、母がアイスティーを入れてくれて春先なんかは庭で食べました。今思うと、平和だったなと思います。

栗原心平さんがキッチンに立っている写真
※写真は「株式会社 ゆとりの空間」提供

今、自分が親になってみると、子どもが食事の支度をして親を待つ家ってなかなか想像ができませんが、実現したら素晴らしいですよね。共働きの家庭が多く、追いつめられるように料理をする人も多い中、子どもが一品でも作って待っていてくれたら、気持ちも救われますし、一緒に食事をする機会が増えて会話も増えるかもしれない。そんな思いから始めました。今、登録してくださっているお子さんの中には、料理を通じて親から「ありがとう」と言われるようになり、前向きになって勉強量も増えたという子がいます。認められることで、自分の領域を広げるきっかけになったのかもしれません。

―子どもが一品作って待っていてくれるなんて、夢のようです。どんなメニューを習うのですか?

初めは火や包丁を使わなくても、バラエティ豊富なメニューが学べる

クッキングスクールのメニュー写真
※写真は「株式会社 ゆとりの空間」提供

心平さん:小1~小3のクラスでは、第一段階では火を使わずにレンジを使うのですが、結構しっかりしたものが作れます。カプレーゼや手作りドレッシング、レンジで作る炒め物、ミネストローネなどがあります。途中から包丁を使い始めますが、大きなサイズに切っても問題ない料理がたくさんあるんですよ。

クッキングスクールと言うと習い事っぽいですが、私は生活に溶け込むものであってほしいと思っています。例えば、金曜日にメニューが配信されるので、土曜日の午前中に子どもと材料を買いに行って、一緒に料理をして、お昼ごはんに家族で食べるのがオススメです。今料理を習わせてどうなるの? と思われる方もいるかもしれませんが、料理ができて悪いことはないですし、子どもが料理に関わることで、家族のコミュニケーションのあり方について考えるようになると思うんです。そんなきっかけを与えてくれる教室にしたいなと思っています。

ごちそうさまクッキングスクール

栗原心平さんが教える1020分の動画を視聴しながら、自宅で料理を学びます。簡単なレシピから段階的に難しい料理にチャレンジしていくカリキュラム形式。レシピを習得するとスタンプがもらえるので、ゲーム感覚で取り組めそう。オリジナルレシピが週1回届き、年間48レシピ習得できます。

ごちそうさまクッキングスクールについてはこちら≫

 

プロフィール

料理家
栗原心平 

(株)ゆとりの空間 代表取締役。会社の経営に携わる一方、幼い頃から得意だった料理の腕を活かし、料理家としてテレビや雑誌、YouTubeなど幅広く活躍。レギュラー出演中の料理番組「男子ごはん」(テレビ東京系列)や公式YouTube「ごちそうさまチャンネル」が好評。著書に『栗原心平のこべんとう』(山と溪谷社)、料理が初めての男性でも、お子さんと一緒に楽しんで挑戦できるレシピ本『栗原心平の とっておき「パパごはん」』(講談社)他、著書多数。一児の父。※写真は「株式会社 ゆとりの空間」提供

公式サイト https://gochichan.com

 文・構成/寒河江尚子 撮影/尾島翔太

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