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子どもの自律神経を整えるためには、どうすればいい?
食欲は視床下部にある満腹中枢と摂食中枢によってコントロールされています。視床下部は交感神経・副交感神経の分泌を調整することによって正常が保たれているので、食欲がわかないということは、この調整がうまくできていない、つまり、自律神経が乱れている可能性があります。
一日の食事の中で最も重要な朝食で、どんなものを、どんなふうに食べているかによって腸内環境のよしあしも変化。腸内環境を整える食事で大切なのは、昔ながらの和食を心がけることなんです。
そして、冷たいものを食べ過ぎないこと、食べ物をしっかりかむことも大切。具体的にどのようなことを習慣にすればいいか見ていきましょう。
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朝1杯のみそ汁が元気の源に
朝ごはんをあまり食べない、食がなかなか進まないという子どもにおすすめしたいのがみそ汁。たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど10種類以上の必須アミノ酸が含まれている、いわばスーパーフードなんです。
朝からみそ汁を作るのはめんどうなことにも感じられますが、具なしで、お湯にみそを溶かしただけのお茶感覚でも十分です。
また、みそには冷えを改善する効果もあるので、冷え性に悩む大人にもおすすめ!
★ みそをお湯で溶かしたものでもOK!
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夕食は“食べさせたいもの”から食卓へ
ハンバーグ、サラダ、みそ汁、ごはんを一気に食卓に並べると、だいたいの子どもは好物のハンバーグから食べ始めるもの。最後に苦手なサラダが残るけれど、おなかがいっぱいで食べられない……なんてこと、よくありますよね。同じものを食べることが多い朝食、ワンプレートになりがちな昼食はいいとして、おかずや副菜が分かれている夕食をひと工夫!
おなかがペコペコで食卓についた子どもに、まずはみそ汁や納豆など、食べて欲しいものから出しましょう。“空腹は最高の調味料”なんて言葉があるように、今までなんとも思っていなかった食べ物のおいしさに気づくチャンスにもなります。
★ 夕食は野菜や納豆から食卓へ!
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冷たいものはあたたかい場所で食べよう
夏になると、エアコンが効いた涼しい部屋で冷たいアイスクリームを食べるのが習慣のご家庭も多いかもしれません。ただ、涼しい部屋で冷たいものを食べると、急激に内蔵が冷えることで血流が悪くなり、自律神経の乱れを引き起こす一因に。
「アイスはNG」ではないですが、ベランダや外に出るなど、食べる場所に配慮することが大切です。
また、暑がりの子は、体内の熱を発散させるために本能的に冷たい食べ物を選ぶことも。手足やほおをさわってみて、汗をかいているのに冷たかったら冷え性、あたたかかったら暑がり体質と思ってください。
★アイスを食べるなら暖かい場所で
発酵食品を食べてハッピーホルモンを出す
「腸は第二の脳」といわれるように、腸と脳は密接に関係しています。食で腸内環境をよくするためにとても効果的なのは、納豆やみそ、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に食べること。便秘が改善され、代謝や血流もアップするなど利点がたくさんあります。
それ以外にもセロトニンやドーパミンなど、脳から出るとされているハッピーホルモンの9割は腸で作られています(残りの1割は脳)。腸の調子がよくないと、連動して脳のホルモン分泌もよくならないので、大人だったらネガティブな気持ちになったり、落ち込んだりします。子どもだったら、グズグズしたり、イライラしたりという症状であらわれます。
★ 発酵食品でイライラ・グズグズ改善
“黒ごま塩”をごはんにふりかける
体をあたためたり、集中力を高めるといわれる玄米は、自律神経が乱れがちな大人はもちろん、子どもにもおすすめです。ただ、毎日食べるのはなかなか難易度が高いですよね。そんなとき、玄米と同じくらい栄養価が高く、より食べやすいのが黒ごま塩。
作り方は簡単! すった黒ごま8:天然塩2の割合で混ぜてごはんにかけ、ふりかけとして食べさせるだけ。黒ごまには抗酸化作用があり、免疫力アップ、便秘にも効果的です。さらにビタミンEや鉄分も豊富。また、精製されていない天然塩はミネラルもたっぷり含まれています。この魔法のふりかけを味方にすれば、簡単に栄養を摂取することができます。
★ 黒ごま塩ONで免疫力アップ!
毎日の食事をちょっと工夫するだけで自律神経が整う
毎日の食生活の中で意識すればするほど、自律神経のバランスが改善します。いつもの朝ごはんにちょっと足してみる、おやつの内容を少し見直してみるなど、ちょっとしたことで自律神経が自然と整う食生活を送ることができるので、まねできそうなことから実践してみてくださいね!
1,430円 主婦の友社
小児科医、発達脳科学者の成田奈緒子先生と、内科医、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生が監修。普段の生活に取り入れやすい子どもの自律神経をととのえるための習慣を紹介しています。
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文/本間綾