休日に12時間以上…眠りすぎは病気? 寝すぎの原因と見直したい過ごし方

休日に寝だめをしよう!と12時間以上寝ることはありませんか? 寝だめはすっきりするかもしれませんが、実はあまり良いこととは言えないのです。その原因やおすすめの睡眠管理術をご紹介します。

休日の寝だめにメリットはある?

平日は十分な睡眠時間がとれないから、週末はたっぷり眠って寝だめをしておきたいと思いますよね。

「寝だめ」で睡眠不足を解消しようとしているのかもしれませんが、残念ながら寝だめをしても、睡眠改善へ効果がある、とはあまり言えないのです。その理由をご紹介します。

休日の寝だめがおすすめできない理由

寝だめはむしろ逆効果のときも。いったい、なぜなのでしょうか。

体内時計が狂う

週末に寝だめをすると、どうしても朝寝坊になります。

時には12時過ぎまで寝てしまいがち。遅く起きると、私達の体内時計にズレが生じます。その結果、寝だめをした日は夜に寝つきが悪くなり、さらに体内時計がズレていく可能性があります。

週明けがより辛くなる

体内時計のズレが戻せないまま月曜の朝を迎えると、いつも通り起きられない、いわば時差ボケの状態になってしまいます。

結果として、週明けから起きるのがつらくなる、なんだかダルい。疲れが取れた気がしないといった悪循環に陥りやすくなります。

寝だめは質の良い睡眠が取れているとは限らない

子どもの頃、「8時間睡眠」が推奨されていましたよね。しかし、年齢や体質によって、適切な睡眠時間は異なってきます。

実は、睡眠が足りている状態で長く眠っても、あまり効果はないと言われています。ダラダラと質の悪い睡眠を取り続けるのは逆効果ということもあり得えるのです。

休日に眠りすぎてしまう原因

寝だめが良くないとわかっても、休日に寝すぎてしまう主な原因は3つ考えられます。

睡眠負債が蓄積しているから

睡眠負債が理由のことも多いです。「負債」の表現からわかるように、睡眠不足は借金のごとく日々蓄積していきます。睡眠不足が続けば、足りない睡眠を取り戻すのは、一層時間がかかるようになります。

睡眠の質が下がったままだから

睡眠の質が低いと、疲れがあまり取れていません。長く寝たとしてもすっきり感が得られず、身体はもっと休息を求め、睡眠時間だけが長くなってしまう……ということもあるようです。時間だけではなく、質の高い睡眠を心がけましょう。

平日の疲れが溜まっているから

平日の疲れが回復できておらず、心と身体の疲労が溜まっているときは、どうしても休日に寝すぎてしまう。そんな場合は休日の朝、目が覚めたときに「よく寝た」と感じられたときは質の高い睡眠。それ以上ダラダラと寝ないようにしましょう。

もしも「起きる元気がない」状態が続いた場合は、心が不調になっている場合も考えられます。ずっと無気力なまま、布団から出られない、といった無気力が続くようならば、ストレスが溜まっていないか、平日に気を張り詰めすぎていないか、確認してみましょう。

心身をリセットする休日の過ごし方

せっかくの休日、平日の疲れを取って楽しく過ごしたいですよね。寝すぎを防ぎ、疲れが取れる過ごし方をご紹介します。

効果的な寝だめはプラス2時間程度

休みのときぐらい、少しは多めに眠りたいですよね。そんなときも1時間か、せいぜいプラス2時間多めに寝るぐらいに留めておきましょう。それ以上寝る時間を長くすると睡眠リズムが崩れてしまい、夜にも影響が出ます。

平日に多めに眠って睡眠不足をリカバリーしておく

休日に寝だめするのは、平日に睡眠不足になっていることも理由のひとつ。それを防ぐため、月~金曜の中で、いつもより長めに眠る日を設けてみましょう。

飲み会や残業といった予定のない日に、できるだけ早く帰って普段より1~2時間多く眠る。平日に一度でも寝不足を補っておけば、疲れも回復し、休日の寝だめも軽減されます。睡眠や生活のリズムも整えられるでしょう。

積極的な予定を入れる

予定のない休日は素敵ですが、ついダラダラと過ごしがちです。つい寝坊してしまいますし、夜寝付きにくくなります。誰かと会う約束をいれるなど、活動的な予定を組みましょう。昼間に予定があれば一日積極的に過ごせますし、体内時計もずれずに済みます。太陽の光を浴びれば、身体にも良いですよ。

子どもが眠り続けてしまう原因や対処法

お子さんが眠り続けてしまう、ということもあるでしょう。子どもの場合の寝すぎに考えられる原因や改善策も紹介します。

児童の理想的な睡眠時間は、10歳までは8~9時間、15歳で約8時間程度必要と言われます

子どもの主な「睡眠障害」の症状と原因

子どもに起こる睡眠障害の症状はいくつかあります。

・眠れない
・寝すぎる、常に眠い
・起床、就寝リズムが不規則
など。

それぞれの症状は以下の可能性があります。

・不眠症
・過眠症(ナルコレプシーなど)
・睡眠覚醒リズム障害 (夜型睡眠など)

ただ、子どもは個人差が大きく、一概に「症状」とは決めつけられません。日常生活に支障が出るなど、深刻な場合は医師へ相談することをおすすめします。

子どもの寝すぎを防ぐ方法

寝すぎの場合、

・生活リズムが崩れている
・夜に長く起きている
・体力を過剰に消耗している

といった原因を取り除くことで改善できる可能性があります。

生活リズムを整える

子どもの生活においてもリズムを整えることが重要です。

・日々の就寝・起床の時間をバラバラにしない
・寝る前のルーティンを決める
・部屋の温度や寝具の寝心地を確認する
といった対策をしてみましょう。

習い事や運動など、体力以上の予定を詰めていないか確認するのもひとつの方法です。

カフェイン摂取量に気をつける

就寝前2時間以内のカフェイン摂取量は注意が必要です。子どもの身体には、少量でも影響が強いことがあります。緑茶などのお茶、チョコレートもカフェインを含みます。また、逆に空腹すぎても寝付けないので、食事のタイミングについても見直してみましょう。

起床後に太陽の光を浴びる

子どもが起きたあと、どうしてもボーッとしたまま……ということもあるでしょう。実は、ヒトの体が本来持つ一日のリズムは、約25時間と言われます。このズレは、外からの刺激で調整する必要があるのです。

朝起きたらカーテンを開け、子どもに太陽の光を浴びさせるように心がけましょう。曇りや雨の日でも、外の様子を感じることで身体が覚醒します。大人も子ども同様にリズムを調整する必要がありますので、一緒にやるのもおすすめです。

寝だめを避けて充実の日々を過ごそう

ある程度寝不足を解消してくれる寝だめですが、寝不足の悪循環を生み出す原因にもなります。寝だめ以外でも寝不足対策を行って、充実の休日・平日を過ごしましょう。

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文/宇野なおみ 構成/HugKum編集部

参考:
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部

大塚製薬|睡眠リズムラボ

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