ガーナはどんな国? 城塞やカカオ、金で知られる国の詳細をチェック【親子で学ぶ世界地理】

ガーナはアフリカ大陸西部にあり、ギニア湾に面する国です。緯度と経度が0度の赤道直下にあり、一年中暑い国として知られています。そんなガーナは、チョコレートの原料になるカカオの産地として世界第2位の生産量を誇ります。ガーナはどんな国なのか、人口や面積、治安情報、観光スポットなどをご紹介します。

ガーナってどんな国?

チョコレートやカカオの原料となるカカオ豆の産地としてよく知られているガーナ。アフリカ大陸西部にある国で、赤道直下にあります。そんなガーナはどんな国でしょうか?  順番に見ていきましょう。

ガーナ基本情報

まずは、ガーナの基本情報からチェックしましょう。

国名

ガーナ共和国

首都

アクラ

場所

ガーナがあるのは、アフリカ大陸の西部。東はトーゴ、北はブルキナファソ、西はコートジボワール共和国に隣接し、南にはギニア湾があり大西洋に面しています。

日本との時差

9時間(日本の方が9時間進んでいます)

面積

23万8537平方km
日本の総面積は37万8000平方㎞で、ガーナは日本の面積のおよそ3分の2と言えばわかりやすいでしょう。

エリア

ガーナには16の州があります。

人口

3107万人(2020年の世界銀行のデータ)
日本の人口は1億2477万人(2023年1月1日時点)。ガーナの人口は、日本の約4分の1です。

言語・公用語

公用語は英語です。そのほか、各民族語があります。

通貨

ガーナセディ(GHS)
1ガーナセディ=約10.8円(2023年2月17日時点)

ガーナの国旗

宗教

キリスト教徒(国民の約7割がキリスト教徒です)、イスラム教(約17%)など

歴史

ガーナには、1471年のポルトガル人をはじめ、かつてヨーロッパの国々が進出してきた歴史があり、城塞や建物の争奪を繰り返してきました。その後イギリスの植民地となり、1957年にイギリスから独立して1960年に共和国となりました。

11世紀頃 北方からの移民が定住を始める
13世紀頃 小国家群が形成される
1471年 ポルトガル人がエルミナに上陸
17世紀 アシャンティ王国の成立
1821年 英領ゴールド・コーストが設置される
1823年~1831年 第一次英アシャンティ戦争
1901年 アシャンティ王国が英領ゴールド・コーストに併合される
1957年3月 英国から独立(初代首相エンクルマ)
1960年7月 共和制に移行。エンクルマが初代大統領に就任。
1966年2月 軍・警察によるクーデター(エンクルマ追放)
1969年10月 文民政権発足
1972年1月 軍部クーデター、アチャンポン将軍政権
1979年6月 ローリングス空軍大尉による軍事クーデター
1979年9月 民政移管、リマン大統領就任

天気・気候

ガーナがあるのは、経度0度、緯度0度の位置。赤道直下にある国で、熱帯大陸サバンナ気候です。季節は乾季と雨季の2つに分けられ、雨季は4月から10月頃まで。雨が一度降ると、バケツをひっくり返したような激しい雨が降ります。一方、11月から3月頃は乾季です。気温は、年間を通じて21℃から35℃くらいです。

ガーナのサバンナ風景

ガーナの治安・住みやすさ

ガーナの治安情報や住みやすさはどうでしょうか?

治安は危険レベル2~1

外務省「海外安全ホームページ」によると、2022年2月17日時点でガーナの危険レベルは、「十分注意してください」と呼びかけるレベル1です。

ガーナで日本人を標的としたテロ事件などは発生していません。しかし、ガーナの近隣国ではイスラム過激派組織によるテロ事件が頻発しており、特に北部で隣接しているブルキナファソは治安情勢が悪化しています。そのため、ブルキナファソとの国境地域と、トーゴ、コートジボワールとの国境地域にもテロの危険性が高まっており、「不要不急の渡航を止めてください」と呼びかけるレベル2が発令されています。

