お子さんは公衆電話を使えますか?「もしもの時」に備えて親子で確認したいこと

秋冬になると、日が暮れるのが早くなります。外が暗くなっても、習い事・外遊びなど子どもたちの生活パターンは、変化するものではありませんよね。お子さんがよく行く遊び場、学童や習い事の帰り道を思い出しながら、「秋冬の安全・防犯対策」を一緒に考えてみませんか。

お子さんは公衆電話を使えますか? 自宅の電話番号を言えますか?

キッズケータイやタブレットが使えないときを想定してみよう

小学生には、防犯ブザーを持たせているご家庭が多いですよね。入学したときに学校から配られる自治体もあるようです。
スマホを持たせるにはまだ早い場合は、防犯ブザーやGPS機能のある「キッズケータイ」をお子さんに持たせることも増えています。

7月には、大手通信会社の電波障害が発生しました。キッズケータイを利用している子どもたちと連絡が取れなくなり困惑した保護者の方も多くいらっしゃいました。
また、地震などの災害時には、回線が混雑したり充電が切れたりして、連絡をとれないことが想定されます

そんなときのために知っておきたいのが、「公衆電話」です。

家からいちばん近い公衆電話を確認しよう

みなさんの家の近所では、どこに公衆電話があるでしょうか。大人でも、パッと思いつく方は少ないかもしれません。
でも、ママパパ世代が子どもの頃は、町中のいたるところに公衆電話がありましたよね。
中には、学校に置かれていた公衆電話で「習字道具忘れたから学校まで持ってきて!」と家族に電話した経験をお持ちの方もいるでしょう。

実は、ピーク時は93万台もあった公衆電話ですが、現在は激減しており、2022年3月時点で11万台程度と言われています。

現在、公衆電話は、人が多く集まる場所・公共施設付近に設置されていることが多いです。
例えば駅の構内、ターミナル駅の付近、市役所や文化センターなどの公共施設、大きな病院などです。

NTTのHPでは、公衆電話の設置場所を検索することができます
家から一番近い公衆電話、お子さんの通学路や習い事の行き帰りに近い公衆電話をチェックしておくと安心です。

 NTT東日本 公衆電話設置場所検索

公衆電話で電話をかけられる?

近年は、連絡ツールと言えばスマホやPCで事足りてしまうので、自宅に固定電話をもたない家庭も増えてきていますよね。
私が数年前に小学校で低学年を担任していたときには、「固定電話のプッシュボタンの使い方がわからない」「住所は言えるけど、自宅の電話番号は知らない」という子が多くいました

NTT東日本では、「はじめての公衆電話」というキッズページがあり、公衆電話の使い方が紹介されています

 NTT東日本「はじめての公衆電話」

通話時間に注意!110、119番のかけ方も知っておいて

中でも特に注意したいのは、「通話時間を意識すること」と「110番・119番にかけるとき」です。

通常のスマホ通話や固定電話では、電話が勝手に切れることはありません。
しかし公衆電話は、入れた金額によって通話時間が決められているので、時間を意識してしゃべらないと途中で切れてしまうかもしれません。大切なことを忘れずに、そして手短に話すことを把握しておきたいですね。

また、110番・119番にかけるときには、お金を入れずにそのままダイヤルできたり、公衆電話の下の方にある赤い「緊急時ボタン」を使ったりすることも知っておきたいポイントです。

公衆電話の下部に赤いボタンが。受話器をはずしてボタンを押せばかかるしくみです。

ここに逃げ込めば安心!「子ども110番の家」

子どもだけで過ごしているときに、「知らない人に『いっしょに行こう』と言われた」「後ろをずっと付いてくる感じがする」など、怖い思いをしたり困ったりしたときには、大人のいる安心なところに逃げてよいことを伝えておきましょう。

知ってる?「子ども110番の家」

子どもが駆け込んできたときには、子どもを保護し、警察への通報や学校や家庭へ連絡、救急のときには119番通報もしてくれる場所として、「子ど110番の家」があります。
地域のボランティア活動の1つで、地域ぐるみで子どもたちを守っていこう、育てていこうという考え方です。

「子ども110番の家」に認定されているお店やお宅には、「子ども110番の家」ステッカーが貼られており、目印になっています
ステッカーは自治体ごとにデザインが違いますが、「110番」のロゴが目立つもの、赤や黄色で目を引くデザイン、パトカーや警察のキャラクターが用いられているものが多いようです。

大東京防犯子どもネットワーク「子供110番の家」ギャラリー

ステッカーがなくても、駆け込める場所はある!

