「親の英語力は関係ない」英語絵本アドバイザーが教える、家庭でできる「英語育児」とは? 

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お子さんに英語を話せるようになってほしいと考えているパパママは多いのではないでしょうか。そんな方におすすめしたい方法の一つが、家庭でできる「英語育児」。

今回は英語絵本アドバイザーの平松あざれさんにインタビューしました。

「英語育児」とは? どうやって始めるの?

英語育児といわれても一体何をすればよいのでしょうか?「親の英語力が高くないと無理?」「小学生にはもう遅い?」
これから英語育児を始めたいパパママへのアドバイスや環境作りについて、英語絵本アドバイザーの平松あざれさんにうかがいました。

お話をうかがったのは

平松あざれさん

福岡県出身。東京都に16年間住んだのち、20183月末より 大分県大分市に移住する。 20198月に自宅講座のできる絵本ハウスが完成。 20206月よりオンラインセミナーを開始。現在、英語絵本の講座や性教育講座を開講中。 20211月より、おうち英語をしているご家庭向けのオンライン コミュニティ「絵本と暮らす会」を始動。 NPO法人「絵本で子育てセンター」絵本講師 10歳の娘(小学4年生)と3歳の息子(年少)を子育て中のママ。日英絵本を4,000冊以上所有し、日英絵本について日々研究中。講座はこれまでに3000人以上が受講し、インスタグラムのフォロワーは19千人。

インスタグラム https://www.instagram.com/azalea.violet_ehon/

――そもそも「英語育児」とは何ですか?

英語育児とは英会話スクールなどに子どもを通わせるのではなく、家庭内で英語環境を作ることにより英語の習得を目指すものです。

そのなかでも私は絵本の読み聞かせを活用し、英語が当たり前になる環境づくりを提案しています。

9歳の頃、ハリー・ポッターの洋書を読んでいた娘さん

私は娘(現在小4)が生後10ヶ月の頃から取り組み始めました。娘は小2の頃にはハリーポッターを原書で読むようになり、今では正直、私でも読めないようなレベルの本を楽しみながら読んでいます。

――平松さんが、英語育児をしようと思ったきっかけは何ですか?

娘が赤ちゃんだった頃、ボタンを押すと英語の歌が流れる絵本を持っていたのですが、私が娘にその本のタイトルを言うと本棚から持ってきたり、成長とともに英語の歌を口ずさむようになったことに感動したのがきっかけです。
はじめは手探りでしたが、絵本の読み聞かせくらいならできるかもしれないと思い、少しずつ英語絵本を揃えていきました。

――英語の絵本はどういったもの選べばよいのですか?

英語の絵本には、読みの力を伸ばす目的でつくられた「多読絵本」というものがあります。有名なのはORT(Oxford Reading Tree) CTPというシリーズで、レベル別になっているのが特徴です。

私は娘が生後10ヶ月の頃から、一般的な絵本に加えてこれらの絵本を読み聞かせしたり、音源(多読絵本に対応しているCD)を流したりしていましたが、徐々に娘も絵本のフレーズを真似して言うようになりました。

――親が英語を話せないと、英語育児は無理ですか?

私は出産まで貿易会社で働いていて、英文メールを使う場面はありましたが、それと英語育児とは全く別。
もともと英語環境で育ったわけではないので、育児に関する単語やフレーズはほとんどわかりませんでした。

私の講座の受講生にも英語ができる人はいますが、そんな人でも紙おむつという単語もわからないということもよくあります。

親が英語を話せても、子どもが日本語しか話せないという家庭もあるのですから、逆のケースだって可能なはず。環境さえ整えれば、子どもは親を超えてどんどん成長していきます。

――英語絵本の読み聞かせのほかには、どんなことをしていましたか?

リビングの本棚で朝、絵本を開く

私は娘が赤ちゃんの頃に、育児に関する英語のフレーズが紹介されている本を購入し、フレーズをいくつかメモしてつぶやくようにしていました。

使いやすいのは「It’s time to〜」(〜する時間だよ)の言い回し「It’s time to go」「It’s time to eat」「It’s time to take a bath」など1日のうちで何度も使うことができるので便利です。

1日中英語で話すわけではなく、公園に出かけたとき英語で話しかけるなど、場面によって英語と日本語を使い分けていました。子どもは本当に柔軟なので、成長とともに、英語で話せば英語で、日本語で話せば日本語で受け答えできるようになります

児童館などで英語を使っていると、英語育児に興味がある方から話しかけられてママ友になったこともあります。英語育児は周りに理解されなかったり 身近な友達にも打ち明けにくいということも多く、ときに孤独に陥りがちです。

そんなとき、仲間ができることで情報交換ができ、続けやすい環境をつくることができます。発音に自信がなくてもどんどん外で英語を使っていくことをおすすめします。

英語のかけ流しは1日中行います。英語をいつも身近な存在に

――子どもが自然に英語に親しむためにどんな環境づくりをされていますか?

