ママに人気の管理栄養士に聞いた! 子どもの脳を育てるごはん3「脳にいい油を意識しよう」

管理栄養士の小山浩子先生に、子どもの脳を育てる食事について話を伺ってきました。

第一回 管理栄養士に聞いた! 子どもの脳をきちんと育てるごはんにはルールがあります。
第二回 管理栄養士に聞いた! 子どもの脳を育てるごはん2 もっと気軽に魚を取り入れよう!

さて前回、脂肪が脳の60%を占めるため、脳の健やかな成長のためには、良質な油であるDHAを摂取する必要性をお伝えしましたが、「脳によい油」がどのようなものなのか、もう少し詳しくお話したいと思います。

油というと、摂りすぎは体に良くない、控えなければならないもの、というイメージが強くないでしょうか?

実は、脳だけでなく、油は、人間の全身の細胞を覆う「細胞膜」の材料になる必要不可欠なものです。脳が大きく成長する幼児期に、DHAをしっかり摂取することで、脳細胞がやわらかくなり、脳の発達によい影響を与えるといわれています。

油(脂肪)は「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」の2種類に分類できます。

よい油の代表格であるDHAは「不飽和脂肪酸」です。そして、DHAと同じ働きをする、オメガ3(n-3)系脂肪酸の、α⁻リノレン酸の油が、脳によい油。アマニ油、えごま油、しそ油などがあります。

また、オメガ6(n-6)系の、リノール酸を多く含む、オリーブ油、紅花油、大豆油、ひまわり油、コーン油なども、不飽和脂肪酸です。

脳を固くする「トランス脂肪酸」には気をつけて 

では、脳によくない油とは、どんな油なのでしょうか。脳をやわらかくする油がよい油なら、よくない油は、脳細胞を固くしてしまう油=飽和脂肪酸です。

バター、ラード、肉の脂身などがこれにあたります。常温で固まっている油ですね。カレーやシチューのルウに含まれるのも飽和脂肪酸です。

ただし、これらの油もある程度は人体に必要です。食べ過ぎない程度にほかの食品を合わせてバランスよく摂れば問題はありません。

もっとも脳によくないのは、「トランス脂肪酸」です。脳に運ばれるとDHAの働きを邪魔して脳の働きを悪くすると言われています。

「トランス脂肪酸」を多く含む食品は、マーガリン、ショートニング、スナック菓子や菓子パンなど。

トランス脂肪酸の多量摂取が、血液中の善玉コレステロールを減らしてしまい、動脈硬化、肥満、免疫力の低下などの弊害を引き起こすことが問題になっています。近年、大手コンビニエンスストアが、自社製品のパンに対してトランス脂肪酸の低減に取り組み始めたことは、記憶に新しいところです。脳の成長期である幼児期には、特に控えたいものですので、よく覚えておいてください。

今回もDHAが手軽に摂れるレシピをご紹介します。朝ごはんに、おやつに最適です。

さばカレーは、もちろんごはんでも美味しいですよ!

・まぐろの照り焼きバーガー

子どもたちが大好きなバーガー。
かじきまぐろの照り焼きをサンドして
DHA豊富な一品に!

〈 材料 〉4人分
パン…4個
かじきまぐろ…4切れ
片栗粉…適量
A
しょうゆ…大さじ1強
みりん…大さじ1強
砂糖…大さじ1と1/3
サニーレタス…4枚
トマト…1個
マヨネーズ…適量

〈 作り方 〉
かじきまぐろはキッチンペーパーで表面の水分をふき取り全体にこしょう(分量外)をし、片栗粉をまぶす。フライパンにサラダ油(分量外)を熱して表面を両面焼き、合わせておいたAを加えて照りがでるまで煮からめる。パンにマヨネーズを塗り、照り焼きにしたかじきまぐろ、レタス、スライスしたトマトをはさむ。

【育脳point】
DHA豊富な魚の代表格、まぐろ。表面の水分をキッチンペーパーでしっかりふき取るのがポイント。魚の臭みがとれます。飲み物にははちみつを使用。砂糖よりも甘みが強いので、少量の使用で十分な甘みが出せます。

・さばとお豆のカレーパン

さばカレーはごはんにも合うので、
前日に多めに作って夕飯に。
カレー粉の風味でさばの臭みが消えます

〈 材料 〉4人分
ロールパン…8個
さばカレー(下記参照)…適量
ミニトマト…8個
レタス…適量

〈 作り方 〉
パンに切り込みを入れてバター(分量外)を塗り、さばカレーとレタスをはさみ、ミニトマトを添える。

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「前日に作っておくのがおすすめ!」
さばカレー

〈 材料 〉4人分
さばの水煮(缶詰)…1缶(200g)
ミックスビーンズ…50g
玉ねぎ(5・角)…1/2個
牛乳…100・
カレールウ(甘口)…20g
オリーブ油…小さじ2

〈 作り方 〉
さばは汁けをきり、キッチンペーパーでふいておく。フライパンにオリーブ油を熱し、玉ねぎを炒め、ミックスビーンズ、さばを加えてほぐしながら炒め、牛乳を加える。水分が蒸発してとろみがつくまで5分ほど煮たら、刻んだカレールウを加えて煮る。
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【育脳point】
キドニービーンズを始め、カラフルな豆には、たんぱく質やレシチンなどの豆の栄養とともに、あざやかな色に含まれる抗酸化成分が豊富です。ミニトマトにもリコピンやビタミンCなどの抗酸化作用があります。

記事監修

小山浩子|管理栄養士

大手食品メーカーを経て2003年にフリーに。料理教室の講師やメニュー開発、特に育脳レシピを数多く手がける。2014年『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(主婦の友社)で、グルマン世界料理大賞を受賞。著書に『子どもの脳は「朝ごはん」で決まる!』『かしこい子どもに育つ! 育脳離乳食』(小学館)など多数。最新著書は『やる気と集中力を養う3~6歳ごはん』(池田書店)。公式ホームページ

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撮影(子ども)/繁延あづさ 文/DAKKO編集部

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