【カリスマ小学校講師が回答】子どもが時間を守れない、スマホを欲しがる…どうする?

時間や物の管理ができない子ども、自分で片付けができない子ども、スマホを欲しがる子どもに、親はどう接すべきなのか…。小学生を持つ親であれば誰もがぶつかるお悩みではないでしょうか。また、母子家庭(シングルマザー)であることが子どもに与える影響などを気になさっているママもいらっしゃることでしょう。そこで今回は、小学校教師として30年以上勤務され、保護者の育児相談に乗る『親塾』を主宰する、元カリスマ小学校教諭の多賀一郎先生に、小学生の子どもを持つママ・パパの悩みを相談&解決してもらいました!

時間の管理ができない子どもにどう接する?

お悩み:子どもが自分で時間を管理できない…

「何時になったら何をする」と決めても、全くその通りになりません。子どもが自分で時間を管理して行動するようになるには、どうしつけたらよいでしょうか? なにかコツがありますか?

回答:子どもと一緒にルールをつくりましょう!

まず、時間を守らせるようなルールは、子どもと一緒につくることが大前提です。一方的な親からの押し付けになっていると子どもは決まりを守りません。子どもが自ら守るようにするためには、「自分が決めた」という自覚が必要なのです。
子どもと一緒にルールを決めたら、ホワイトボードなどにルールを表にして書きましょう。ルールが守れたら○をつける欄もつくるといいですね。つくった表を、いつでも見られる場所に掲示します。

✔子どもが時間を守るルールの例

家に帰ったら→宿題をする
宿題が終わったら→ゲームをしていい(ママはなにも言わないこと)
8時になったら→ゲームをやめる

大人が約束を破ると、子どもはルールを守ろうとはしなくなります。さっさと宿題をすませてのんびりしているときに「もう少し勉強しなさい」と言われると、「約束が違う!」と思ってしまいますので、大人もルールを守るようにしましょう。

ものの管理ができない子どもにどう接する?

ランドセルの中を確認する小学生
ひと工夫でものの管理を上手に

お悩み:子どもがプリントをなくします

子どもが、ものをよくなくします。特に、大事なことが書かれたプリントをなくしてしまうことがよくあり、本当に困ります。子どもがものをなくさないようにするために、 何かできることはあるでしょうか。

回答:お気に入りのクリアファイルで管理させてみては?

プリントをなくさないためには、A4サイズのクリアファイルを用意してください。クリアファイルは、子どもが気に入るような(学校で問題にならない程度の)絵や写真つきのものがおすすめです。これを持たせて、全ての提出物と配付物を必ずそこに入れさせることを徹底してみてください。

家に帰ったら、すぐにファイルをランドセルから出して机に置かせましょう。そうすれば、ランドセルの奥にプリントの塊がずっと残ったままというようなことが少なくなります。提出するものも同様に、同じファイルに入れる癖をつけます。学校に着いたら必ずランドセルからそのファイルを出して、必要なものを提出することも、徹底させるようにしてください。

母子家庭(シングルマザー)は我が子にどう接する?

お悩み:母子家庭(シングルマザー)はハンディキャップになりますか?

うちは母子家庭です。そのことが子どものハンディキャップとなるのではないかと心配しているのですが…。

回答:一人親であることはまったくハンディではありません

両親がそろっていても、荒れている子どもは、山ほどいます。一人親であることはハンディではありません。親の苦労する姿を、子どもは見て育つのです。片親であること自体は、決してマイナスには働きません。人生の初期にハンディに見えるようなことは、大人になったときに、武器に変わります。
ただ、片親の場合、親自身がどうしても一人で母性と父性を兼ねようとして、無理をしてしまうケースが見受けられます。祖父母や友人など、身近なだれかの力を借りると楽になります。がんばりすぎないようにしてください。

スマホを欲しがる子どもにどう接する?

子どもにスマホの使い方を教える父親
家庭でネチケット教育(情報モラル教育)を!

お悩み:子どもにスマホを持たせるべきでしょうか?

うちの子にはスマホを持たせていません。ですが、「周りの友達がLINEをやっているから、自分もスマホが欲しい」とせがまれています。どうしたらよいでしょうか。

回答:スマホを持たせる時期はできるだけ遅いほうがいい

SNSは、情報モラルを理解していない子どもにとって危険なものです。LINEは特に秘匿性があるので、いじめの温床になることもあり、我が子が被害者にも加害者にもなり得ます。ただスマホを持たせるだけということはしないで、ネチケット教育(情報モラル教育)をしなければなりません。家庭では難しいので、ネチケットのサイト(「ネチケット」で検索するとたくさんのページが出てきます)を子どもと一緒に閲覧して、話し合うなどしてみるといいでしょう。スマホを持たせる時期はできるだけ遅いほうがいいのですが、いつかは持たせないとは言えなくなります。それならば、きちんと使い方や情報モラルも考えさせるようにしましょう。

参考書籍「小学生保護者の心得 学校と一緒に安心して子どもを育てる本」

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「小学生保護者の心得 学校と一緒に安心して子どもを育てる本」について

30年以上の現場経験を経て、全国で教員育成&保護者相談にあたる著者が、現代の小学生保護者が幸せな子育てをするために必要な知恵を伝授。読めば読むほど、子育ては「学校と一緒にできる」ということに気がつき、子育てに閉塞感を感じている人はそこから解放されていきます。新一年生の保護者はもちろん、どの学年であっても、いま心の中にある不安を解消する手立てが見つかる本です。

「小学生保護者の心得 学校と一緒に安心して子どもを育てる本」著者・多賀一郎プロフィール

多賀一郎(たが・いちろう)
追手門学院小学校講師。神戸大学附属住吉小学校を経て私立小学校に30年以上勤務。「親塾」を各地で開いて保護者の相談に乗ったり、公私立小学校で指導助言や全国でのセミナーを通して教師を育てることにも力を注いでいる。
多賀マークの教室日記

 

文・構成/HugKum編集部

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