娘さんが小学1年~3年生の頃に読んだ本

「英語がいつも身近にあることが当たり前」という環境づくりを意識しています。たとえば、我が家では朝起きてから夜寝るまで、多読絵本のCDや、英語の童謡のCDをかけ流しています。

子どもに聞かせよう(リスニング)とするのではなく、あくまで聞こえてくる(ヒアリング)ようにするのが大切です。

「子どもがなかなか英語を話すようにならないんです」という方は、かけ流しの時間が足りないことが多いです。テレビを見るときや、食事をするときも含め、いつでも英語が流れているような環境を作ってみてください。

――子どもが本好きになるためには、テレビは遠ざけた方がよいでしょうか?

リビングの本棚で本を探す3歳の息子さん。いつも本が身近にある

本を読むというのは能動的な行動。誰だってダラダラとテレビを見ていたら、読書をしようという気持ちにはなかなかなりません。
極端な話をすれば「何もすることがない!さあどうしよう?」というときに、自分から読書を始めるといってもよいでしょう。

我が家でもテレビや動画(ディズニープラス)を見ることもあります。
ただし「見たら消す」、「英語音声のもののみ」というルールを設けています。Eテレでも音声切り替えができるアニメもありますし、それが当たり前であれば、子どももルールを守って楽しんでいます。

ちなみに私は子どもに動画を見せる際はYouTubeではなく有料の配信サービスを使っています。YouTubeは誰もが自由に動画をアップできるので、一見普通のアニメに見えても子どもにとってよくない編集や創作をしているものが混ざっています。

そういったものを避けるためにも放送倫理規範が明確なテレビやNetflixやディズニープラスといった有料サービスを活用する方が安心です。

――外出時はどんなふうに過ごしていますか?

外出時も絵本を持ち歩き、子どもにスマホを渡すことはありません。スマホは一度渡してしまうとそれに慣れてしまうので、私はスマホで写真を見せるなど、子どもがデジタルに触れることが習慣化するような働きかけはしていません。

はじめは大変ですが、成長とともに子どもも一人で本を読んで待っていられるようになります。
本はどこでも楽しめるので、お天気のよい日には、外にソファを出して絵本を読むこともありますよ。

小学校からも遅くない。親が子どもの限界を決めないで

「うちは子どもが小学生だからもう遅い?」と思う人もいるかもしれません。小学生からでもできることはありますか?

私自身も子育てを通して英語に触れることで、以前は聞けなかった英語が聞き取れるようになりました。
ですから、小学生で英語を始めるのに遅いなどということはありません

子どもは本当に柔軟なので、親が限界を決めつけないでほしいです。小学生なら多読絵本のシリーズを活用すれば少しずつステップアップできますよ。

また、「パートナーが英語育児に前向きではない」という相談をされることもよくあります。説明してもなかなか理解してくれないと困ってしまいますよね。

しかし、そんな方でも子どもが英語のフレーズをつぶやいたり、英語絵本を楽しんでいる様子を見ると、あっさり気持ちが変わることが多いんですよ。お子さんのためにも諦めずに続けてほしいです。

これから英語育児を始めたい人におすすめの1冊はありますか?

お子さんの年齢や状況によって異なりますが、まずこの1冊というのであればNursery Rhymes(童謡、わらべうた)がおすすめです。

ご紹介しているこの画像の本であればCDがついているので、かけ流しもできます。英語の童謡は韻をふんでいるので、大人でも知らない単語があったりすることも多く、親子で楽しめます。

今日からできる!英語育児を始めよう

お話をうかがう前は「英語育児」と聞くと、ハードルが高そうな印象を受けましたが、平松さんの「親の英語力は関係ない」という言葉に勇気づけられました。
ちょっとした英語フレーズをつぶやくことや、簡単な英語絵本を読み聞かせることなら、今日からでもチャレンジできそうです。

平松さんが実際に使っていたフレーズ集の書籍は絶版になっているそうですが、子育ての英語表現の書籍も出版されています。これから英語で語りかけをしてみたい方におすすめです。

【音声DL付】起きてから寝るまで子育て英語表現1000 春日 聡子

構成・文/平丸真梨子

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