「子ども110番の家」のステッカーが貼られていなくても、子どもたちが困ったときに逃げ込める場所はたくさんあります。
児童館や図書館などの公共施設、夜でもやっているコンビニエンスストア、パパやママと行くパン屋さんや、ドラッグストアでもいいのです。

 施設やお店でなくても構いません。
隣の○○さんち、いつも近所の掃除をしている○○おばちゃんちなど、ご近所で顔見知りのお宅があれば、それも良いですね。近所で顔見知りが多い、声をかけ合う関係性が多いと、それだけでも防犯につながります。

暗くなるのが早い季節、子どもにとって安全な帰り道とは?

 街灯がある道、人通りが多い道、防犯カメラのある道

友だちと遊んだあと、お子さんは何時に帰宅していますか。
5時のチャイムが鳴ったら帰る」と約束していても、秋冬にはもう外が真っ暗になることもありますよね。習い事の帰りなら、もっと遅い時間になることもあると思います。

暗くなったときは、帰り道を工夫しましょう。友だちと「バイバイ!」と別れた後がポイントです。
暗い道を一人で歩くことができるだけ少ないように、街灯がある道、人通りが多い道、防犯カメラのある道を選びましょう。

地域によっては、雪や凍結への心構えも

冬になると、雪や凍結に注意する必要がある地域もありますよね。
雪が積もっていて用水路が見えにくくなっているところ、雪下ろしがされていなくてどさっと落ちてきそうなところ、凍結しているのが見えにくいところなどもあるかと思います。

特に小学1年生にとっては、冬場の登下校は初めてになります。しかも、重いランドセルを背負っていると、滑ったときにバランスを崩しやすいことも。

明るい時間には楽しい秘密基地、暗くなると危険になることも!?

普段、公園や広場で遊ぶことが多いお子さんは、その遊び場にも注意が必要です。明るい時間には、草むらや建物の陰に隠れたりして遊ぶこともありますよね。かくれんぼや鬼ごっこでは絶好の場所です。
また、家と家の間の細道を探検して遊ぶ子もいるでしょう。

しかし夕方になると、様子は変わります。隠れやすい場所は、街灯の光が届きにくく、防犯カメラにも映りにくい場所なのです。

外が暗くなったら、そのような場所に入ると危険であることを確認しておきましょう。

 お子さんに考えさせることで、防犯意識が高まる

防犯対策・安全対策をするときにはどうしても、「○○しちゃダメよ」と禁止したり、「~なときは絶対○○してね」と指示を出したりしがちですよね。

お子さん自身に防犯意識をもってもらうには、お子さん自身に考えさせることがポイントです。

「友だちと遊んでいるときに、怪しい人がついてきたらどうする?」「冬になると、スイミングの帰りの時間はとても暗くなるの。どの道を通ったら安全だと思う?」と場面を絞って、具体的に考えさせてみましょう。
誰かに言われたことよりも、自分で考えて実践したことのほうが、強く印象に残るはずです。

 本格的な冬になる前に、防犯・安全対策について、お子さんと一緒に考えてみましょう。

あなたにはこちらもおすすめ

子どもを守る防犯手段、どうしてる? 1000人のパパママに調査した「ツール&ルール」ランキング発表
『小学1年生』2021年9月号(2021年8月1日発売)の誌上にて【お子さんの安全のために、どのような防犯手段を用いていますか?あて...

文・構成/yurinako

編集部おすすめ

関連記事