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お寿司が食べられる未来のために、出張授業を実施中
「以前より当社ではSDGsにつながる取り組みをしており、それを学校授業の題材にしたいと多くのお問い合わせをいただいていました。2020年に学校でSDGs教育が導入されたことが、出張授業を始めるきっかけになりました。『お寿司が食べられなくなる未来を変えるためには?』『食品ロスを減らすには?』などと問いかけ、子どもたちに身近な回転寿司を通して、SDGsを楽しく学んでもらいたいです」(広報・岡本さん)
授業はとても人気で、今年度は1学期だけで125校から申し込みがあったそうです。
「低利用魚、海洋環境、食品ロスなどの課題は企業努力だけでは解決できません。未来を作っていく子どもたちに課題を自分ごととして捉え、行動に移してもらいたいですね」(岡本さん)
クイズも交えた出張授業は参加型。楽しく学べます
学校に出向いて、子どもたちにこのような授業を行います。SDGsの取り組み例を伝えるだけでなく、独自のワークショップや体験を通して課題に向き合う工夫がされています。
食や水産業の課題とは
海洋問題や食品ロス問題などを、座学だけでなく、クイズや問いかけを交えた授業で楽しく学べます。
回転お寿司屋さん体験
お店の回転レーンと同様の機材を使用。作る側と食べる側の両方を体験し、食品ロスを体感します。
解決策を考えよう!
未来でもお寿司を食べられるように、課題の解決策をみんなで考え、発表します!
信舞くんが、くら寿司の出張授業をちょこっと体験!
本来は学校や学童などで受けられる出張授業ですが、その内容を小一モデルの信舞くんが特別に体験させてもらいました!
教材のひとつ、ニザダイの模型にびっくり! 大きさも色ツヤも本物みたいです。本物の魚から型を取って作ったものもあるそうです。
「お寿司屋さん体験」は、お店で使われている製造管理システムのように、人気ランキングから注文を予測してお寿司を用意するゲームです。食品サンプルではなく本物のお寿司で体験させてもらいました!
おいしいけれどあまり市場に出回らない魚「低利用魚」を有効活用
低利用魚とは、おいしいけれどあまり市場に出回らない魚のこと。
出張授業では本物の魚と同じサイズの模型を用意し、子どもたちに「低利用魚」と「よく食べられている魚」に分類してもらいます。
最も大きいシイラは全長1m20cm! 本当の魚だと思い、恐る恐る触る子や逃げ出してしまう子もいるそう。
「低利用魚」の活用に力を入れ、メニュー開発しています
くら寿司が特に力を入れているのが低利用魚の有効活用です。
魚類は世界の海に1万5000種以上いるといわれていますが、その中でよく食べられている魚は約500種に過ぎません。あまり利用されていない低利用魚のニザダイやシイラは、うまみの豊富な白身魚で、くら寿司では期間限定メニューに登場しています。
「限りある海洋資源を無駄にしないためにも、市場に出回りにくい低利用魚を活用していく必要があります。当社の加工体制や商品開発のノウハウを生かし商品化することで、これまであまり値が付かなった魚の価値が高まり、漁師さんにも還元することができます。また定置網にかかった魚をどんな種類・大きさでも買い取るという『一船買い』は資源の無駄をなくすだけでなく、漁師さんの生活安定にもつながっていると思います。
出張授業を通して、低利用魚などについて知ったお子さんからは、『小さな工夫でも実行し、未来もお寿司が食べられるようにしていきたい』『食品ロスがゼロになる未来を作りたい』などの声をもらっています」(岡本さん)
ハマチの畜養
定置網にかかる未成魚(魚の子ども)を集めて、1年〜1年半かけて「畜養」。未成魚(写真上)を寿司ネタになる大きさ(写真下)まで育ててから出荷します。
ニザダイのキャベツによる畜養
海藻を主食とすることが原因で身に特有のにおいがあるといわれるニザダイ。キャベツを食べさせるとにおいが和らぎ、食べやすくなります。
環境にやさしい紙カプセルの「ビッくらポン!」
お寿司を食べ終わった後のお皿で楽しめるゲーム「ビッくらポン!」の景品の容器が、紙カプセルで登場しました! 一般ごみとして処分でき、燃やしても有害物質が出ません。一部店舗・期間限定で試験導入中です。
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『小学一年生』2022年11月号別冊『HugKum』
撮影/松原敬子 モデル/山本信舞 構成/村重真紀
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載しています。
再構成/Hugkum編集部