筆者の長男は、小学5年生で毎朝部活の朝練があり、朝7時に家を出ます。私自身、長男を筆頭に3人の子育て、仕事と多忙で、凝った朝食を作る時間もなく……。
本人も、すぐに食べられるものがいい!とのことで、普段はバターを塗ったトースト1枚のみ!
しかし、これでは栄養もお腹も足りているのかな……といつもモヤモヤしていました。
そこで、「スポーツキッズにはどんな朝食がいいのだろう」と、交流関係のある中村さんに教えてもらってきました!
中村明花さんって?
タレントやモデルで有名な中村明花さんですが、料理本の出版のほか、料理教室を開催するなど料理家としても活躍されています。
自身のInstagramにアップされる、品数豊富な食卓も反響を呼んでいるのですよ!
お話を伺ったのは…
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中村さんの旦那さまは?
日本代表経験があり、現在「ザスパクサツ群馬」所属のプロサッカー・細貝萌選手。
プロサッカー選手の朝食は?
中村さんは、2011年の結婚以来、細貝萌選手を食事面でもサポート。まずは、そんな細貝選手の活躍を支える、リアルな朝食を教えてもらいました。
ある日のメニューとして紹介してくれたのは、「ササミのもち米お粥」と「黒ゴマきなこアーモンドバナナジュース」。
-意外と少ないのですね……!
中村さん:以前はもっとしっかりした量を食べていたのですが、今は家から練習場まで距離があるので朝6時には家を出るんです。早朝からたくさんの量を食べられないみたいで、食べすぎると体が重くなって動きにくくなるとも言われたので、食べやすいもの、そして消化のいいものを意識して出しています。
①お粥は消化吸収が◎
中村さん:もち米は元々消化吸収がよく、胃の負担になりにくいのですが、お粥にすることでさらによくなります。
また、普通の米よりも、エネルギーにかわる糖質が多いのが特徴。
比較的ゆっくり消化吸収する糖質を含んでいるので、エネルギーの持続時間も長いと言われているのですよ。
-筆者は消化のことなど考えてもいなかったので(笑)、アスリートを支える妻ならではの視点がとても参考になります!
調理はレンチンも活用
お粥にのせるササミは下味をつけてから加熱。
酒とだしパックの中身を振りかけて軽く絡め、ラップをふわっとして電子レンジで火を通します。
ここまで調理を済ませておき、冷蔵庫に作り置きしたり、冷凍しておくと時短に。
お粥は試合に合わせて、もち米と米を調整
中村さん:普段の練習のときは普通のお米でお粥を作っていますが、もち米に変えるのは試合の3日前くらいから。
理由はもち米のほうが糖質が多く、糖質を取り過ぎてしまうと脂肪になってしまうから……。
-こういった細かい調整もアスリート飯には重要なのですね!
②「黒ゴマきなこアーモンドバナナジュース」はエネルギー補給と疲労予防に
中村さん:夫がバナナジュースが好きというのもあり、毎朝作っています!
朝食でバナナをとると、エネルギー補給と同時に運動後の疲労を予防して和らげる効果があるんです。
我が家では、黒ごまときなことアーモンドが混ざっている商品を常備していて、それをプラスして、タンパク質やカルシウム、ビタミンなども補給。
カルシウムは骨を強化するのはもちろん、疲れによって足がつることがないように、積極的にとっています。
「黒ゴマきなこアーモンドバナナジュース」の作り方は、バナナや牛乳に、「黒ごまきな粉アーモンド」などの材料を入れてミキサーで攪拌するだけ。
中村さん愛用している「黒ごまきな粉アーモンド」も教えてもらいました!
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プロサッカー選手の朝食を応用したスポーツキッズメニューは
サッカー選手のリアルな朝食、勉強になりました!
6歳の女の子のママでもある中村さ~ん、もう1つお願いが……。
-子どもが食べやすくて、栄養価も満たされる工夫が満載のスポーツキッズ向けメニューも、ありませんか(笑)。
中村さん:食べた物を消化する時間を考えると、朝食をとってから運動するまで3時間は空けて欲しいところ。
ですが、朝練の前にそれは無理だと思うので、できるだけ消化しやすい食材を使い、エネルギーにかわる朝食を考えましょう!
