2歳の長女が弟を叩くようになってしまい、強く怒っては自己嫌悪に【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

2歳の長女が弟を叩くように。コロナ禍で家にいる時間が長くなったせい?

コロナ禍で、家で過ごす時間が増えたせいか!? 2歳の上の子が、7カ月の下の子を叩くようになりました。下の子が、上の子のおもちゃなどをさわると「ダメ!」と言って叩いたり、上の子がちょっとしたことでイライラすると、下の子に八つ当たりして叩いたり…。力加減がわからず思いきり叩くので怖いです。手を出すたびに止めて、言い聞かせてはいます。しかし「わかった!」と言うものの、すぐに繰り返すので頭にきます。この間はつい感情的になり、思わず上の子を「ダメでしょ!」と強く叱って叩いてしまい自己嫌悪に陥りました。(2歳10カ月の女の子&7カ月の男の子のママ)

「ごめんね」という気持ちを素直に伝えられたらそれで良し

あらあら、嫌になっちゃいますね。コロナ騒動で家の中で過ごす時間が多くなり、手が負えなくなる子も増えています。
お母さんも煮詰まった空気の中で、つい叩いてしまったのでしょう。でも理性を失い叩き続けてしまった訳ではないから大丈夫です。子どもを叩くことはけして良いことではありませんが、お母さんも追い込まれていたのでしょう。自己嫌悪に陥って、いつまでも罪悪感を引きずることはありません。「やりすぎちゃった、ごめんね」という気持ちを、子どもに素直に伝えられたら、それでいいです。

2歳はイヤイヤ期で自分本位。叱るだけでなく、安心感も与えてあげて

2歳は自分本位な時期です。上の子からしたら、下の子はお気に入りのおもちゃを勝手にさわるなど、ちょっと邪魔な存在だと思います。また下の子を叩くとお母さんに怒られ、「私はママに嫌われているのではないか!? そのうち見捨てられるのではないか!?」と不安を感じているかも知れません。

もし次、下の子を叩いたときは厳しい表情で「ダメ!」「やり過ぎ!」「ケガしちゃうよ」と言って、まずは子ども同士を離してください。その後に「〇〇ちゃん(上の子のこと)、大好きだよ」「〇〇ちゃん、大きくなったね」とぎゅっと抱きしめてあげてください。寝るときも、ぎゅっと抱っこしてから寝かせることを習慣にしましょう。

自我が強い子ほど、お母さんに嫌われることに不安を覚えます。また2歳ごろから始まるイヤイヤ期は、心が成長し自立心が芽生え始める時期ですが、お母さんから離れることに敏感です。そのためぎゅっと抱きしめて、安心感を与えてあげてください。
コロナ禍で子どもとずっと家にいるのは大変でしょうが、この状況は永遠に続くものではありませんよ。

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記事監修

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。

イラスト/海谷泰水

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