自律神経を整えるには?自宅でできる方法で「なんとなくだるい」を解消!

今日は体がだるい、頭が痛い、めまいがする、・・・など病気ではないまでも、なんとなく具合が悪いといったいわゆる不定愁訴を覚える人も多いですよね。それらは実は自律神経の乱れが関係しているのかも。

自律神経の乱れによる影響とは?

0歳〜12歳の子をもつママ・パパ120人にリサーチしたところ、経験があると答えた人がたくさん。自律神経を整えるにはどうしたらいいのか、今回は簡単にできる対処法などをまとめてみました。

自律神経とは?

そもそも自律神経って何?と思う人もいますよね。自分の意思に関係なく刺激に反応して身体の機能を調整するのが自律神経です。例えば、暑いときに手で仰ぐのは体性神経、勝手に汗をかくのが自律神経の働きです。

自律神経は、交感神経と副交感神経という逆の働きをする2つに分かれています。交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働きます。これらが互いにバランスを取りながら身体の状態を調節していますが、このバランスが崩れると体のあちこちにダメージが生じるのです。

自律神経の乱れはなぜ?

自律神経が乱れる理由はさまざまですが、長く続く不規則な生活やストレス、疲れなどが原因で生活リズムが崩れると乱れがち。また、更年期におけるホルモンの乱れ(更年期障害)、先天的要因などが挙げられます。

自律神経が乱れるとどうなる?

自律神経が乱れると、全身的症状としてだるい、眠れない、疲れがとれないなど。また、器官的症状として頭痛、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。
そして、精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、抑うつ気分などの状態が現れることもあります。

体験談

自律神経が乱れていると感じるママ・パパに体験談を聞きました。悩んでいる人が多く、体が疲れやすかったり、めまいが起きる人も多いよう。倒れてしまうこともあるので危険ですね。また、イライラしやすいという人も多く、育児に影響しそうで心配です。

「昔からストレスがたまったり疲れたりすると自律神経が乱れる感じがする。めまいがする事が多い」(40代・神奈川県・子ども1人)
「神経が細い体質なので、しょっちゅう乱れます。そのためか、昔からPMSがひどいです」(40代・神奈川県・子ども1人)
「季節の変わり目に気分不良や身体のだるさが出る」(30代・愛媛県・子ども2人)
「目の下がぴくぴくする。理由もなくイライラが止まらない。朝ぐったりで起きれない」(40代・長崎県・子ども2人)

自宅でできる自律神経を整える方法

育児に家事、仕事と忙しいママ・パパは、マッサージや気分転換に出かけることなどはままならないですよね。そこで、自宅で簡単にできる自律神経の整え方をご紹介。意外に方法はたくさんあるので、取り入れやすいものを試してみて。

食事はバランスよく

食事はすべての栄養素をバランスよく摂取するのがマスト。ダイエットなどは一旦忘れましょう。

例えば、タンパク質に含まれる必須アミノ酸は神経伝達物質の生成に必要です。例えば、食肉や魚の肉に含まれるトリプトファンという必須アミノ酸は、気分を安定させるセロトニンの生成を促してくれます。

牛乳などのカルシウムには、脳の興奮を抑える働きがあるなど、自律神経のバランスをとるためにも食事のバランスも大切です。

交感神経を優位にする飲み物は避ける

生活習慣病のリスクになるトランス脂肪酸を含むスナック菓子やマヨネーズ、マーガリンの摂りすぎには要注意です。また、カフェインの摂りすぎは交感神経を優位にしてしまうので、副交感神経を優位にしたい睡眠前などには、コーヒーなどの飲み過ぎに注意し、適度な量に収めましょう。

軽い運動

体がだるい時に運動は無理、と思いがちですが、ウオーキングやストレッチなどの軽い運動をするのは効果的。家の周りを軽く歩くのでもOK。外の空気を吸うだけでもちょっとした気分転換にもつながりますし、適度に運動した方が体が楽になることにきづけるかもしれません。