アスリート飯を応用した「納豆としらす干しのお粥」と「ヨーグルト×オレンジ」はいかがでしょうか。
①納豆としらす干しのお粥
中村さん:カルシウムはなかなか体に吸収されにくい栄養素と言われていますが、子どもの成長に必要なカルシウムが含まれているしらす干しは、おすすめの食材。
しらす干しは、釜揚げしらすと比べて、約2倍のカルシウムが含まれているのです!
また、カルシウムの吸収率をあげるビタミンDも含まれていることで、効率的に摂取できます。
材料
ごはん……お茶碗1/2〜1杯分
ひきわり納豆 1/2〜1パック
しらす干し……ひとつまみ
すり黒ごま……少々
作り方
①耐熱容器にお茶碗の半分量のご飯と50mlの水を入れ、ラップをふわっとかけてレンジで2分加熱する。
②①に干ししらす、納豆、すり黒ゴマを混ぜ合わせたら、納豆に付いているたれで味を整えて完成。
◆ポイント!
・食べやすいお粥で簡単にエネルギー補給
・消化されやすい、ひきわり納豆を使う
・納豆としらす干しでタンパク質をプラス
②ヨーグルト×オレンジ
中村さん:乳製品はタンパク質とカルシウムを摂取、疲れを溜めない為にビタミンでクエン酸をとる工夫も。オレンジはみかんで代用してもOK。缶詰は栄養価が落ちるので、避けたほうがベターです。
みかんの場合は、薄皮や筋に栄養がたくさんあるのですが、運動前に食べるには食物繊維が多すぎてお腹にガスが溜まったり、消化が遅くなる原因に。とはいえ、薄皮をむくのは大変なので、薄皮のままを細かく刻んでヨーグルトに入れましょう。
材料
プレーンヨーグルト、オレンジ……各適量
作り方
①プレーンヨーグルトにカットしたオレンジをのせる。
◆ポイント!
・乳製品でタンパク質とカルシウムを摂取
・疲れを溜めない為にビタミンでクエン酸をとる
③お粥が苦手な子にはお餅のグラタン
中村さん:食べやすく、栄養価も優れたお粥ですが、食べ慣れていなかったり、苦手な子どももいるはず。
米と同じ栄養価の切り餅を使い、元気が出るグラタンもおすすめです!
豆腐をホワイトソース代わりにするので、忙しい朝でも楽チン。
とけたチーズと豆腐がからむことで、グラタンのようなコクのある味になるんです♪
材料
絹豆腐……200g
切り餅……1個
めんつゆ……お好みの量
とろけるチーズ……ひとつまみ
かつおぶし……少々
作り方
①豆腐を泡立て器でなめらかにしたら、めんつゆで好みの味に調整する。
②8等分に切った切り餅を水でサッと濡らしてから①に入れ、上からチーズをちらしたらふわっとラップをかける。
③レンジで切り餅が柔らかくなるまで加熱(約4〜5分)、最後にかつおぶしを散らして完成。
◆調理のポイント!
・年齢によってお餅を増やして調整
・使う麺つゆの種類により、量は調整する
・加熱中はあふれないよう深皿を使う
早速、つくレポ!
筆者も、中村さん提案の【納豆としらす干しのお粥】と【ヨーグルト×オレンジ】を長男(小5)に作って出してみました!
調理時間は?
なんと、5分程度!
トーストの焼き時間とさほど変わらず作れたので、これなら、とり入れたい!
納豆が苦手の長男!
実は、納豆は、食わず嫌いの長男……。
とりあえず、食べてみてと勧めてみると、
「え!おいしいじゃん!」
と大喜び。
納豆のネバネバ感のおかげでお粥がまとまり、食欲が出ない朝でもスルスルと食べていました!
納豆のタレやしらず干しの塩気もいいアクセント♪
ヨーグルトにのせた細かく刻んだみかんも、筋は一切気にならず、あっという間に完食!
元気に、朝練へと向かいました。
親もしっかり食べさせてあげられたという安心感が◎
毎朝、食パン1枚の朝食では、運動前の食事としてはどうなんだろう、給食前にお腹が空いているんじゃ……などといつも心配していましたが、今回のお粥とヨーグルトの朝食では、しっかり食べさせてあげられたという安心感がありました。
お粥の調理も、鍋を出してコトコトに煮込むのかな……と思っていましたが、電子レンジだけで調理ができるのは、忙しい朝に嬉しい限り。
アスリートキッズたちの朝食に悩んだら、調理のラクさも栄養も◎のお粥やグラタンをぜひ試してみてくださいね。
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取材・文・構成/長南真理恵