例年以上に猛威をふるっているインフルエンザ。例年12~3月ごろにかけて流行します。潜伏期間や初期症状、熱や咳などの症状を把握しておきたいですね。また、インフルエンザの予防接種を受ける間隔や回数、インフルエンザの検査内容や受けるべき時期、料金も知っておきたいところです。さらに、抗インフルエンザウイルス薬やタミフルの効果、インフルエンザの予防法や対処法など、子どものインフルエンザ対策をおさらいします。
子供のインフルエンザの症状
子供のインフルエンザの発症までの潜伏期間や初期症状、発症後の発熱や頭痛、咳などの症状を知りましょう。
潜伏期間
インフルエンザの潜伏期間は極めて短く、最短16時間から最長5日で、2~3日がもっとも多いとされています。ウイルスの増殖速度早いため、潜伏期間は短くなります。
初期症状
一般的な風邪の初期症状と違い、インフルエンザは急激に症状が進行します。くしゃみ、鼻水、喉の違和感を感じたらすぐに発熱することが多いです。また、頭痛、筋肉痛などの痛みと全身に倦怠感がみられます。
熱が出る、熱が下がらない
インフルエンザの熱は、発症から1~2日程度で38~39度にまで上昇、3日目頃に少し下降し、4~5日目あたりに再び上昇する場合が多く、このような症状は特に小児に多いと言われています。
熱があるのに元気な子供
子供は大人と比較して、高熱が出やすいと言われています。大人ならぐったりするような高熱でも、子供は元気という場合もあります。しかし、元気だから大丈夫というわけではありませんので、注意が必要です。
咳が出る、咳がひどい、咳が止まらない
インフルエンザ発症から、時間の経過とともに咳が出始め、徐々にひどくなっていく場合があります。また3日目頃は、咳により唾液が飛沫するため、感染力が高まる時期とされています。
肺炎の併発
子供の免疫力が低下している場合は、肺炎を併発するなどの重症になる可能性もあります。十分に気を付けましょう。
子供のインフルエンザの予防接種
子供のインフルエンザを防ぐために、適切に予防接種を受けましょう。
1回でいいの?予防接種を受ける間隔、回数
子供がインフルエンザの予防接種を受ける場合は、2回接種が基本。初回から2週間たてば2回目の接種ができますが、約4週間あけて2回目を接種すると予防効果がもっとも高まります。
詳しくは「子供のインフルエンザ、症状や薬、予防接種について小児科医が解説!」をチェック!
予防接種の料金
地域の医療機関、かかりつけ医などでインフルエンザの予防接種を受けることが出来ますが、自治体によって期間や費用は異なります。また子供の場合は、費用の一部助成や無料化を行っている自治体もあります。
ちなみに、「2018~2019年インフルエンザ予防接種 全国&都道府県別 平均価格(QLife)」によると、成人1回目、税込み、公的助成なしの場合の全国平均は3,529円となっています。
インフルエンザの予防接種が可能な医療機関や地域での取り組みについては、地域の保健所、医師会、医療機関、かかりつけ医などに問い合わせましょう。
予防接種を受けそこねたら?
接種が勧められている時期というのは、その病気を予防するのに適している時期だということ。時期を逃したからといって、予防効果が得られないので、子どもを病気から守るためにきちんとワクチン接種を受けておきましょう。
詳しくは「受けそこねた予防接種ワクチン、遅れても接種すべき?効果はある?【小児科医監修】」をチェック!
子供のインフルエンザ検査について
子供がインフルエンザかな?と思ったら、インフルエンザ検査を受けましょう。
検査の内容
病院では、綿棒で鼻の奥の粘膜をとる検査を行います。検査の結果は15分ほどでわかります。
詳しくは「子供のインフルエンザ、症状や薬、予防接種について小児科医が解説!」をチェック!
検査はいつ受けるといい?
インフルエンザかな?と思ってすぐに受診すると、発症のタイミングによっては検査結果が陰性になり、また翌日病院へ行かなくてはならないことも。熱があってもけいれんを起こしておらず、意識がはっきりしているのであれば、家で半日くらい様子を見てから病院へ連れて行くのがよいでしょう。
詳しくは「インフルエンザ&冬の病気のキホン!予防接種や治療、かかったときのホームケアまで」をチェック!
検査の料金
地域の医療機関、かかりつけ医などでインフルエンザの検査を受けることが出来ますが、自治体によって期間や費用は異なります。また子供の場合は、費用の一部助成などを行っている自治体もあります。
インフルエンザの検査が可能な医療機関や地域での取り組みについては、地域の保健所、医師会、医療機関、かかりつけ医などに問い合わせましょう。
子供のインフルエンザの薬
子供のインフルエンザの薬は、医師の指導のもと、適切に服用しましょう。
タミフルのほか、どんな薬があるの?
