春菊ってこんな食材
お鍋の恋人とも呼ぶべき冬野菜の春菊。鍋以外には、ごま和えなどでよく食卓に登場するのではないでしょうか。春菊の栄養素で特筆すべきは、β‐カロテンの含有量。その量は、同じく緑黄色野菜の小松菜よりも多いことで知られています。さらに生よりも茹でることでβ‐カロテンの量がアップ! 加熱向きのミラクル食材なんです。
新鮮な春菊の選び方
春菊を買う時にチェックして欲しいポイントは3つ。1つは、葉の緑が濃いこと。2つ目は、茎が太すぎず短いこと。3つ目は、切り口が変色していないものを選ぶのが鮮度を見極めるコツです。
常温保存はNG
常温放置はすぐに葉がシナシナになってしまうため、避けたほうが無難です。
春菊の保存方法
では、正しい春菊の保存方法を、冷蔵・冷凍・調理後の保存食として、3つのパターンでチェックしていきましょう。
冷蔵で保存
まず、春菊の茎を水に浸して十分に水分補給をさせること。きちんと水けを拭いたらキッチンペーパーでくるんでポリ袋に入れて乾燥を防ぎましょう。冷蔵室のドアポケットなどに立てて保存すると長持ちします。
冷凍で保存
冷凍保存する場合は、軽く塩茹でします。水けを絞ってラップで小分けにし、冷凍用保存袋に入れて冷凍を。春菊は加熱し過ぎると苦みが増すため、数十秒の加熱で十分です。
保存食として
春菊に多いβ‐カロテンは、脂溶性のため油との相性が抜群。旬の時期には、和風ジェノバソースを作ってみませんか? パスタや鶏肉料理などなど、手軽にレパートリーが増やせるのでおすすめです。冷蔵庫で約1か月は保存できるので、保存食にも最適です。
春菊の和風ジェノベーゼ
◆材料(作りやすい分量)
春菊…1束
ミックスナッツ(乾煎りする)…40g
マッシュルーム(茶)…1パック(約100g)
にんにく…1片
油…適量
塩、こしょう…各少々
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太白ごま油(オリーブオイルでも可)…1カップ
麦味噌(好みの味噌で可)…大さじ1
塩、白だし…各小さじ1
※白だしがなければ塩の量で調整してください。
◆作り方
【1】春菊は茹でて水けを切り、適当な長さに切る。マッシュルームは、薄切りにし、にんにくはみじん切りにする。
【2】フライパンに①のにんにくと油を入れて加熱し、にんにくの香りを引き出す。マッシュルームと塩とこしょうを加え、しんなりするまで炒める。
【3】ミキサーに②とミックスナッツ、Aの調味料をすべて加えて攪拌し、ペースト状になれば完成。
春菊の保存期間
春菊の各保存期間は、こちらから確認してください。
冷蔵で保存した場合
冷蔵庫で約1週間を目安に使いましょう。もしキッチンペーパーが濡れてきたら取り替えること。
冷凍で保存した場合
サッと塩ゆでして冷凍した春菊は、約1か月ほど冷凍可能。冷凍焼けする前に早めに食べ切りましょう。
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春菊は、β‐カロテン以外にもビタミンB群や葉酸も豊富。風邪予防や眼精疲労にも効果的です。賢く保存して、不足しがちな栄養素を補ってくださいね。
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・栄養士)
参考資料:日本食品成分表2019七訂