「仕切り」を制する者は収納を制す!整理収納アドバイザーがこっそり教えるマル秘テクとは

「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。

8歳、6歳、4歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。

今回のテーマは「収納の仕切り」です。

仕切りって、なんだか難しそう?

スッキリ収納するコツのひとつに、仕切りを活用する方法があります。とはいえ、SNSや雑誌などで紹介される様子を見かけても「なんだか難しいのでは?」と思ってしまうかもしれません。実際、仕切りの使い方は多種多様で、収納場所や中身によって違うので、ご家庭に合った方法が見つかりにくいことも。

今回は収納の仕切りについて、基本の考え方をお伝えします。原理が分かると意外と簡単!ぜひお読みいただき、試してみてくださいね。

仕切ると、混ざらない。使いやすい。

そもそも、なぜ収納の中を仕切るのでしょうか。理由は、モノが混ざらないようにするためです。モノが混ざらなければ、使いたいモノを、使いたい時にサッと取り出せます。片づける時も、場所が決まっているとスムーズに戻せますね。

上の写真は、わが家の洗面所収納です。左側は「仕切りなし」のボックスにコンタクトレンズを、右側は「仕切りあり」のボックスにメガネやチューブ類などを立てて収納しています。コンタクトレンズは、ボックスの中身は全て同じ。どれかひとつを取り出せばいいので、混ざっても問題ありません。逆に、もし仕切りがあったとしたら手が入りにくくなり、少し取り出ししにくくなってしまいますね。

一方、右側のメガネやチューブ類は、色々な長さ、形、種類が入っています。ボックスの中にザックリ入れるとひっかかってしまい、サッと出し入れできません。特に小さいアイテムは埋もれてしまう恐れも。そういったことを避けるために仕切り付きのボックスを使っています。

もし何かを収納する際に「仕切りを入れるべき?」と悩んだら「使いやすくなるかどうか?」を判断基準にしてみてくださいね。過剰に仕切りを入れる必要はありませんが、混ざると困るもの、引っかかって出し入れしにくいものなどは、仕切りを入れた方が使いやすくなるはずです。

仕切る前に、まずは整理!

では、仕切り選びをする前に、まずはモノの整理が必要です。整理とは「分ける」ことです。一番簡単な方法は、使用頻度でモノを分けること。

よく使っているモノを「一軍」、たまに使うモノを「二軍」、全く使っていないモノや壊れたりして使えないモノを「戦力外」として分けてみましょう。これらが同じ空間にあり、ゴチャゴチャの状態で仕切りを使っても効果を発揮しにくいので、はじめにしっかり分けておくことがポイント。

まず「戦力外」はなるべく手放します。そして「一軍」と「二軍」が混ざらないようにします。特に、たまに使う「二軍」は、一軍と同じ場所になくてもOKということが多々あります。二軍アイテムをそのまま別の収納場所に移動させたり、一軍と同じ収納場所に置くにしても仕切りを使って混ざらないようにします。

よく使う一軍のモノを使いやすくするには、なるべく数を絞ってゆったり置くことをオススメします。この時に仕切りを使うとより効果が実感できるはずです。まずは整理から!やってみてくださいね。

引き出しの中は、ボックスで仕切る

ここからは、仕切りの基本について場所別にお伝えします。まずは引き出しの中です。

一番簡単な方法は、引き出しの中にボックスをそのまま入れること。お菓子の空き缶、空き箱、使っていない保存容器などがあればフタを取って代用できます。用意したボックスの中を更に仕切りたい場合は使い捨てコップなどを入れて代用してもいいですね。

家に余っている紙袋があれば、持ち手部分をカットして内側に折り込むと簡易的な仕切りボックスになります。高さも自由に変えられるのでオススメです。

大事なポイントは、仕切りはいきなりお店で買わず、まずは家の中を見回して代用品で試してみることです。元々、整理・収納・片づけが苦手の方、メジャーでの採寸に不慣れな方の場合「せっかく買ったのに使えなかった」という事態を防ぐことができます。代用品をそのまま使えたらOKですし、買うにしても、一度試してから買っても遅くありません。シミュレーションしておくと、サイズや素材などの条件が具体的になり「もっと長い方がいいかも」「深さは代用品と同じでOK」など、改めて買う時に失敗しにくくなります。

モノを立てたい場合は、頑丈な仕切りを

大きくて重いモノを立てて仕切りたい場合、L字のブックエンドやファイルボックスなどを活用します。元々、本や書類などの重さに耐えられるように頑丈に設計されているので、中身の重さに負けにくいです。

上の写真は、ブックエンドで冷蔵庫のポケットを仕切っている様子です。仕切りを入れたことで背が高い調味料ボトルが倒れにくくなりました。

上の画像は、わが家のフライパンとフタの収納です。無印良品の「アクリル仕切りスタンド 3仕切り」を2種類の幅で使っています。これは元々、机の上の本や書類などを整理するアイテムですが、フライパンのような大きなアイテムを立てることができます。

キッチンのシンク下の引き出しには無印良品の「ポリプロピレンファイルボックス・スタンダードタイプ・A4用」を並べて消耗品を収納しています。15cm幅、10cm幅と2種類あるので、中身に合わせて変えています。このように深さのある大きな空間は適宜ボックスで仕切ると小物を収納しても混ざりにくくなります。

この場合もいきなり購入するのではなく、できれば家の中にあるモノでシミュレーションした方が安心ですね。本棚や書類棚など、別の場所で使っているアイテムがあれば一時的に拝借して試してみましょう。

上下で仕切る場合は、コの字棚が便利

家の中で「ココにもう一枚、棚板があったらいいのに」と感じる場面はありませんか?空間を上下で仕切りたい場合は「コの字」の仕切り棚が便利です。好きな場所に設置できるので移動も簡単ですね。

上の写真は、わが家の食器棚です。無印良品の「アクリル仕切棚・小」を使って収納しています。お皿は重ねすぎると出し入れしにくいので、ある程度の枚数で分けておくと出し入れしやすくなります。

全く同じアイテムを玄関収納の子ども靴エリアにも使っています。子どもの靴は小さいので、上下に仕切ると空間の無駄がなくなります。

ただし、コの字の棚を選ぶ時は「高さ」に注意が必要です。置いた時に上の空間が狭すぎると、上段のモノの出し入れがしにくくなります。置くモノと出し入れするスペースの余裕を確保して選ぶと失敗しにくいですよ。

いかがでしたか?今回は「収納の仕切り」についてご紹介しました。適切な状態で仕切ることができたら、モノの出し入れがグッとラクになります。まずは普段よく使っている場所から試してみてくださいね!

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記事監修

水谷妙子|整理収納アドバイザー

無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。

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