2学期制の小学校は約2割。秋休みがあるからラッキー?元教員がメリットとデメリットを紹介

子どもの頃「秋休みもあればいいのに」と思ったことはありませんか?
実は日本には、秋休みのある学校、2学期制の学校が約20%近くあるのです。元小学校教員が、3学期制との違いや「子ども・親・先生」の3つの立場から見たメリット・デメリットを解説します。

ママパパ世代が子どもの頃、2学期制なんてあったっけ?

2学期制って、3学期制とどう違うの?

2学期制とは、1年間を前期と後期、または1期と2期に分けて授業をすることです。
4月~10月前半を「前期」、10月半ば~3月を「後期」とし、前期と後期の間には「秋休み」があります。

子どもたちにとっては、夏休みが終わってから1か月ほどで、「秋休み」があるのは、うれしいですよね。

 いつから2学期制があるの?また、その目的とは

2学期制の最大の目的は、「授業時間を確保すること」です。始業式や終業式、学期末のテスト、学期が変わるごとに行う係決めやホームルームを行わない分、授業の時間を確保することができます

 ママ・パパ世代が小中学生の頃、「第2土曜日、第4土曜日は給食なしの午前授業だった」という方もいらっしゃいますよね。

そこから方針転換し、2002年度から、土曜授業なしの完全週5日制授業となりました。そこで、授業時間を確保するためのアイデアとして、2学期制を取り入れる学校が出てきたのです。
つまり、2学期制は始まってから20年くらいということになります。

  2学期制の学校はどれくらいあるの?

では、そんな2学期制を取り入れている学校は、どれくらいあるのでしょうか。文部科学省の最新の調査は平成30年のものですが、小学校では19.4%、中学校では18.6%の学校が2学期制を取り入れています。

出典:文部科学省「平成30年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」より

東京都では、渋谷区、墨田区、北区などいくつかの区で2学期制が導入されています。
またここ数年は、「夏休みを短縮する」「低学年でも6時間目の日を作る」などの方法で授業時間を確保する学校も増えていて、2学期制から3学期制に戻そうか検討している地域もあるようです。

【子ども目線・ママ目線・先生目線】2学期制のメリット・デメリット

メリット 授業時間が確保できる

・【子どもより】学期末のテストが少ないから、楽に感じる。

・【子どもより】秋休みがあるから、他の学校よりいっぱい休めてラッキー!

・【親より】秋休みがあるので、平日の比較的すいている時期にお出かけできるチャンス

・【先生より】始業式・終業式、学期末テストが減るので、授業の時間を確保できる。

・【先生より】通知票が年に2回となるので、先生の事務作業の負担が減る。前期の通知票を夏休みにある程度まで作成できる。

・【先生より】海外の入学・卒業時期と似ているので、海外から帰国した子への対応がしやすい

デメリット 夏休み前に通知表がない!

・【子どもより】前期の途中で夏休みがあるから、どこまで勉強したか忘れちゃうことがある。

・【子どもより】秋休みは1週間くらいしかないから「後期に変わった!」という感じが薄い

・【親より】特に中3など、受験を控えている家庭にとっては、夏休み前の成績を見て夏休みに志望校を絞ることも多い。夏休み前に通知表がないと、参考になる指標がないので、子どものモチベーションが上がりにくい

・【親より】共働き家庭にとっては、「秋休みの子どもの居場所問題」が気になる。学童は受け入れてくれるのか、お弁当を作る必要があるのか、など入学前に確認しておきたい。

・【先生より】公立小・中学校の先生は、都道府県内で異動するシステム。もしかしたら、子どもたちよりも先生の方が、2学期制に慣れていない可能性もある。

3学期制or 2学期制、気になることいろいろQ&A

2学期制だと、学習する内容は変わるの?

3学期制でも2学期制でも、学習する内容は変わりません。学校で学習することは文部科学省の「学習指導要領」で示されていて、日本中どこの学校でも共通です。また、教科書も「学習指導要領」に合わせて作られています。

 2学期制によって、学習する時期が変わることはあるかもしれません。例えば、「3学期制の学校なら9月にやる内容を、2学期制の学校では7月の後半にやる」ということはあるでしょう。
学習する順序はそれぞれの学校で計画を立てています。

隣の学校なのに、違いがあることも! 学期制は誰が決めているの?

2学期制か3学期制かを決めているのは、主に市区町村の教育委員会です。

隣の学校でも、○○市立小学校は3学期制、△△区立小学校は2学期制と違いが出ることがあります。

学期制で学校を選ぶことはできる?

公立小学校の場合、基本的に、住所のある地域の学校に通うことと決められています。
お住まいの自治体で「うちの市の学校は全校3学期制です」と定めていれば、2学期制を選ぶことはできません。

中には、「3学期制にするか2学期制にするかを、学校ごとに決めて良い」としている自治体もあります。さらに、「学校選択制(行きたい学校を選んで入学する制度)」を設けている地域なら、学期制で学校を選ぶことができるかもしれません。お住まいの地域の教育委員会HPやパンフレットを確認してみましょう。 

2学期制だと、進学に影響はある?

2学期制でも学習内容は変わりませんので、 何かの単元を取りこぼすことはありません。また、出席すべき日数は学校ごとに違いがあるものなので、進学への影響はありません。

2学期制の小学校から3学期制の中学校に進学することもあると思いますが、「慣れなくて困った」という声はあまりありません。
夏休みなどの長期休みがあることは変わらないので、あまり大きな変化とは感じない子どもも多いようです。

2学期制・3学期制とも、その地域に合わせて決められている

学期制はほとんどの場合、市区町村ごとに決められていることは本文中でご紹介しました。
どの地域でも、「2学期制がいいか、3学期制がいいか」と判断するときに、その地域の実態を考慮します。
例えば、夏休みは減らさずに授業の時間を確保したいと考え、外国からの転入生が多い地域では2学期制を取り入れていることが多いようです。

子どもたちは、「自分の通っている学校のやり方」しか知りません。「なんで○○くんの学校は秋休みがあるの?」「△△ちゃんの学校では、後期じゃなくて2学期って呼ぶらしいよ」と、子どもたちが違うシステムに疑問をもったときには、大人がその理由を話してあげたいですね。

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文・構成/yurinako

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