子どもがテストでいい点を取ったら褒める? ご褒美は有効?【ビッグデータが導く「伸びる」法則】

PR

タブレット教材を展開する RISU Japan 代表で『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』の著者である今木智隆さんに、ビッグデータをひもとくことで見えてくる「効果的な学習」の法則について伺います。
今回は、テストでいい点を取った時の親のリアクションについて。褒め方やご褒美にもコツがあるようです。

「子どもがテストでいい点をとった時、どう褒めたらいいのかわからない」という声をよく聞きます。また、ご褒美については、「いつも与えてしまったらご褒美がないと頑張らないという悪い癖になってしまうのではないか」「どんどんご褒美をあげても良いのか」などと、教育上良いものなのかと判断に迷う方も多いようです。

ご褒美は正しく使えば、子どものモチベーション維持に繋がります。

タブレット教材「RISU算数」を提供しているRISUでも活用している褒め方や、ご褒美の方法についてお伝えします。

テストでいい点を取ったら、まずはしっかり褒めること

子どもにとっても親にとっても、いい点をとることは大変うれしいことですから、まずは一緒に喜び、そして、しっかりとほめてあげましょう。

ほめてあげることで、次も頑張ろうという意欲が沸いてきます。

褒め方のポイントは次の2つです。

1)共感、過程、具体性を大切にする

・共感し、親の気持ちを伝える
・結果ではなく、努力したその過程を認める
・具体的に褒める

「前のテストで間違えた六の段の九九ができるようになって、ママ(パパ)はうれしいよ。」
「この間、宿題で頑張っていた図形の問題が解けるようになってるなんて、すごいね。」

このように、褒めるときには3つのポイントを抑えて褒めるようにしましょう。

「良い変化」や「努力の過程」を盛り込みつつ、共感をもった表現も使うようにすれば、自然と具体的に褒めることができるようになります。

起こした行動に対して褒める場合は、時間をおかずにテストの答案が帰ってきたその瞬間に、しっかりと褒めましょう。時間が経ってしまうと、本人は何のことかを忘れてしまい、せっかく褒めても意味がありません。

2)オーバーリアクションと思うくらいがちょうどいい

子どもたちの多くは純粋で、親から言われた言葉を素直に受け取ります。ですので、遠回しな表現や、謙遜した態度では子どもたちに親の気持ちが伝わりません。

「おだてる」ような誇張した内容で褒めるということではなく、笑顔の表情や声の大きさなど、感情をしっかりと表すように褒めると良いでしょう。

例えば「RISU算数」では、頑張った成果に対して褒める内容の動画が送られるような仕組みになっており、その中で先生たちはオーバーリアクションで褒めています。これが子どもたちには非常に好評です。

褒めるためにはまずはこどもをよく見ること

テストが行われる前に、ひとつだけやっておいていただきたいことがあります。それは、子どもたちの日々の学習状況を見守ってあげることです。

タブレット教材「RISU算数」を利用したユーザーの、10億件を越える学習データを分析した結果、学習の様子を見守る保護者の数が多ければ多いほど、学習スピードがあがることがわかっています。

例えば、保護者としての登録アドレスが片親ではなく両親となっただけでも、学習スピードは1.2~1.5倍にあがります。

つまり、学習の様子を見守ってくれている人が増えれば増えるほど、子どものやる気はUPするわけですね。

これはとても理にかなっていて、見守る大人が増えれば増えるほど、子どもたちは褒められる機会が増えますし、親が学習状況を観察することで、適切なタイミングで褒めたり励ますことができるのです。

ご褒美はあげる、あげない?

子どものモチベーションを継続させることは簡単ではないですし、些細なことでもすぐに下がってしまいます。「先生が嫌い」といったようなことでも、勉強が簡単でも難しくても、モチベーションを簡単に失ってしまいます。

モチベーションを維持するために、上手に「ご褒美」を活用していただきたいと思います。

知らず知らずに実践してしまっている間違ったご褒美

 「ご褒美」は、誤った使い方をしてしまうとモチベーションを下げてしまい、逆効果となります。

例えば、「宿題が終わったら」「問題集が終わったら」「テストを受けたら」といった理由で「ご褒美」を与えてしまうとどうなってしまうでしょうか。

「終わらせる」や「結果を出すこと」ことが目的となってしまうので、本来の目的である「理解する」ことにはつながらず、学習効果が生まれません。

もしこういった形で「ご褒美」を与えていたのだとしたら、具体的な目標を設定し、達成したら「ご褒美」をあげるという形に切り替えましょう。 

子どものやる気を10倍高める正しいご褒美とは?

例えば「RISU算数」では、問題を解くごとに細かく設定されたポイントが加算され、それを集めると景品と交換できるという、ご褒美制度が採用されています。

ポイントがたまるというだけでも「ご褒美」という要素を持っているのですが、成果を積み重ねることで、最終的に景品と交換できるということが、子どもたちにポイントをためていく楽しさを感じてもらうことにつながっています。

家庭学習においても、

「宿題を全部〇にすることができたら」
「問題集を終えて間違えたところの見直しが終わったら」
「次のテストで20点以上点数があがったら」

といったような、子どもたちの実力に応じて、正しく学習が行うことができた際にご褒美をだすようにすれば、モチベーションを維持する効果が期待できるでしょう。

ご褒美をあげずにやる気を上げるには

そうはいってもご褒美をあげるのは…出来ることならご褒美をあげたくないと思われる方もいるでしょう。

その場合には、子どもたちが楽しいと思うこととセットにして、勉強を習慣化してしまうのも一つの方法です。

例えば、食事やおやつ、テレビ鑑賞やゲームを行う前の時間を勉強の時間にしてしまうのです。

「宿題が全部マルになったら、おやつにしようか」
「丁寧に漢字の書き取りができたら、ゲームの時間にしようか」

といったような働きかけをしていきます。

子どもたちの意識が、

「お母さんがご飯の準備をしている間に宿題を済ませて、後で採点してもらう」
「全部マルにできたら、ゲームの時間にする」

といったように、「寝る前になったら歯を磨く」のような日常生活の習慣になれば良いでしょう。一度身に付ければ、この先も楽に誘惑に打ち勝つことができます。

正しい褒め方やご褒美でモチベーションアップ

このように、ご褒美はうまく活用すれば子どものモチベーションの向上に役立ちます。

しかし、ただご褒美をあげてしまったり「すごい!」を繰り返す単調な褒め方など、方法を誤れば子どものモチベーションは簡単に下がってしまいます。

そのためには、まずは子どもを普段からしっかりと見ておく必要がありますよく見ていることで変化に気づき、うまく褒めたりご褒美をあげることができます

加えて、自分を見てくれていることを感じることは、子どもたちにとっては何よりも嬉しいことなのです。

記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

〈タブレット教材「RISU算数」とは〉

「RISU算数」は1人ひとりの学習データを分析し、最適な問題を出題するタブレット教材。タイミングの良い復習や、つまずいた際には動画での解説の配信を行うことにより、苦手を克服し得意を伸ばします。

詳しくはこちら≪

『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』

文響社より好評販売中

あなたにはこちらもおすすめ

夜遅くまで勉強したら、子どもの成績は上がる?それとも…【ビッグデータが導く「伸びる」法則】
皆さんのお子さんは夜になると、ようやく勉強を始める、なんてことはないでしょうか。 お子さんの日常には「友達と遊びたい」「好きなTVを観...

構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事