寝る前のストレッチ

寝る前に軽いストレッチをすると、質のよい睡眠がとれるのでおすすめ。あくまでもベッドの上でできるような、ゆっくり呼吸をしながらのストレッチでOKです。

呼吸

腹式呼吸が基本。鼻から息を吸って、口からゆっくりと吐きます。吸うことよりも、しっかりと吐くことを意識しましょう。おなかのそこまで吐ききったら、また鼻からすっと吸う。これを繰り返します。

漢方

自律神経の乱れによる体調の乱れには、漢方もおすすめ。市販のものはドラッグストアでも買えるので、薬剤師さんに気軽に相談して。

アロマ

五感の中で唯一脳にダイレクトに伝わるのが「嗅覚」だそう。リラックスできるラベンダーやネロリ、ローズマリーが精神的な疲労を回復してくれます。他にも自分で実際に嗅いでみて、落ち着けるものを選ぶのがおすすめ。

自律神経を調整する音楽を聴く

副交感神経を優位にするメカニズムに、「1/fゆらぎ」というものがあります。「規則的な中にも不規則が混在しているゆらぎ」のことを「1/f ゆらぎ」と言いますが、「1/f ゆらぎ」を感知すると、自律神経の活動をコントロールし、リラックスやストレス発散の効果が得られることについては、科学的研究でも注目されています。例えば、川のせせらぎや鳥のさえずり、波の音などにも含まれているので、ヒーリングミュージックというジャンルの曲を選んで聴いてみましょう。

毎日お風呂につかる

朝晩シャワー派という人も多いと思いますが、まずは今日からお風呂につかりましょう。ぬるめの38度〜40度くらいのお湯にゆっくりつかると副交感神経が優位になり、良質な睡眠がとれます。42度より熱いお湯につかると交感神経が優位になってしまうと考えられているので、要注意。

朝起きたら日光を浴びる

朝起きたらまずカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。光の刺激で、体内では神経伝達物質のセロトニンが活性化されます。セロトニンとは「幸せホルモン」とも呼ばれ、自律神経を整える働きがあるのです。また、体内時計が調整されるので、食事や睡眠といった一日の行動や生理機能のリズムも生まれます。そのため、不眠などの症状にも効果的。天気のいい日だけでなく、たとえ曇りの日でも太陽光の刺激は効果があるので、毎日カーテンを開けましょう。

それでも改善しないときは

体調の悪さが続き、自律神経を整える方法を試してみても改善しないときは、心療内科などを受診するのがおすすめ。うつ病などに対しても、治療法として薬やホルモン療法などによる対症療法や、睡眠の周期を整える行動療法などがあるので、早めに相談をして。

自律神経を整えるのは早めに

ホルモンバランスが変化しやすい女性たちは、特に自律神経の乱れを多かれ少なかれ感じがち。自分にあった方法をいくつか覚えておいて、なるべく早く対処するのがポイント。自律神経を整えて、毎日をすっきり過ごせると気持ちがいいものですよね。

記事監修

臨床心理士 教育学修士
日本女性財団 設立共働発起人
消防庁 緊急時メンタルサポートチーム専門家著者:「人間関係でストレスを溜めない技術」「なぜ、こんなに苦しいの?」
YouTubeチャンネル:「aulaの時間」にて、「知ろう!ストレスの正体」「ストレス対処の具体的方法」「不安をコントロールするチカラを伸ばそう」等、”こころの健康づくり”についての情報を発信中。県立高校の教諭として20年以上、思春期の青少年達と向き合った後、ウィメンズセンター勤務や学生相談室運営等を経て「心の健康にも予防が大切」という理念のもと、2006年に東京と岡山に心理オフィスを開設。
企業や組織それぞれに応じたハラスメント対策、メンタルヘルスケア等の職場環境快適化の支援を行う。また個人・カップルに延べ 6000回以上の心理療法(カウンセリング)を行う。
セミナー・講演会の講師としても幅広く活躍し、TV・ラジオでのコメンテーターや、新聞 ・雑誌での取材記事掲載なども多数。
YouTubeチャンネル「aulaの時間」の他、Facebook、Twitterでも臨床心理学に基づいた情報を発信をしている。

文・構成/HugKum編集部

 

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