子どもの「食育」は頑張らなくてOK!外食・お惣菜・インスタントでできる食育アイデア教えます。

「食育」は大切な気がするけれど、何から始めたらいいのかわからないって言う声をよく耳にします。また「一緒に料理をしなければいけないのでしょう?」「好き嫌いを克服させなければいけない!」など、難しいと思われがち。そこで、キッズ食育トレーナーとして「食育」のハードルを下げる3つのアイデアをご紹介します。

小学校1年生と3年生の男の子の母で、(社)日本キッズ食育協会・キッズ食育トレーナーの石井です。

今回は、家庭でもカンタンにできる、子どもへの食育方法についてお話をさせて頂きます。

子どもの食育ってなんだろう?

毎日ある、ごはんの時間。

「ごはんできたよー!」

と呼んだら、

「今日のごはんはなにー??」

と子どもが笑顔で食卓に集まってきてくれたら、忙しい朝も、疲れている夜も、お母さんの頑張る活力になりますよね。

食育とは

平成17年に制定された「食育基本法」では、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとしています。

更に、子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。と言われるようになりました。

(社)日本キッズ食育協会は、「子どもの食育」に特化し、食育を、「生きる土台づくり」と位置づけ、食を通し、子どもの人間力を高めるお手伝いをしています。

親は「料理作り」を頑張らなくていい

「子どもの食」が大切だと感じているからこそ、日々お母さんは頑張ってしまうのですが、子どもの食育の最初の基本は、「おいしいね」と顔を見合わせて食べるところからスタートしてほしいと思っています。

お母さんに話を聞いてほしい子どもを待たせて、料理を頑張るよりも、ちょっと工夫をして子どもの話に耳を傾けられたら、きっとお子さんもお母さんも和やかな時間が過ごせると思います。

頑張らなくてもできる食育アイデア3選

食育は難しい。と感じる理由の一つに、食育=料理をするというイメージがあるかもしれません。

けれども、子どもの食育=生きる土台作りと考えると、日々のお子さんとの生活や遊びの中にたくさんの食育アイディアが眠っているのです!

今回は、私も実践している遊びや、日常の生活の中でもできる食育のアイディア【お絵描きで食育】【スーパーマーケットで食育】【惣菜でもインスタントでも外食でもできる食育するチャンスはたくさんある】の3つをご紹介します。

「お絵描き」で食育

「バナナを描いてみよう!」と提案してみてください。

もしかしたら、黄色のクレヨンや色鉛筆を手に取り、バナナを描いていくかもしれません。

そこで「いいおめめでよく観察してみて」と一言伝えると、子どもたちは、シュガースポット(黒い斑点)や、付け根部分の硬い部分に気が付いたり、黄色だけではなく、少し緑がかっていることにも気づいてくれることがあります。

普段何気なく食べているバナナをじっくり観察することは、集中力が付きますし「このバナナは甘そうだね」「おさるさんが食べるのかな」「南の島からきたのかな」そんな微笑ましい想像力も自然と育まれます。

触ると「柔らかいかな?」「匂いはどうかな?」など五感を刺激する声掛けをしながら、ぜひお子さんと食材をテーマにしたお絵描きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ここが食育に!

・集中力や想像力を育むチャンス。
・遊びの中で取り入れられる。

「スーパーマーケット」で食育

お母さんの余裕があるときはぜひ、お子さんとお買い物に一緒に行ってみてください。スーパーでも食育のチャンスはいっぱいあるのです。

普段、料理を作ってくれる人への感謝の気持ちはわかりやすいものですが、スーパーは、食べ物の背景をもう一歩踏み込み、売ってくれる人、運んでくれる人、作ってくれている人がいるということを感じることができる場所でもあります。

「〇〇ちゃんが美味しそうと思うキュウリを選んでほしいな」その一言で、お子さんはワクワクでいっぱいになります。「鮮やかな色の方がいいのかな」「真っすぐなキュウリが良いのかな」「ぼこぼこしているキュウリが良いのかな?」真剣にキュウリを選んでくれるのです。

「自分で選んだものを家族が食べるんだ!」という責任感や、「自分で決めた」という満足感を得ることもできます。「○○ちゃんが選んでくれたキュウリだから美味しいね!」そんな一言とともに食卓を囲めたらとっても素敵ですね。

ここが食育に!

・「ありがとう」の気持ちを育むチャンス。
・「〇〇ちゃんが選んでね」で芽生える責任感と達成感。

「惣菜でもインスタントでも外食でも」食育

「手作りがいい」「外食は良くない」という考え方は時にお母さんを苦しめる可能性があります。

もちろん手作りできることは良いことかもしれません。ですが、惣菜や外食だからこそ、お子さんの「生きる土台づくり」ができることもあるのです。

例えば、スーパーで買ったポテトサラダ。「このサラダにはどんなお野菜がかくれんぼしているでしょうか!?」そんなクイズだけでも、お子さんは大盛り上がりです。「にんじんがあったよ!」「きゅうりがあるよ!」「ハムは……野菜じゃないか!」など、普段何気なく食べているポテトサラダも、食材に注目して食べるとまた違った楽しみがあります。

「こんなにたくさんのお野菜が入っているポテトサラダはとってもいいね」そんな会話は、正しい食を選択する力を育むことにもつながっていくと思います。

ここが食育に!

・子どもはクイズが大好き!クイズで食卓を盛り上げよう。
・正しい食を選択する力を育むきっかけづくりに。

食育は、子どもの生きる土台づくり

食育は難しくなくていいのです。「おいしいね」「楽しいね」と食卓を囲むために、お母さんの肩の力をちょっと抜いて、料理や手作りにとらわれず、日常の生活の中で楽しく食に触れる時間をお子さんと過ごしていただけると嬉しいです。

この記事を書いたのは…

石井千賀子|キッズ食育トレーナー/青空キッチン大田区久が原校主宰/薬剤師
東京都大田区在住。2児(小3・小1)の母。
出産後、薬剤師として医療に携わる中で、子どもたちの心身の不調が増えていることに気づく。また、自身の子どもの喘息・アトピー性皮膚炎など、子どもの健康に不安を感じることが増えた。どうしてなのかと考え着いた先は、体を作る土台となる「食」。たくさんのことに興味関心をもつ幼児期に「食選力」を身につけ、自分の身体、そして将来、大事な人の身体も大切にできる大人になってほしい。その想いで、キッズ食育トレーナーとして青空キッチン、食育イベントを大田区を中心に開催している。

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