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子どもに五月病? 新年度は注意が必要!
五月病とは5月ごろに見られる一過性の心の病気で、発症年齢は18歳ごろからです。
「新しい環境に馴染めない」「新しく人間関係を築けない」「新しい環境で理想と現実のギャップを感じる」などの悩みから、
①ネガティブな思考になる
②思考力・集中力の低下
③やる気が起きない
④だるい
⑤頭痛・腹痛
⑥食欲低下
⑦眠れない
などの症状が現われます。
なかには「子どもでも五月病になるのでは?」と思うママ・パパもいるかもしれませんが、子どもの場合は五月病とは言いません。理由は、子どもたちは春先だけでなく、通年「環境に馴染めない」「人間関係が築けない」などで悩んでいるためです。
とくに環境が大きく変わる新年度は「新しいクラスに馴染めない」「新しく友だち関係が築けない」など悩むことが多いので注意が必要です。最近の子どもたちは“ぼっち(ひとりぼっち)”を過剰に怖がる傾向があります。
子どもの心の不調に早く気づく8つのサインとは!?
子どもは、学校や友だち関係などで嫌なことがあったり、悩んだりすると、比較的SOSサインを出します。次のようなサインが見られたら注意が必要です。日ごろから、子どもの様子をよく見て、なるべく早くSOSサインに気づいてあげましょう。
【子どもの心の不調に気づく8つのサイン】
□ 朝なかなか布団から出ない
□ 食欲がない
□ イライラしやすい
□ 泣くことが多くなった
□ 眠れない
□ 頻尿、おもらしをする
□「おなかがいたい」「気持ちが悪い」など体調の不調を訴える
□ 体調の不調を理由に早退する
1つでも該当したときは、「どうしたの?」と優しく声をかけて、子どもの話をじっくり聞いてあげましょう。正論で諭したり、頭ごなしに怒ったりするのは絶対NGです。
子どもに解決策を考えさせ、ストレスを乗り切る術を身につけさせる
心の不調は再発することがあります。そのため上で紹介した【子どもの心の不調に気づく8つのサイン】が見られたら、どんなときに・どんな症状が出たか覚えておいてください。
放っておくと中学、高校、大学、社会人になっても同じような場面で再発することがあるので、小学生のうちから自分でストレスを乗り切る術を身につけさせましょう。こうした術を身につけておくと、将来、ストレスと上手につき合えるようになります。
ポイントは次の2つです。
【ストレスを乗り切る術を身につけるポイント】
□【子どもの心の不調に気づく8つのサイン】が見られたら、「何ができるかな? 自分で1つ考えてごらん」と言って、解決策を子ども自身に考えさせる。子どもの意見をできるだけ尊重する
□ 心の不調は、寝不足が原因のこともあるので、早寝早起き、3食きちんと食べて、規則正しい生活を送る
解決策を子どもに考えさせると、いろいろな意見が出てくると思います。なかには「学校に行かない!」と言うこともあるでしょう。「学校に行かない!」と言う場合は、その決断に至った理由を聞いて、休むことを認めてあげてください。
ただし学校にいる時間帯はゲーム、動画、テレビ、マンガなどは短時間でも禁止です。学校でしてはいけないことは家庭でも禁止にしてください。1日中好きなときに、好きなだけゲームをしたり、動画を見たりできると、ますます学校を休みがちになります。
学校に行っている時間帯は、家庭で読書をしたり、絵を書いたり、勉強をしたりして静かに過ごしてください。大抵の子は飽きて、自分から学校に行くようになります。
また心の不調が続くなど、家庭では解決できないときは、小児心療内科がある小児科や子どもの心の相談機関で相談を。相談先がわからないときは、スクールカウンセラーに聞くといいでしょう。
過干渉だと、子どものことで親が五月病になることも
新年度は親も「担任の先生はどんな人?」「新しいクラスは、どんな感じ?」など知りたいことがいろいろあると思います。しかしママ・パパからの何気ないひと言が、子どもを追い込むことも。とくに新学期はその傾向が強いです。
友だちができなくて悩んでいるときに、学校から帰ってくるたびに親から「今日は、誰と遊んだの?」「学校から、誰と帰ってきたの?」「友だちできた?」など質問されると、子どもはどんどん追い込まれてしまいます。親の過干渉が原因で、心の不調を引き起こすこともあります。
また過干渉で子どもと一心同体の親は、新学期に友だち関係などがうまくいかないと、親自身が落ち込んでしまい、ママ・パパが五月病になることもあります。
①イライラしやすい、②食欲がない、③眠れない、④ネガティブになりやすいなど、「最近、おかしいな…」と思ったら、大人でも小児心療内科がある小児科を受診して構いません。悩みの原因が子どものことなので診てくれるでしょう。
子どものメンタルヘルスは、親の心の状態と大きく関係します。ママ・パパの心がおだやかで、見守ってくれているという安心感があると、子どもの心も安定します。
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記事監修
取材・構成/麻生珠恵