みんな初心者・未経験なのに広報誌が出せる理由
保護者同士のやんわりとした譲り合いの中でPTAの広報委員になり、経験もない広報誌づくりに回された皆さん、ちょっとしたパニックになっているところかもしれません。
しかし、ちょっと想像してみてください。そもそもの話として、PTAの広報誌づくりはどんな人が一般的に担当しているのでしょうか。
全国的な調査をしたわけでもないのであくまでも推測にすぎませんが、「普通の」パパ・ママが基本的には担当しているのではないでしょうか。
この場合の「普通」とは、紙媒体の広報誌を仕事や趣味の延長でつくった経験のない人たちという意味です。
地域の印刷会社が広報誌づくりをサポートしてくれる
筆者の暮らす自治体のPTA連合会が発行した『優秀広報誌集』には、
<プロのカメラマンや新聞記者、雑誌編集者に印刷会社などの業務をすべて引き受けてしまったような不安や焦り>
(富山県PTA連合会『優秀広報誌集』より引用)
が広報委員に対する「大変さ」として書かれています。「分かるー」といった感じではないでしょうか。
しかし、広報委員になってから前任者に聞いた話によると、筆者の子どもの通う小学校(地方の公立小学校)で広報誌づくりを担当してきた人たちの多くは、雑誌づくりや新聞づくりなどに仕事で携わってきた人たちではないみたいです。
では、そんな初心者が中心なのに、PTA広報誌をなぜ毎年欠かさずつくれるのでしょうか。
その理由は、広報誌を印刷する地域の印刷会社が、広報誌づくりの大部分をサポートしてくれるからですね。
印刷会社は頼れるパートナー
PTA広報誌づくりにおいて地域の印刷会社は頼れるパートナーです。困った時はなんでも(お金を払えば)助けてくれます。極論を言えば、スマホで写真を撮り、それなりの日本語で文章を用意できれば、残りの誌面づくりを全面的にサポートしてくれます。
「印刷会社」の名前から考えると誤解してしまいがちですが、印刷会社は「印刷するだけ」の会社ではありません。印刷物のレイアウト&デザイン、文章のチェックなどもやってくれるところがほとんどです。
「経験がなくてどうしよう」と思っても、とりあえず印刷会社がいればPTA広報誌づくりはなんとでもなるのですね。
印刷会社に知り合いなんていなくても大丈夫
「そもそも印刷会社なんて知らないし」と不安に感じるパパ・ママも大丈夫です。お子さんの学校のPTA広報誌をこれまでにつくってきた印刷会社の担当者を、前任者がきっと知っています。
「InDesign」だとか「オフセット印刷」だとか「カンプ」だとか「組版」だとか、印刷や誌面づくりに関する専門用語も不要です。印刷会社の担当者は知らないなりに皆さんをリードしてくれます。印刷会社にとって、PTA広報誌づくりの広報委員は大事な「お客さん」ですからね。
おおよそのスケジュールを教えてもらう
年間で何回広報誌を出すのかをPTAの前任者に聞いたら、印刷会社の担当者の連絡先も教えてもらって、○○月ごろに広報誌を出したいと挨拶がてら連絡を入れてください。
印刷(発行)日から逆算して、いつまでに原稿と写真が必要か、おおよそのスケジュールを教えてもらえます。そのスケジュールがあれば、広報委員としては1年を通じて何月ごろに企画を会議して、何月ごろに取材すればいいのか整理できます。
PTA広報誌づくりの教え:印刷会社さえ決まっていれば広報誌づくりはなんとでもなる
年間の見通しが立つだけでも大いに安心できますよ。
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構成・文/坂本正敬
【参考】
※ 富山県PTA連合会『富山県小・中学校PTA広報誌コンクール 優秀広報誌集』