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『ONE PIECE』は映画版が、子ども用の文庫に登場
『ONE PIECE FILM RED 映画ノベライズ みらい文庫版』
原作・総合プロデューサー・カバーイラスト:尾田栄一郎
著者:志田もちたろう 脚本:黒岩勉
集英社/集英社みらい文庫
©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
世界的に有名なジャンプの代表的漫画『ONE PIECE』は、小説版がシリーズ化しています。最新刊は、ルフィ、ゾロ、ナミといったおなじみの海賊たちが、歌姫ウタとの親交とバトルを繰り広げるヒット映画「ONE PIECE FILM RED」をノベライズ化。みらい文庫版は読みやすく、映画を見ていない人も楽しめます。アニメが好きな子なら、文章から声やシーンが想像しやすいので、本を読む第一歩としておすすめ。1 冊読んでおもしろかったら、次の本も…と読書への道にはまってしまうかもしれません。
『ONE PIECE FILM RED 映画ノベライズ みらい文庫版』より
大人気漫画・アニメ『SPY×FAMILY』が小説に!
『SPY×FAMILY 家族の肖像』
原作:遠藤達哉 小説:矢島綾
集英社/JUMP j BOOKS
今年はアニメのSeason 2放送や映画も決定している大人気漫画『SPY×FAMILY』。子どもはもちろん、大人もハマる人が多いスパイコメディで、実は小説版も発売されています。漫画では描かれていないエピソードも収録していて、読み切りの話が何本か入っているため気軽に読み進められるのが特長。登場人物が魅力的で笑いどころがたくさんあるのですが、友達とのかかわりや家族の在り方を考えさせることもある内容で、親子で読んでも楽しめます! ふりがなが少ないので高学年向けですが、名シーンを覚えていて、意外と読みこなしてしまう子も多いようです。
ポケモン映画シリーズでNo.1の感動作は、親子愛がテーマ!
劇場版ポケットモンスター ココ
著者:水稀しま 脚本:冨岡淳広・矢嶋哲生 監修:石原恒和 原案:田尻智
小学館/小学館ジュニア文庫
1996年のゲーム発売から根強いファンを持つポケットモンスターは、親世代もなじみのあるキャラクター。過去に映画化された『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』や『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』なども、小説版が発売されています。『劇場版ポケットモンスター ココ』のテーマは、「ポケモンと人間の種族を超えた親子愛」。主人公のサトシとピカチュウが、オコヤの森で少年ココと出会い、ポケモンに育てられた少年ココを通じて、親子の関わりについて考えさせられる作品。小学館ジュニア文庫版はすべての漢字に読み仮名がふられているため、小学生でも読みやすいです。
第2期放送が決まった『呪術廻戦』も映画版をノベライズ化
『劇場版 呪術廻戦 0 ノベライズ みらい文庫版』
原作:芥見下々 小説:くまあたろう 脚本:瀬古浩司
集英社/集英社みらい文庫
人気漫画『呪術廻戦』の映画をノベライズ化した一冊。『呪術廻戦』のアニメは2023年夏より第2期が放送されることが決定している人気作品です。同名の文庫が2種類ありますが、集英社みらい文庫版は、すべての漢字に読み仮名があり、挿絵も多いので、小学生でも十分楽しめます。アニメ版の過去となるストーリーで、アニメでは出てこなかった乙骨憂太が主人公となっています。戦闘シーンが苦手な子も、小説版なら自分のペースで想像しながら読めますし、映画やアニメとは違った楽しみがあります。
『ドラえもん』の新作映画の小説が先取り発売予定!
映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)
原作:藤子・F・不二雄 著:福島直浩 脚本:古沢良太
小学館/小学館ジュニア文庫
ドラえもん映画シリーズ42作目となる『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』は、2023年3月3日公開。それに先がけて、小学館ジュニア文庫から小説が発売されます。何でも叶う夢のような楽園「パラダピア」に冒険に行くというドラえもんらしい作品。のび太やジャイアンといったいつもの5人組が、パーフェクトネコ型ロボット・ソーニャと仲良くなりますが、すべてがパーフェクトに見えるこの楽園には、何か秘密があるようで……。『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』『STAND BY ME ドラえもん』といった映画シリーズも小説化されているので、シリーズ読破を目指してもいいかもしれません。
『名探偵コナン』は推理ものの読みごたえがバツグン!
『名探偵コナン 安室透セレクション ゼロの裏事情』
著:酒井匙 絵・原作:青山剛昌
小学館/小学館ジュニア文庫
『名探偵コナン』は、映画やコミックが40冊以上小説化されていて、読みごたえがあります。『名探偵コナン 安室透セレクション ゼロの裏事情』は、登場人物の中でも複雑な裏設定を持ち、ファンが多い安室透のエピソードを、コミックから集めてまとめた小説。どんどん引き込まれる内容で、ジュニア文庫の中でも人気が高いシリーズです。細やかな描写が小説の特徴で、推理ものは特に想像するおもしろさがあります。
星のカービィが暴れ出す!痛快なコメディ小説
『星のカービィ まんぷく、まんまる、グルメフェス!』
作:高瀬 美恵、絵:苅野 タウ、絵:ぽと
KADOKAWA/角川つばさ文庫
©Nintendo / HAL Laboratory, Inc. KB22-P4815
ゲームやグッズなどの話題でよく登場する「星のカービィ」。ゲームの世界観を物語にした角川つばさ文庫の『星のカービィ』シリーズはこれで25冊目となり、低学年から楽しめる小説です。全漢字にふりがながあり、挿絵も多いので、本をあまり読まない子も入りやすいです。最新作は人気ゲーム『カービィのグルメフェス』が物語になっています。おなじみのワドルディやデデデ大王も登場し、グルメ王の座をかけて、お菓子を食べる大レースが始まります。ゲームの攻略本とは違い、オリジナルストーリーを文章で引き込む本。「もっと食べたい!」と食いしんぼうなカービィに振り回されるドタバタがおもしろく、漫画の感覚で軽く読める内容です。
低学年から読みやすい紙面。『星のカービィ まんぷく、まんまる、グルメフェス!』より
映画『すずめの戸締まり』の細やかな世界観を楽しむ
『すずめの戸締まり』
作:新海 誠、挿絵:ちーこ
KADOKAWA/角川つばさ文庫
©2022「すずめの戸締まり」製作委員会
大ヒット映画となった新海誠監督の『すずめの戸締まり』。映画を見たことがある人ならぜひ読んでほしい、角川つばさ文庫の小説版です。映画では、スピンオフのショート小説が入場者プレゼントとして配られましたが、その延長線として本編の小説にも挑戦してほしいです。映画では、感情や行動の理由があいまいだった部分も、文章の中でなるほどと納得できることが多いのも小説版の特徴です。二度楽しめると思います。
ベストセラー『かがみの孤城』が映画化、さらにライトノベル化!
かがみの孤城
作:辻村深月 絵:村山竜太
ポプラ社/ポプラキミノベル
『かがみの孤城』を映画で知った人も多いと思いますが、大元は、2018年の本屋大賞他、数々の賞を受賞した辻村深月のベストセラー小説。漢字にふりがながつき、挿絵の多いポプラキミノベル版も発売されました。上・下巻のボリュームある小説で、学校での居場所をなくし、閉じこもっていた女の子が鏡の世界に導かれるお話。似た境遇の子どもたちに出会い、不思議な城に隠された鍵を見つければ、願いが叶えられると知らされます。ミステリーを解く中で、仲間との心の交流が優しく描かれている作品です。
『かがみの孤城』より
記事監修
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文・構成/日下淳子