あなたは怒鳴り親?10項目でチェック!怒鳴らない子育てをアンガーマネジメントで実践

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毎日子どもと向き合っていると、怒鳴りたくなる時もありますよね。毎日のように、靴下が裏返しで脱ぎ捨てられたり、プリントを出さなかったり。筆者も月曜日の朝に給食着を出された朝は、さすがに発狂しました。「怒鳴りたくて怒鳴っているわけではない」
皆さんきっとそう思いながらも怒鳴ってしまうのではないですか。心当たりのある方にぜひ読んでいただきたいのが、土井髙徳さんの著書『怒鳴り親 止まらない怒りの原因としずめ方』です。

「怒鳴らない子育て」を実践する、土井髙徳氏

土井髙徳氏は、心に傷を抱えた子どもを養育する「土井ホーム」を運営しています。たくさんの問題や悩みを抱えた子どもたちと向き合い、怒鳴らない子育てを実践されてきました。今回この記事では、土井髙徳氏の怒鳴らない子育てのヒントを3つご紹介します。

土井髙徳氏 

1954年、福岡県北九州市生まれ。一般社団法人おかえり基金理事長。学術博士。福岡県青少年課講師、産業医科大学治験審査委員。心に傷を抱えた子どもを養育する「土井ホーム」を運営。実家庭や児童福祉施設で「養育困難」と判断された子どもたちとともに暮らし、国内では唯一の「治療的里親」として処遇困難な子どものケアに取り組んでいる。その活動はNHK「九州沖縄インサイド」、「福祉ネットワーク」、「クローズアップ現代」で特集されたほか、テレビ東京、読売新聞、西日本新聞などで紹介されるなど全国的に注目を集めている。ソロプチミスト日本財団から社会ボランティア賞、福岡キワニスクラブから第24回キワニス社会公益賞、北九州市表彰(社会福祉功労)
を受賞。著書に『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』(小学館新書)など

あなたは怒鳴り親?10個のチェック項目で振り返って!

お子さんについ怒鳴ってしまって後悔…。子育てをしていれば誰でも思い当たることですよね。

ですが、怒鳴った後、また怒りがこみ上げたり、イライラしてまた八つ当たりしてしまったり。なかなか自分自身の気持ちをコントロールできなくなっている時はありませんか?

あなたの怒鳴り親度をチェック!

まずは怒鳴り親になっていないか、以下10個の項目をチェックしてみてください。

①子どもの不機嫌な顔や声だけで気分が悪くなる
②子どもの言動にカチンとくる
③子どもの反発につい大人げない反論をしてしまう
④親を傷つける子どもが許せない
⑤親が傷ついた分だけ子どもも傷つくべきだ
⑥言うことを聞かない子どもに、高ぶった感情を抑えられない
⑦しつけのためなら、少しくらいは度を過ぎても許される
⑧子どもの言動につい怒鳴り声をあげてしまう
⑨体罰も、子どもが良くなるのなら許される
⑩子どもと激しく対立して衝突してしまう

あなたはいくつ心当たりがありましたか?1つや2つくらいなら当てはまる項目があっても問題ないそうですが、3つ以上当てはまる項目があるとあなたは立派な「怒鳴り親」かもしれません。

怒りが止まらない原因は?

土井髙徳氏の著書では怒りが止まらない原因を、子どもと親それぞれの観点から分析しています。今回は子どもに原因がある場合の大きな要因となる「子どもの発達と変化が起きる時期」について簡単にご紹介していきます。

子どもの「発達」と変化が起きる時期

子どもが大人になるまでの過程を振り返ってみましょう。産まれてから死ぬまでの「発達」の中で、親など養育者の手を煩わせ、悩ませる年齢とは、全面的に親に依存する周産期・乳幼児期(0歳〜2歳半)の乳児を除くと、次のような「発達」の節目の時期と重なります。

(1)小児期(2歳半〜6歳)…問題行動を起こす時期:2歳
(2)児童期(6歳〜8歳半)…問題行動を起こす時期:小学1・2年生
(3)思春期初期(10歳〜14歳)…問題行動を起こす時期:小学5・6年生
(4)思春期中期(14歳〜18歳)…問題行動を起こす時期:中学2・3年生
(5)思春期後期(18歳〜22歳)…問題行動を起こす時期:22歳以降

(『怒鳴り親』より引用)

発達の特徴は?魔の2歳児はどうして「イヤイヤ」期なの?

