【おうちでできるモンテッソーリ】0〜6歳は言語の敏感期。「これなに?」質問ぜめに思わずイラッとするときの対処法とは

前回は「おうちでできるモンテッソーリ教育」について、モンテッソーリ教師あきえ先生にお話を伺いました。モンテッソーリ教育には「敏感期」という期間があります。0~6歳くらいのお子さんをお持ちのママやパパが悩みがちな問題は、この「敏感期」を理解することが解決の糸口になることがたくさんあります。今回は、具体的なお悩みに沿って「敏感期」についてお話していきますね。

「言語の敏感期」の時期は、話すことが大好きです

敏感期は6つの種類があると、前回の記事でお伝えしましたね。今回は「言語の敏感期」について詳しくお話していきます。子育て中のママやパパからは、下記のようなお悩みが寄せられることがあります。

家にいても外にいても一日中「これなに?」ばかり言います。余裕がある時は答えますが、バタバタしている時はついイライラしてしまいます。
「だね~(だよね)」「ありあと(ありがとう)」など、家族が口にする言葉をなんでもマネします。中には「やめろ」「だめ!」など、あまり口にして欲しくない言葉も…。気を付けたほうがいいですか?
「だめなの!」などと言って、叩いたり時には噛んだりすることがあります。びっくりして叱ると大泣き…。意思疎通ができなくて、息子も私もモヤモヤします。

これら3つのお悩みに見られる行動は「言語の敏感期」によるものです。0~6歳頃に見られる言語の敏感期は(胎生7ヶ月の頃から始まっていると言われています)、言語を自分の一部にするために現れるエネルギー。この頃の子どもは、言語に対して強い興味を持っています。

なので、目に入るものを「これなに?」と言語化しようとする、大人が話している言葉を真似する、口元をジーっと見つめたりさわったりするような行動が見られることがあります。

3つのお悩みに対し、具体的にどうしていけばいいかをお話しますね。

お悩み①「これなに?」を連発…家ではどう対応すればいい?

何度も同じ質問をされると、大人が疲れてしまうということがありますよね。このような時は、できるだけ丁寧に応えていきたいですね。もし大人も分からないことであれば、「調べてからまたお伝えするね」と後日お答えすることがあってOKです。

「これなに?」の具体例:

子「これなに?なんでやるの?」
大人「これは洗濯バサミだよ。お洋服が落ちないように止めるためのものなんだよ」

子「キリンってどうやって鳴くの?」
大人「どうやって鳴くんだろう!お父さんも知らないから調べてお伝えしてもいい?」

もし年齢が上がり、お子さんと一緒に調べられることであれば、一緒に調べるのもいいですね。このような時に意識したいことは「子どもは“学びの芽“を育んでいるんだ」ということです。これからの長い人生の中でずっと行っていく「学び」。「これはなに?」「これはなんだろう?」「どうして?」と純粋に好奇心を持つことは、学びのスタートでもあります。繰り返しで答えるのが苦しいときには、「学びの芽を育む助けをしているんだ」と意識してみてください。

お悩み②大人の言葉を何でも真似する

この時期の吸収力は、大人の想像以上の力があります。そのため、いい言葉も悪い言葉もすべて吸収されているくらい、大人の遣う言葉は子どもにとって「生きた教科書」なのです。子どもの前だけじゃなく、日頃使う言葉を意識し直すいいタイミングかもしれません。

使って欲しくない言葉の具体例:

「やばい」と表現していたこと→「忘れていたことに気がついた!まずい!」
「やめろ!」→「やめてもらってもいい?」

また、子どもに話しているわけではなくても、大人同士の会話も子どもはよく聞いています。そのため、子どもが聞いているところで人の悪口や批判をすることも避けていきたいですね。
日頃遣う言葉を意識することで、子どもにとってより良い環境になるだけでなく、私たち大人の言葉遣いがよくなったり、語彙が豊かになったりすることにも繋がっていきます。

お悩み③言葉ではなくて手が出たり、人を噛んだりしてしまう

「言語の敏感期」の真っ只中は、言葉を吸収している時期であるため、まだ思い通りに言葉で表現できない時も多々あります。年齢が低いと特にそのような姿が見られますよね。このような時には、言葉での表現方法を具体的に伝えていきましょう。

噛んでしまったときの具体例:

子  いやなことがあり、お友達を噛んでしまった
大人 「これがほしかったんだよね。でも、人のことは噛まないよ。」
   「そういうときは、“かして“って言おうね」

その都度、様々なシチュエーションで言葉での表現方法を繰り返し伝えていくことが重要です。
そうすることで、少しずつ「こういう時にはこう言う」ということが分かるようになり、発達とともに言葉で表現できるようになっていきます。
辛抱強く伝えていきましょう。

「敏感期」を知ることでイライラする気持ちが軽減

今回は「言語の敏感期」にまつわるお悩みについてお話をしました。この時期は、一生涯使っている「言葉」を自分の一部として吸収しているとても大切な時期ですそれを理解することで「何回も同じことを聞いてしつこいな」「ずっとしゃべり続けている」という思いが、「一生懸命言語を習得しようとしているんだ」と、切り替えることができますよね。また、子どもの前で使う言葉についても見直すきっかけにもなります。

敏感期にはこれ以外にもあと5つの種類があります。次の記事では「ボタンを押しただけで激怒して大泣き!」などのお悩みにまつわる「秩序の敏感期」についてくわしくお話させていただこうと思います。

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記事監修

国際モンテッソーリ教師(AMI)
モンテッソーリ教師あきえ

幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。

モンテッソーリ教師あきえHP

あきえ先生主宰オンラインスクールMontessori Parents

取材/本間綾

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