また首都アクラを含め、外国人に対する強盗、器物破損、住居侵入、詐欺、襲撃、誘拐などが多く発生しているため、もしガーナを訪れることがある場合は、現地の情報の入手を行い十分な注意が必要です。

詳しくは外務省【公式】サイトでチェックを>>

ガーナのガ族に伝わる民族楽器「パンロゴ」ドラム

住みやすさは

ガーナは国全体において治安面に不安があり、近隣の国ではテロの脅威もあり、安心して暮らせる場所とは言い難いでしょう。それに加えて、電力などのインフラ整備や公共サービスについても多くの課題を抱えています。そのため、ガーナの住みやすさはいいとは言えないでしょう。

ガーナの見どころ・観光

ガーナにはどんな観光スポットがあるでしょうか。

ケープコースト城

ガーナにはヨーロッパから進出した国が、さまざまな城塞を建築してきたため、それらが数多く残され世界文化遺産に登録されているものも多くあります。そのひとつが、1653年にヨーロッパ人によってつくられたケープコースト城です。

当初は木造の建物でしたが、その後石造に改修されています。海に向かった大砲や、奴隷が収容されていた牢屋なども多くあり、明るく美しい現在の景色とは裏腹に、奴隷貿易などの悲しい歴史について考えさせられるスポットでもあります。

アフリカ ガーナ ケープ・コースト城

エルミナ城

エルミナ城は、ガーナ南部の港町エルミナにある城塞です。サハラ以南で最古のヨーロッパ建築で、ギニア湾で最初の交易地となった場所です。ここも後に、奴隷貿易の中心となった歴史があります。

ブラックスタースクエア

ブラックスタースクエアは、アクラにある公共広場です。1957年の独立を記念した凱旋門があり、「AD1957 FREEDOM AND JUSTICE(1957年、自由と正義)」と大きく描かれています。

ボルタ湖

ガーナには琵琶湖の10倍以上の大きさになるボルタ湖があります。このボルタ湖は世界最大級の人造湖で、ダムを建設したときにつくられました。クルージング、カヌー、ジェットスキーなどのアクティビティが行われたり、釣りを楽しんだりする人もいます。

ガーナの特徴・有名なもの

ガーナといえば有名なものもいくつかあります。

カカオ

ガーナはカカオの産地として有名で、ガーナの経済を支える主要産業のひとつです。カカオの生産はコートジボワールに次いで第2位で、1位のコートジボワールとガーナとあわせて、世界のカカオ生産量の約7割を占めています。

日本でつくられているチョコレートも、ガーナ産のカカオが多く使われているはずです。ただ、カカオの生産現場では、危険な労働を余儀なくされていたり、貧困から抜け出せず子どもが労働させられたりしている問題もあります。

カカオの木

ゴールドコースト

ガーナはカカオが有名ですが、金の輸出も盛んな国でもあります。そんな金の存在から、かつては「ゴールドコースト」と呼ばれたほどです。ガーナにとって、金もとても貴重な天然資源なのです。

奴隷貿易

奴隷貿易とは、奴隷を商品として売買取引すること。ガーナではかつて奴隷貿易が行われていて、多くの人が労働力としてヨーロッパなどに送り込まれました。現代では観光スポットにもなっているケープコースト城などは、そんな奴隷貿易の拠点となった場所です。

カカオや金で知られるガーナ

ガーナはカカオの産地として日本でもよく知られているため、ガーナという国の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、金も資源として輸出されていたり、かつてヨーロッパ諸国が進出して植民地となったり奴隷貿易が行われたりしたことは、あまり知られていないかもしれません。

ガーナの歴史や国について想いを馳せてみることで、世界史に刻まれた物語や、今後の問題など多くのことに気づくかもしれません。

こちらの国もチェック!

エチオピアはどんな国? コーヒー、飢餓、教会遺跡など知っておくべき基本情報を解説【親子で学ぶ世界地理】
エチオピアってどんな国? コーヒーといえばエチオピアが有名ですよね。日本の3倍ほどの面積があるエチオピアは、世界有数のコーヒー豆の産地とし...

文・構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事