発達の特徴を知ることで、お子さんがどういう状態なのかが見えてきます。子どもの行動の理由がわかると、向き合いやすくなりますよ。

(1)小児期(2歳半〜6歳)

乳幼児期から小児期への移行期です。第1次反抗期が2歳児の頃に多く見られるという特徴から、日本では「魔の2歳児」、英語圏では「Terrible Twos(恐るべき2歳児)」と呼ばれ、対処に悩んだというエピソードを多く耳にします。「魔の2歳児」が見せる主な特徴は、次の3つです。

・「イヤイヤ」と言いながらの反抗(激しい自己主張)
・思い通りにならないとギャン泣き(癇かん癪しやくを起こす)
・何でも自分でやりたがる(自主的な言動・行動)

この時期になると、子どもは親とは違う考えや感情があることを自覚するようになり、自分は1人の人間だという認識が高まり始めます。そのため、自分の意志を通そうという行動が「イヤイヤ」という反抗となって出るようになるのです。

(中略)

このように、子どもはさまざまな「発達」の時期を過ごす中で、身体や精神、心理、学力などの困難と向き合い、人生という大海の荒波を乗り越えようとします。

そして親がこうした「発達」の特徴をよく理解できていないことが、じつは怒りを誘発する大きな原因になるのです。身体的にも精神的にも不安定で、その不安から周囲の大人、特に甘えられる親にはひどい態度をとってしまうことがあるのは、ある意味仕方がないことです。

とはいえ「発達」がもたらすわが子の態度は、それを知らない親にとってはあまりにも理不尽。

だから感情がかき乱されてしまい「なぜ自分の言うことを聞いてくれないのか」「どうして自分を困らせることばかりするのか」「子どものくせに親をバカにして」……と、徐々に怒りの火種が燃え始め、ある時爆発してしまうのです。

もしも、親や周囲の大人たちが「発達」の特徴を正しく理解していれば、頭にカーッと血が上る前に「今は反抗するのが当たり前なんだな」「ひどい言葉遣いだけど、本当は違うことを言いたいのかもしれない」と、クールダウンできるかもしれません。「発達」の時期に合わせてわが子の成長を正しくサポートしてあげられたら、必要以上にわが子を怒る必要も、あなた自身が怒鳴って後悔することも減るはずです。

(『怒鳴り親』より引用)

2歳のイヤイヤ期にもう戻りたくない!という声を良く聞きますが、お子さんが自立する過程であり、大切な時期なのだと理解できていたら、もう少し余裕があったかもしれませんね。本書では、親の原因についても詳しく紹介されています。親の原因について詳しくはぜひ手にとってご覧ください。

怒鳴る前にまず一呼吸。土井髙徳氏の子育てアンガーマネジメントとは?

すぐにでも取り入れられる、この3つからぜひトライ。

怒りが爆発しそうになったら、まずは6秒間ガマンする。

人は怒りを感じて物事の判別がつかなくなっても、6秒ほど経過すると理性が働いて客観的な判別ができるようになります。6秒後まだ怒りが収まらない場合は、その場を離れてみましょう。場所を変えることで気持ちも切り替わるそうです。

良いところをさがす習慣を!

子どもはどうしても悪いところばかりが目につきがちですね。できないことや、イライラすることばかりが記憶に残りがちですが、子どもの良いところや、毎日の暮らしで感じるしあわせをさがすのがよいそう。しあわせさがしを繰り返しているうちに言うことを聞かない子どもに対して苛立っていた感情が「子どもがいるだけでしあわせ」と感じられるようになるそうです。自分の子どものいいところ、ぜひさがしてみてください。

幼いころのわが子の写真を眺めてみる。

(『怒鳴り親』より引用)

 人間の脳はうれしいとか楽しいといったポジティブな刺激を受けると「オキシトシン」というホルモンを分泌します。母親の多くは自身の子どもが遊んでいる様子を見ているときにこの「オキシトシン」の濃度が上昇するという研究結果が報告されており、「子育てやる気ホルモン」とも呼ばれています。

(中略)

幼い頃の子どもの写真を眺めて、その笑顔や成長を振り返り、脳内を「オキシトシン」で満たしましょう。子どもは3歳までに一生分の親孝行をしてくれていると言いますが、まさにその通りです。いくつになってもその効果は続き、親を支えてくれます。

子どもの小さなころの写真、動画などたくさん保存されていますよね。これならすぐにできそうですね!

子育ては怒鳴らない方が上手くいく。ぜひ手に取ってみてください。

土井髙徳氏の本書では、様々なタイプのお子さんに対する実践や、事例もたくさん紹介されています。自分自身の子育てを、改めて考えるきっかけになることでしょう。この本には怒鳴らない子育てのヒントがたくさんあります。ぜひ、手に取ってみてください。

小学館|著 / 土井高徳

数多くの子育てトラブルに向き合ってきた著者が、「怒鳴り親」の傾向と怒りの原因を解説。そして、親自身が今すぐ、自分でできる「子育てアンガーコントロール」と、怒鳴らない子育ての知恵を伝授する。

文・構成/HugKum編集部

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