インフルエンザの薬は、抗インフルエンザウイルス薬などがあります。種類は、リン酸オセルタミビル(商品名「タミフル」など)、ザナミビル水和物(商品名「リレンザ」など)、塩酸アマンタジン(商品名「シンメトレル」など)があります。
抗インフルエンザウイルスの服用時期
抗インフルエンザウイルスを投薬する適切な時期は、発症・発熱から48時間以内とされています。それ以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。効果的な使用には用法、用量、期間(服用する日数)を守りましょう。
抗インフルエンザウイルス薬の効果
適切な時期から服用を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排泄量も減少します。
抗インフルエンザウイルス薬の効果は、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や病状により異なるので、使用の有無は必ず医師の判断に従いましょう。
子供が薬を飲まないときは?
血中濃度を一定に保ち、効果を持続させるために、薬の種類によって服用の回数が決められています。「1日3回服用」とされている場合、きっちり8時間おきに飲ませなくても、3~4時間以上間隔をあけて飲ませるようにするとよいでしょう。
詳しくは、「みんな知ってる?子供の飲み薬、飲ませ方の注意って?【小児科医監修】」をチェック!
薬の適切な量は?
子供の薬は、用量を守って服用をさせましょう。「3回に分けて飲むべき1日分の薬を2回に分けて飲ませる」などは避け、1回分の用量は必ず守ります。
詳しくは、「みんな知ってる?子供の飲み薬、飲ませ方の注意って?【小児科医監修】」をチェック!
子供のインフルエンザの予防法
インフルエンザなど感染症のうち、薬で病気そのものを治せるのはごく一部です。多くの場合は薬でつらい症状をやわらげながら体の回復を待つことになります。ウイルスや細菌に負けないよう、日頃から体の免疫力を高めたり、感染を予防することが重要です。
ビタミンDを取る
日本人研究者によって行なわれたビタミンDとインフルエンザの感染の調査によると、ビタミンDを摂取している人ほど、インフルエンザの発症リスクが低くなることがわかりました。特に、オススメはお鍋。魚類やきのこ類は、無理なくビタミンDを摂取することができるので、これからの季節におすすめのビタミンDメニューです。
詳しくは「ビタミンDを摂取すれば、インフルエンザ対策に有効!ビタミンDが摂れるおすすめレシピも」をチェック!
腸内環境を整える
感染源に接触してしまっても、感染する人もいれば感染しない人もいます。かかっても症状が軽症ですむ人と重症化する人がいます。これはその人がもつ免疫力によって違いです。免疫力をアップするためには、まず腸内環境を整えること。腸内環境を整えるために、食物繊維を積極的に摂取しましょう。
詳しくは「感染症予防のカギは「腸内環境」。免疫力UPがかなう【蒸し大豆レシピ】とは!?」をチェック!
1日4回歯磨きをする
インフルエンザの予防と言えば、まず「手洗いとうがい」と言われますが、デンタルケアも効果的です。口腔内の細菌が出す酵素(ノイラミニダーゼ、プロテアーゼ)が多いとインフルエンザウイルスが増殖しやすくなるそう。そのためインフルエンザ流行期は、1日4回の歯磨きとデンタルフロス(歯間磨き)をするのが効果的だそう。こまめな口腔ケアが予防につながります。
詳しくは「うがいは効果なし!?家族を守るインフルエンザ予防・新5大習慣!」をチェック!
子供のインフルエンザの対処法
いろいろな予防策を実施していても、かかってしまう場合があります。では、かかってしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
家族にうつらないようにする
寝室を別々にしたり、看病をする人は、マスク・手洗い・うがいを徹底しましょう。家族に高齢者がいる場合は、子供のインフルエンザがうつった場合に重症化しやすいので、特に気を付ける必要があります。高齢者にインフルエンザにかかった子供の看病をお願いするのは避けましょう。
詳しくは「インフルエンザ&冬の病気のキホン!予防接種や治療、かかったときのホームケアまで」をチェック!
水分補給をする
食事がとれないときは経口補水液を飲ませ、こまめに水分補給をしましょう。寒がっているときはたくさん着せてもよいですが、反対に暑がっているときは薄着にして布団をかけすぎず、快適に過ごせる室温に調整することが大切です。
詳しくは「正しい知識とホームケアが大切! インフルエンザ&冬の病気」をチェック!
保育園・幼稚園の登園は?
インフルエンザにかかってしまった場合(発症した日を0日と数え)、5日を経過し、かつ解熱後3日を過ぎるまで保育園・幼稚園は出席停止となることが学校保健安全法施行規則で決められています。
詳しくは「幼児のインフルエンザで知っておきたいこと。予防接種や高熱の対処法、登園のルールなど【国立国際医療研究センター監修】」をチェック!
最後に、子どもが集団生活をしていなくても、大人がウイルスを家の中に持ち込む場合も想定し、祖父母など子どもの世話をお願いする人も含めた家族全員での接種をおすすめします。また、他の人にうつさないためにも、外出などを控え、無理をしないことが大切です。
関連リンク
浜松医療センター
今冬のインフルエンザ総合対策について(厚生労働省)
2018~2019年インフルエンザ予防接種 全国&都道府県別 平均価格(QLife)